妙高; 雨飾山
(あまかざりやま)

初めてのテント山行で採れたて山菜の夕食。


 H7年6月6-7日(火〜水)前夜発 ;
 Member.計6名
(青木、麦島、奥山、村田、五十嵐、石原)

 コース
5日(夜発)6日 小谷温泉休憩舎(駐車場)〜雨飾山〜小谷温泉休憩舎(幕営)7日 小谷温泉休憩舎(駐車場)〜山菜取りor大渚山or鎌池散策 


 初めてのテント泊山行。ただしそこをベースにして身軽なPHの為、気は楽だ。そして目的地までは二台の車に分乗。途中双葉SAで五十嵐さんが大事なポシェットを忘れるというハプニングがあった。中央道を下りたコンビニで気づき、急いで連絡。保管されていることを確認して、帰路無事に彼女の手元に戻り一件落着。

 前夜10時半頃出発して着いたのは翌朝四時過ぎだったろうか。テントを張って仮眠し、八時起床。それぞれに朝食をとり、おいしいコーヒーを飲んでいざ出発。

 先ずは水芭蕉の咲いている湿原を通り抜けて登山口へ。そこはまだ残雪が広がっている。果たしてこの先は?と思いつつ、大丈夫という青木さんの言葉を信じて後に従った。重い荷物は殿方に預け、唯一重いビデオは忠告に従ってリュックに納めた。山に来たという実感にワクワクして、ゆっくりと登っていく。思えば今回は私が最年長、初めての経験だ。戸惑いは多少の緊張を強いた。でも何とか皆さんについていくことが出来てほっとする。これもいたわりを持って接してくれる皆さんのおかげだ。

 天気はあいにくで、時折小雨が降ってくる。靄に霞む新緑の樹林はとても幻想的で美しい。そんな中、合羽を脱いだり着たりしながら空模様を気にかける。引き返して明日再び登ろうと一旦は声が出たが、皆の未練が表れていた。木の間の空を眺めていると、再び明るくなってきた。「行こう」と青木さんのGOサインが出てまた進み出した。途中道が分からなくなったと引き返してくる人がいたが、青木さんは慣れたものだ。役場の人が先に登っていて、雪に印をつけていってくれたのにも励まされた。雪の斜面を歩いていくのは気を使ってかなり大変だったが、皆と歩調を合わせて何とか通過。土の山道になるとほっとする。

 始めは水芭蕉、イワカガミに彩られた両脇は尾根に近づくにつれ、シラネアオイ、チングルマの群生へと代わり、ヒメイチゲ、ツバメオモトも僅かだが、きれいに咲いていた。雨は持ちこたえ、吹き上げてくる風がとても気持ちよかった。まわりの山肌は雪が斑に残り、壮観そのもの。

 山頂に到着して思わず雨飾山と書かれた標識にすがりつく。皆の顔も一様に晴れやかだった。まだ雲がかかっていたため、まわりを見回しても山容がおぼろげで、山頂からのその広がりを楽しむにはちょっと物足りなかった。でも一度はあきらめかけたこの登山、ピークを踏めただけでもありがたかった。昼食をとり、写真を撮り、青木さんが代表で山頂の記録名簿にペンを走らせてゆっくりと同じ道を下山に向かう。雪渓の下りはこわかった。青い空と新緑の美しさを深く刻んで、下山後は温泉にゆっくりつかり、青木さんが一生懸命採ってくれたウドやコゴミ、コシアブラ等、山菜づくしの豪華な夕食に皆舌鼓をうった。

 翌日は山菜を採る人、大渚山に登る人、鎌池を散策する人と好みで分かれて行動。私は五十嵐さんと大渚山に登ったが、タイムリミットで途中で下山。集合場所に集まった後、鎌池を散策し食事をしてから帰路につく。

“風受けて雨飾山立ちおれば静かに揺れしシラネアオイや”