尾瀬; 平ケ岳
(ひらがたけ)

テント泊の予定が急遽日帰り登山に。重いザックで大変。


 H10年6月13日(土)前日発 天気.晴れのち曇り、昼過ぎより雨;Member.2人(夫婦)

【平ケ岳山頂で】

  6月12日(土) 天気;晴
自宅出発17:45〜関越道練馬IC19:00〜小出IC21:20〜 (食事〜10:10)〜鷹ノ巣登山口駐車場0:15

 関越は2時間20分。途中運転を代わったが、小出に下りてラーメンやさんで遅い夕食を食べた後、また夫の運転に代わる。

 小出から登山口までは352号線で約2時間。直線でない為、聞いていた通り長い道程。真っ暗で奥只見湖や風景が見られないのは残念だったが、空には時折月が顔を出している。

 駐車場に着いたのは夜半過ぎ。整備され15台前後駐車可。既に半分程埋まっている。車中泊。



  6月13日(土) 天気;晴れのち曇り、昼過ぎ雨
 起床4:00〜登山口発5:30〜下台倉山8:05〜台倉山(昼食)9:10-50〜白沢清水10:40-11:00〜姫池(雨の為合羽着用)12:30-50〜平ケ岳山頂13:20-30〜姫池14:00-15〜白沢清水15:15-30〜 台倉山16:20〜下台倉山17:25-45(安全確保の為ザイル等準備)〜登山口19:30(途中の小休憩は書き入れていません)

 夜中に着いた為、朝5時30分出発が限界。この時点で駐車場は満車になっていた。その時間に出発の人の殆どが軽装で日帰りの様子だ。天気は晴れ。予報は下り坂のため軽装日帰りに心が動く。10時間以上歩くのは嫌だと言う夫の一言で結局大荷物を背負い出発。ところで登山口には登山者カードを入れるボックスがないが、少し離れた清四郎小屋の入り口にある。私達はうっかりして気付かず、下山後気が着いた次第。

 登山口から20分程林道歩き(この距離が下山の際重要となった)。下台倉迄の尾根は潅木で高い木がなく、暑い時や風の強い時は要注意。また雨の時は滑りやすい所も有る。やせ尾根なので気が抜けない。早めに出発する方が良いという情報を得ていたので成る程と感謝。出発は予定より遅くなってしまったが、気候は暑くなく、そよ風が爽やかで幸いだった。夏ならばもう少し早めの出発が良いと思う。私達の大きなザックに比べ、殆どのパーティが軽装なので、次々に抜かれてしまった。やせ尾根の次は急登できついが、ふーっと立ち休みした時に見える燧や会津の山並がせめてもの慰めだ。

 下台倉山から台倉山までは安心して歩ける。見晴しの良い尾根伝いは気持ちが良い。しかしここも、夏の暑い時間は辛いだろう。台倉山の山頂は三角点のみで山の表示はなかった。気付かずに通り過ぎてしまいそうだ。私達はここで早めの昼食。クロワッサンにハム、チーズ、キュウリ、マヨネーズ、バターをはさみ、ココアと紅茶を飲む。空模様がいつ崩れるか分からないので今のうちにしっかり栄養をつけておこう。食べていると年輩の男性が一人で来て、やはり昼食休みをとっていた。この人もテント装備だったが「軽装で日帰りにしようか迷ったんですよ」と言う。

 台倉山を過ぎて10分程だろうか、台倉清水の水場が有るが有無は未確認。コメツガの樹林帯に入ると展望がきかなくなり、足下がぬかるんでくる。ぬかるみがひどいという情報に加えて梅雨時でもあるしということで、夫は長靴も持って言った方が良いと主張し、持参したが、未使用。登山靴とスパッツで充分と思う。(私はトレーニングパンツだったのでスパッツも使わなかったが、普通のズボンの場合裾が多少汚れる)。ただし、下山時は雨で急いだ為、合羽を着て、構わず歩いたので、もうグチャグチャ。

 白沢清水の水場は水があったが、使うなら煮沸した方が・・・
 ネマガリダケに気がついた頃は、空模様が怪しくなってきた。収穫はあきらめてひたすら登り、姫池についた時とうとう雨。その湿原に喜んだのも束の間、早々に合羽とザックカバーを装着し、先ずは山頂へ。

 山頂へのみちのりは、緩やかで、木道を通っていく。雨で夫がちょっと滑ったが、怪我をしないで良かった。雨の中の山頂。ハクサンコザクラやシャクナゲ、ヒメシャクナゲなど生き生きしていた。山頂でゆっくりするかどうか、目前の究極の選択に迫られる。殆どの人が下る中、泊まるか帰るか迷ったが、下山と決めて、玉子石へ行くのは断念。残念だったがやむを得ない。自然の産物で、近頃崩壊が進んでいるそうで、なんとも後ろ髪が引かれる思い。

 山頂ではまだ燧ケ岳や会津の山並は遠望できたが、姫池に戻った頃は登ったばかりの平ケ岳も既にガスの中。そこで、水は粉末でスポーツドリンクに変え、レーションを各自ポケットへ。既に2時を過ぎ、順調に下って登山口に着くのは6時半から7時になるだろう。ぎりぎりだ。体調によっては途中でテントを張ろうと決めて下山開始。

 途中、3パーティの登山者に出会う。手短な挨拶と情報交換を交わす。当然みんなテント泊だ。皆一様にザックが大きい。

 最初は快調だったが、台倉山から下台倉山の間で夫のペースが落ちた。足が痛そうだ。しかしテントを張るには中途半端な場所に来てしまった。下台倉で一休みし、この先の尾根の滑落を心配してザイルを出す。今回ハーネスは持ってきていないが、シュリンゲとカラビナを身につけ、ザイルを肩にかけた(天気がよく、体調も万全ならば、非常時以外使わなかっただろう)。まさか使う事になるとは思わなかったが、念のため持ってきたものだった。夫婦二人で実際に使うのは初めてだ。ザイルは一箇所だけ使った。手際が悪かったが、コツが分かった。もっとロープワークと安全確保の仕方を身につけよう。

 明るいうちに尾根を抜け、樹林の中に入った時はほっとした。林道まで後少し、林道に出れば登山口迄は安心して歩ける。こんなふうにヘッドライトを使うのも久しぶりだった。

 思わぬ強行軍になってしまったが、車に到着した安心感は最高だった。服を着替え、車内で湯豆腐(本当は明日のメニュー)と焼肉を食べながらビールで乾杯。(車はキャンピング仕様のハイエース)

 9時、眠りにつく頃雨音が強くなった。山頂は?と思いつつ、ZZZ、、、。

 高山植物は平ケ岳山頂のハクサンコザクラが満開でとてもきれいだった。雨の中のお花や緑は生き生きとしてとても素敵。キバナシャクナゲ、シャクナゲ、チングルマ、ヒメシャクナゲ、ワタスゲ、コケモモ等々も咲いていた。イワカガミやショウジョウバカマ、ツバメオモトはもうわずかしか見られなかった。他にも色々あったが、この辺で。



  6月14日(日) 天気;晴のち曇りのち雨
 起床6:00〜登山口駐車場発8:10〜ユピオ(温泉)10:00ー11:30〜土産購入〜小出IC12:00〜練馬IC14:00〜自宅15:30

 翌朝6時に起きると雨は止んで青空だった。私達の選択は正しかったのだろうかという気持ちがふと頭をよぎる。

 駐車場を見ると昨日同じようにテント泊を止めて下山した年輩の男性が丁度帰る所だった。私達と同様、車中泊で疲れをとっていたようだ。

 私達は朝食を済ませ、再び352号線を小出方面へ。途中チェックしておいたユピオという温泉に入る。

  ユピオ(湯之谷村交流センター)02579-5-2003
  小出ICより約20分。352号線沿い。駐車場が広い。
  10時から17時迄。第3火曜休館。
  大人500円。シャンプーリンス、ボディーシャンプーあり。

 帰路再び雨がパラパラ、ICに入って関越トンネルを抜けると更に激しい雨。雨の中、渋滞にあう事もなく、無事に午後3時半頃帰宅。



追伸: 温泉で体重を計った時、さすがに1キロ強減。重いザックの時、安定した下半身は必要かもしれないと、尾根で強い風に吹かれた時、ちょっぴりそう思った。これって、現実逃避?いいわけ?やっぱり程度問題?

“はるばると姫ノ池より平ケ岳望めばついに雨降り始む”