丹沢; 畦ヶ丸山
(あぜがまるやま)

久々の母娘ハイキング


 H9.12/21(日)当日発 ; Member.計2名

西丹沢自然教室7:50〜権現山登り口8:30〜善六ノタワ9:40-50〜
畦ヶ丸10:30-11:20善六ノタワ11:50〜本棚〜下棚〜
西丹沢自然教室13:30

 久しぶりに娘と二人で山歩き。低い山という条件付きだ。そこでまだ行ったことのない畦ヶ丸を選んだ。コースタイムは5時間弱。登山口まで私でも車で行けるというのが良い。娘も車で寝ていけるのが良いらしい。ということで即OK!

 東名大井松田でおり、246で西丹沢自然教室へ。自宅から約1時間半で到着。既に車が数台停まっている。おそらくみんな、あちらこちらのコースに散らばっていることだろう。

 夫婦か友人か分からないが、畦ヶ丸へは男女一組が先行。何となく安心して、支度した後入山連絡を済ませ出発。吊り橋を渡って行く。学校や友達の話などを話す娘の明るい声が楽しく嬉しい。

 今回ゴアの靴を娘が履き、私は初代の防水でない靴を履いていった。ところがここは何回も川を交差する。梯子がかかっているのは良いのだが、石を並べてあるだけの所がなんと多かったことか。しかも水面下だ。参ったなぁと思いながら、その度に何とか通過。

 自然林に恵まれて丹沢らしい山道が続く。途中先ほどの男女が谷沿いの奥に見えた。挨拶だけして私達はその場を通過し先に行ったが、後から山頂で彼等にあったとき、そこは滝だったと聞いた。本棚・下棚と書いてあったが棚というのは滝の事だと初めて知った。以前その滝を見るために主人と途中まで来たことがあるのだが、台風の後で倒木のため通行止めになっており断念したことがあった。しかし、棚の意味さえ知らなかったのだから、その時来たとしても分からず通過してしまっただろう。

 そんなこととはつゆ知らず、この時逆に私達が先行してしまい、いつまで立っても彼等が来ないので、首を傾げていた。トイレだったのかな?ペースが遅いのかな?私達が早いのかな?と。

 静寂な山中に私達の話し声だけが広がる。天気はとても良くて暖かい。もし寒くて曇り空だったら二人だけで心細かったかも知れない。

 しかし、善六ノタワの近くの痩せ尾根で、熊のような足跡を見つけて驚いた。すーっと背筋に寒いものが走る。娘を驚かせないように「熊さんかなぁ?大きな声で歌うたおうか」と明るく話す。すると娘が明るく歌いだした。「♪ある〜日、森の中、熊さんに、出会〜った♪…」思わず笑い出してしまった。「熊さんに出会っちゃうの?大変だ〜」

 そうだラジオがあったはずだ、と思いだし、娘のリュックを捜した。あったあった!ちゃんと声も入る。めいっぱいボリュームをあげてまた歩き出した。私の後ろを歩いているときは遅れがちだった娘が、先に歩き出してどんどんペースが上がった。早い、早い。これが若さか、羨ましいなぁと思いながらついていく。でも本人はきつかったようだ。苦しいから早く登ったそうで、それを出来るガッツが素晴らしい。ようやく娘が見えると、彼女はニコニコしてまた先に行く。時には座って待っているときもある。ラジオのニュースで伊丹十三映画監督が飛び降り自殺をしたと言っていた。なんでーと思いつつ娘に教えたが只、「ふーん」としか応えない。

 途中夫婦連れの二人とすれ違った。先を行く娘が「早いわね」と声を掛けられたそうだが、それは台詞が反対だ。でももしかしたら避難小屋にでも泊まって、下山してきたのかも知れない。

 やっと山頂に着いたのはまだ10時半。こんなに良いお天気なのに展望の無いのが残念。誰もいなくて静かだ。でもそれがとても清々しくて気持ちよい。二人で写真を写し、うどんを作って食べ、ココアを温めて飲んだ。

 途中朝の二人がやってきて先程の滝の話になった訳だが、この時教えてもらって良かった。彼等はぐるりとまわってバスで西丹沢自然教室まで戻り、車で帰るという。一瞬私達もそうしようかと思ったが、娘が早く帰りたそうだったし、滝も見ていきたいしと思って当初の計画通り同じルートを下山することにした。

 順調に下り、登山道より5分という本棚に先ず寄る。水はチョロチョロ。がっかりして下棚へ。ここは予想に反して滝らしかった。

 山も滝も良かったが、娘と歩けたのが何よりも嬉しかった。

”ころころと笑う娘の声そして西丹沢のせせらぎの音”
”山頂に見晴らし無くも娘(こ)の笑顔喜々と映りし母の胸には”
”年頃の強き口調も山に来て心も強く育てと願う”