富士周辺;愛鷹連峰 越前岳〜呼子岳
(あしたかれんぽう)

低山でも雪山


 H8年1月27日(土)当日発 ;
  Member.計2名(津田、石原)

大山祇命神社7:35出発〜愛鷹山荘8:15〜富士見峠8:25〜
 黒岳8:55〜富士見峠9:25〜富士見台10:45-55〜
 越前岳11:20-45〜呼子岳12:50〜割石峠1:00〜
 大山祇命神社2:45


 やっと革靴を買った私の為に、津田さんが「足慣らしに行きましょう」と声を掛けて下さった。目的地は愛鷹!お互い行った事の無い山だった。津田さんの事前調査の結果、かなりの雪でおそらく人は入っていないとのこと。とにかく行ってみましょうと、アイゼンもしっかり用意して出掛けていった。雪は覚悟していたが、裾野インターをおりて間もなく雪道になっているとは思わなかった。幸い今や骨董品の、使用禁止地域続出のスパイクタイヤを信頼して、音がうるさいながらもノロノロと快適?な走り。林道の入口に気づかず少し通り過ぎてしまったが、戻って予定通りのコースへ。軽く朝食を済ませた後出発。

 雪とはいえ軽く流す津田さんに従って、アイゼンを着けず登り始めた。にこにこと楽しそうに、こともなげな確実な足運びはさすが。今日は私たちが先頭らしいが、どうやら人は入っているらしい。

 峠へ出ると木の合間から富士が姿を現した。そのまま進めば越前岳だが黒岳にも足をのばそうということになった。間もなく大きな富士山が全身を現す見事な景観に出くわした。二人で歓喜、しばし見とれる。黒岳山頂は見晴らしが悪く再び峠へと戻ったが、先程の富士山はもう雲に隠れていた。

 往復1時間を過ごした後、改めて越前岳へと足を向けた。ビックリするほどの積雪ではないが、すっぽり雪におおわれて、充分雪山気分を味わえる。すっかり気をよくしてしまった。コースタイムは少々オーバー。途中から曇って粉雪が散ってきたが、肩にかかる白雪も気にならない。登りは一人出会ったが、他には誰も来ていないのかと思うほど静かな快適な歩きだった。しかし、山頂には思い掛けなく10〜20名ほどの人たちがいて驚いた。殆どが十里木高原から登ってきたようだ。残念ながら視界の悪い山頂で、シャッターを切り、思い思いに昼食を広げる。

 下山はアイゼンを装着している人もいたが、津田さんは自信に満ちた顔で要らないと言う。おそらくは同じ道を戻るだろう人たちに挨拶をして、私たちは呼子岳へと進んだ。曇ってはいたが前方に呼子岳、鋸岳が重厚な姿を見せてくれた。落葉した木々の間に雪が埋まっている。私たちは足下に注意してゆっくりと下りていった。

 急な下りを過ぎると歩きやすい尾根伝いになり、振り返ればさっきまでいた越前岳が大きく見える。高見へ出ればまわりの山々を眺めて楽しんだ。こんな時、あの人にも見せたい、この人にも見せたかったとその幸せを分かち合いたい思いにかられる。

 最後の頂上、呼子岳に立ってから一路、沢伝いに下山。標識に『下山路には向きません』とあったが、踏み跡はしっかりついていたので安心して下りていった。雪だから歩きやすいと言った方がよいのか、雪のため歩きにくいと言った方がよいのか、岩の上に積もった雪の上を歩くのはかなり神経を使う。注意深く歩く私とは反対に、大胆に進む津田さんは転び方も豪快。そしてころころと楽しそうに笑っている。私は雪の下のゴツゴツした岩場に足を滑らしながら、あっ革靴が!あっ34800円が!と声にならない声。幸い足をくじくこともなく、オニューの革靴は私に馴染んで守ってくれた。

 この下山でも汗をかくほどだから、もっと高い雪山はさぞやと思った。その魅力もまたこれ以上なのだろう。

 《温泉情報》
  大野路露天風呂
  裾野インターの近くです。大野路キャンプ場と言えばご存じでしょうか。露天風呂は昨年出来ました。新しい木の香りがしてきれいです。料金は900円。内風呂はありませんがゆっくりつかってほっとします。時間と予算に余裕があれば日帰りプラン5000円で食事付き、露天風呂の他に展望風呂(富士山の眺望が見事、もちろん内風呂)にも入れます。