妙高連峰; 雨飾山
(あまかざりやま)

ブナの樹林帯とお花見と山菜と露天風呂と…、しかし山は撤退


 H8年6月10日(月)前夜発 ;
  Member.計3名(青木・黒中・石原)

【コース】小谷温泉(駐車場)6:00〜雨飾山中腹まで8:30〜
 小谷温泉(駐車場)9:45


 鹿島槍の慰霊祭を終えて、黒中さんはかなりばてていたが、そのまま雨飾へ出発。彼女と歩くのは初めてだった。

 大勢だった昨年の雨飾とは違って静かな山行になったが、あの残雪の中を歩く不安を抱く反面楽しみだった。

 いく途中食料の買い出しから始まり、いつもの駐車場でテントを張った。周りを見ると建物が建っている。この登山口に、キャンプ場が出来るらしい。従って有料になるだろうし、今までのように気楽なキャンプは出来なくなる。立派なトイレがあるのに昨年同様使えない。とにかく露天風呂で汗を流してから、テントの中で食事。

 翌朝天気がはっきりしない。雨合羽を身につけとにかく出発した。やはり雪がかなり残っている。昨年に比べ水芭蕉が見えない。あると思えばあまり見栄えがない。

 分かりにくくなっていた登山口を青木さんがようやく見つけ、なつかしい道を登っていった。思ったより黒中さんは雪道の歩きに慣れていなかったようだった。慰霊山行に参加していたからそこでも苦労したのではあるまいか。青木さんがひとつひとつ教えている。何となく、彼女がとても疲れていて、しんどそうに感じた。

 オオカメノキ(ムシカリ)が所々に見られたが、下草は残念ながらほとんど雪の下。

 しかし、登った甲斐があったというものだ。ブナの樹林帯の中に足を踏み入れた時、なんとも幻想的な雰囲気に包まれる。間違えやすいその道をたどっていくが、残雪のため昨年以上に分からなくなっていた。雪渓の上の歩き方を青木さんが黒中さんに教えながらだったため、私が先行で心許ない。さらにガスがでてきた。にくい演出だ。素晴らしい風景だ。だがそのまま歩き進むのには危険すぎる。青木さんが行く先の道を探ったが、そう判断してUターンすることにした。残念だったが危険は避けた方が良い。

 気を使いながら下ると、さっきは気づかなかったミヤマエンレイソウや、コイワカガミ、シラネアオイ等が登山口に咲いていた。それを見られただけでも嬉しい。

 テントに戻って、今度は山菜採りへ。私達にはちょっと行ける場所では無いようなので、車の近くで待つこと数十分。青木さんは軽そうなビニール袋を下げながら、浮かない顔をして戻ってきた。雪が多かったため、雪解けの時、土ごと崩れ落ちてしまい、山菜など根こそぎやられてしまっているとのこと。がっかりしていた。この僅かな貴重品を私が全部戴いた。

 次は楽しみな温泉(近くの露天風呂、金額の書いていない料金箱があるのみ)。ゆっくりつかって帰る。静かに雨は降り続いていた。