東北; 早池峰山
(はやちねさん)

台風のさなかエーデルワイスに逢いたくて…


 H8年7月9日〜10日(火〜水)前夜発 ;
  Member.計9名(渋谷・青木・宮沢・津田・新牛込・小薮・奥山・山上・石原)

河原坊4:23〜コウベコウリ5:15〜早池峰山頂
  6:45-7:17〜小田越9:20〜河原坊9:45


 まさか台風に祟られるとは。前夜それでも私達は出発した。東北高速道は大雨。途中運転を代わりながら、私は初めて渋谷さんの車を運転した。決行するか予定を変更するか、磐越道の手前のパーキングエリアで相談。意見は二手に分かれたが、相手がどう変わるかもしれない天候ではとにかく安全で確実な方法をとるしかない。

 未練の残るCL渋谷さんと顔を合わせながら、それでも行くだけ行きたいねという思いが交錯する。

 しかし、予定は変更。車2台は一路、桧原湖畔へと向かった。夜半激しい雨は止んで、テントを張る間も夜空を見上げる。

 翌朝うっすら明るい。今日登ろうとしている磐梯山が目の前に大きく見える。だがその時見ていたのは遠く、早池峰山の姿ではなかったろうか。

 朝食をとる間も雨は止んでいる。ここは台風のコースから外れたのだろうと気持ちを入れ替えようとしても、なんだか気持ちがすっきりしない。

 コースは雄国沼周辺と決まった気配。車に乗り合わせて再び2台で移動。と、その時、遠方に冠雪した連山が眼に飛び込んできた。吸い寄せられるようにタイミング良くあった展望台に駐車。飯豊連峰だった。みんなで歓声をあげた。やや不安な思いを残している青木さんをもついに折れた。ここでみんなの気持ちがひとつにまとまり、再び車はUターン、早池峰山へと向かう。車内は一気にはしゃいだ雰囲気に包まれた。

 早池峰山への道のりは遠回りの為、なおさら遠かった。登山口のキャンプ場では雨に降られず、夕食は皆で和気藹々と支度。渋谷さん自家製の枝豆やみんなの持ち寄りで、豪華版だった。

 翌朝、起きて空を見上げると何と星が出ているではないか。この幸運をこのメンバーの一体何人が予測しただろう。皆の表情は当然明るい。

 外も明るくなった頃には皆の支度も整い、いざ登頂。沢に沿って進むが思ったよりぬかってはいない。人気の程が窺える、なるほど登山道は歩き慣らされている。コースをしっかり吟味してこなかった私は予測もしていなかったが、これならもっと年をとっても登れると思うほどだった。そして期待に応えて花々が咲き乱れ、夜露に濡れたエーデルワイスを見たときは、感動した。ミヤマオダマキの紫と黄色の調和のとれた瑞々しさは、何度見ても新鮮だ。大人数なのでペースはゆっくりだった。大荒れの天候の合間のつかの間の好天で、早朝だったせいもあるが、登る人は少なかった。アップダウンのダウンというものが無く、登りのまま山頂についてしまった。なんて素直な山なのだ。人を裏切るということがない。それを物足りなく思う私達はあまのじゃくか、世の中を構えて見るようになってしまった大人のいやらしさか?

 山頂はガスがかかり、岩木山はつかの間しか姿を現さなかったが、登り下りの途中は鳥海山や朝日連峰が望めて、その幸運にとっても満足だった。鎖場も驚くほどではなかった。

 下山して温泉にもつかり、満ち足りた思いで帰路についた。