箱根・台ヶ岳(だいがたけ1044.5m) |
右写真【すすき草原】
【コ ー ス 】(〜は歩、休憩時間含む)
すすき草原P10:05〜台ヶ岳山頂?11:30〜すすき草原P12:35
(所要歩程時間約2時間30分くらい・・休憩含む)
翌日の天気予報は残念ながらあまり良くなかった。夕方から夫が忘年会で、早めに帰らなければならなかったので、山の支度は当然してこなかった。しかしお昼か夕方くらいまでもちそうだ。宿の側の台ヶ岳くらいなら散策できるかもしれない。と思っていたら、宿の人は登山道があるか知らないという。もっともエアリアマップには載っていなかった。宿に置いてあるハイキングマップにも載っていない。それなら金時山にでも登っていこうか・・・。しかしふもとのすすき草原で駐車し、近くのお店で聞いてみることにした。お店番はおばあさん。ちょっと不安だったが「台ヶ岳の頂上まで登れますか?」「登れますよ」。もう一度「山のてっぺんまで行けますか?」「行けますよ」。やっぱりちょっと不安だったがともかくそこでお茶のペットボトルを買い、お礼を言って戻ってきた。とにかく行ってみようか・・
すすき草原はその名の通り一面すすきで埋まっていた。一直線に伸びる散策道はそのすすきを眺めるものらしい。その散策道を行くと山の方へ向かっていくつか踏み跡があった。踏み跡を辿ってすすきの原を抜けると眼下が一面黄金色で美しい。登山道なるものはあるのかと、眺めながらすすき草原に沿って山腹を歩いていったがそれらしき道筋がない。
すすき草原の途切れたところで辛うじて作業道らしきものがあり、そこを登っていった。ここを登る人がたまにはいるらしかったがしっかりした踏み跡があるわけではなかった。急登で笹や木をつかまりながら登っていく。空荷で幸いだったが脹ら脛がパンパンだと夫が言う。
しかし再び山頂へのそれらしき道は無くなり、いよいよ藪こぎとなった。こんな時に限って磁石を持ってきていない。後ろを振り返り金時山や町並みを眺められる内はよかったが、そのうち笹藪が深くなり金時山の山頂方面にはガスがかかって見えなくなってしまった。目指しているつもりの山頂は笹藪で覆われ、一生懸命三角点を捜してみたが分からなかった。もちろん山頂標識も見あたらない。
そのうちその山頂部分もガスってきた。大木を山頂に見立てて急ぎ下山することにする。この下山にしてもそれまでの踏み跡はおろか、笹などで付けた目印さえ見つけられず、おおよその見当をつけながらの下山となった。対面に見える金時山の山並みもガスがかかって見えなくなっていた。ある程度下りていくとすすき草原が見えてきた。登るとき山の様子は大体分かっていたので、落ち着いてそちらの方に向かっていった。
急だったため時折少々滑ったが、そのうえ雨が降ったら大変だと思いつつ気を付けて下りていった。動物の足跡か人の足跡か、いつつけられたものかも分からないような跡がたまにある。すすき草原に出た時は、ようやく急な斜面を終えたという思いでホッとした。
すすき草原を横切り、改めて台ヶ岳を見上げる。藪こぎで面白かったといえば面白かったが珍しく達成感がなかった。山頂だろうと思いつつもはっきりと見極められなかったからかもしれない。でもそれなりに楽しめたからヨシとしよう。すすき草原の中を歩いているとやっぱり満足感があった。