東三河・本宮山(ほんぐうさん789m)

 雪と青空の本宮山は楽しかった

 H16年3月6日(土)
  天気;晴時々雪
  Member.3人(姉と)

右写真【山頂がのぞく:駐車場より】


 【コ ー ス 】(〜は歩、休憩時間含む)

参道入口(駐車場)9:50〜東屋(展望場)10:45-55〜水場11:25〜砥鹿神社奥宮11:50〜本宮山山頂12:10〜駐車場の広場12:15-12:55〜砥鹿神社奥宮〜参道入口(駐車場)14:35
(所要時間約4時間45分・・休憩含む)


 夫が用事で、故郷である愛知県岡崎の兄の家に行くことになった。夫だけで用の足りることであったが、この際まだ登ったことのない愛知県の山にも行ってみようと、私も一緒に付いていくことにした(母も墓参を兼ねてもちろん一緒に帰省)。山歩きとなれば当然姉のお出まし、姉お薦めの山に案内してもらうことになった。一緒に歩くのは久しぶりだ。

 先ずは本宮山。こちら関東でいえば、高尾山のような親しみのある、人の多い賑やかな山だとのこと。天気予報があまり良くなかったが、合羽を着ても気楽に歩けると聞いていた。

 朝の天気は予報に反して良かった。夜中に到着して早朝の出発は辛いなぁと思っていたら、意外にも家を出たのは8時半過ぎとゆっくりだ。車で目的地に向かう。こんな時間で駐車場は大丈夫かと心配したが、姉はいたって気楽だった。それが元々姉の持ち前ではあるが、なるほど道路は順調。愛知出身の夫といえ、関東の道路事情に慣れきった今、さすがに驚いている。私は羨ましくて仕方ない。もっとも地元の姉なればこそ裏道も詳しい。

 参道入口の駐車場は数台の空きがあり、難なく停められた。三河冨士とも呼ばれているという本宮山、来る途中眺めた山容はなだらかに見えたが、よく見ればなるほどとも思う。

 工事中だったという参道の入口はきれいになって、まっすぐ登山道へと伸びていた。鳥居の前で手を合わせ進んでいった。

左【緩やかな登山道を行く】  

 登山道は沢山の人に歩かれているのがわかる。しばらく緩やかなのが有り難い。登山道脇に石柱が埋め込まれ、一町目から順番に並んでいる。奥宮までで五十町目となるそうだ。のんびりと20数分歩くと鶯峠という見晴らしの良い場所に出た。広い平野とその先に海が見える。朝より少し霞んではいたが、展望はまずまずで嬉しい。

左【雪降る中を歩く】

 気持の良い木立の中を歩いていくと雪が少しずつ舞ってきた。木立の中では気付かない内に、いつの間にかかなり降っているのが木々の間から見えた。わぁ〜と、声を上げて思わず足を止め三人で眺めていた。雨でなくて良かったと思いつつ。今シーズンは雪山をほとんど歩いていない。まさか本宮山で降雪に遭遇するとは思わなかった。嬉しいものだ。子供のように喜ぶ。

左【ここを登り切れば見返り峠】

 林道に出て、横切るように続く登山道は少し急になった。ウヘッ!と思ったが「ホンのちょっとね」と姉。しっかりした手すりがついており、登り切ると見返り峠とあった。なるほど「振り返りたくなる」と笑いながら振り返ると、林道はすぐ目の下に見えた(^-^; 見返りびじ〜ん!と言いながら姉の振り返ったショットをおさめ、先へと進む。

左【東屋からの展望】

 馬背岩(うまのせいわ)、梯子岩、蛙岩・・・など、次々と立て看板が出てくる。そのうち、まっ!いいか!と通過。再び左手に展望の良い場所があり、休憩に丁度良いベンチと右上には東屋があった。その時雪はやんでいて幸いにも展望が良い。平野と海が、先ほどよりさらに広がりを見せていた。豊川市と三河湾方面だろうか?この時はガイドブックのコピーだけで、地形図は持ってきていなかったので確認していない。東屋で眺めながら、しばし休憩。しかし雪が吹き込んでいて座る場所はびっしょりだった。姉に言われて見上げるとなんとそこには大きな時計が取り付けられていた。珍しい。

左【物好き?】

 再び歩き始めてまもなくまた林道になった。目の前の垂直な岩場に鎖が垂れていてびっくり!高さは5メートルくらいだったので、面白そうと夫がよじ登っていった。登る人を初めて見たと、姉は可笑しそうに笑っている(姉は10回くらい来ているそうだが)。面白そうで、私も登りたくなったが、最初のとっつきが難しい。腕力もないし、やーめた!姉とおとなしく林道沿いに進んでいった。

左【岩をよじ登らなくても大丈夫】

 2,3分歩いて行くと緩やかに階段状の登山道がある。右上に夫の歩いているのが見え、その先で道は合流していた。そして立派な屋根付きの水場。手と口を洗い清めて奥宮へと進んでいった。

左【わらじは体で隠れてしまったけれど・・】

 途中に小さな神社の建物があり、扉にわらじが掛けられていた。荒羽々気(あらはばき)神社といい、正しい勇気と身体健全を守護し、特に健脚の守護神であると書かれてあった。帽子をとり、深く拝礼!当然である。

左【ここが五十町目】

 そこからは奥宮の階段まで歩いて2,3分。手前に石段(左側)と緩やかな道(右側)の分岐があり、階段を行く(下山は緩やかな方を下った)。たいした距離ではないのだが案外疲れる(私だけか・・^^;)。奥宮直前の階段の手前で、五十町目の石柱があった。

左【砥鹿神社本宮(奥宮)で】

 砥鹿神社奥宮でお詣りして先へ。下り道になり、その途中の富士山が見えるという場所で立ち止まったが、残念ながら富士山展望は無理だった。奥宮境内には休憩出来る場所やトイレもあり、水道もあった。しかしこの時凍って、水道は出ず、手洗いの為に入れられたバケツの水も氷が浮かんでいる状態だった。周囲はうっすらと先ほど降った雪が残っていたが、歩くのに支障は全くなかった。

 本宮山に何回も来ている人はここで引き返す人が多いようだ。この時も女性二人連れがここで帰ると言っていた。そう言えば姉にも「山頂に行く?」と聞かれたっけ。何故?と不思議に思う顔をする私に「本宮山は初めて?」と聞くので頷くと、「初めてなら一度は山頂に行ってらっしゃい」と言われた。山頂に行ってみて、その意味がやっとわかるのであった。  

 関係者だけは奥宮まで車で入れるらしく、車道に整備された広い通りを緩やかに下っていった。赤い大きな鳥居の向こうに不粋な鉄塔が見える。聞いてはいたが、あまりに不似合いな情景に思えた。しかし地域の必要とあれば致し方ない。通りの右に小高い場所があり、そこが山頂かと行く人が多いそうだ。そちらには行かず、そのまま車道を進み、本宮山スカイラインにかけられた赤い橋を渡る。最近は若者がよく車で走りに来るそうな。

左【ここが本宮山山頂】

 そして鉄塔(NTTのアンテナ)の建ち並ぶ山頂に到着。中央に三角点があり、そばに本宮山と書かれた小さな標識があった。アンテナの中に展望台があるようだがそこには登らず。山頂から見える山頂公園へと向かう間の展望を垣間見ただけだった。

左【公園から見る本宮山山頂】

 本宮山山頂公園まで、といってもほぼ山頂だが、スカイラインがあり、車で来れる。土日はハイカーも当然ながら、小さい子やドライブの人も含め混み合う山なのだそうだ。しかしこの日は閑散としていた。珍しいらしい。広々とした広場の芝生にシートを広げ昼食。なぜかその時は青空が広がり、日も射して暖かい。さっきまで降っていた雪が信じられないほど気持ちの良いひとときだった。

左【雪の中を】

 そして腰を上げ、歩き始めると再び雪が舞い、追い風が緩やかに背中を押してくれる。何ともグッドなセッティング。スカイライン沿いに奥宮へと戻り、同ルートを下る。雪降る中を歩けて嬉しい。

 姉が驚くほどハイカーの数が少なかったが、それでも午後2時を回っても登ってくる人が何人かいた。ボッカトレらしき人も一人。

左【東屋で。時計が見える】  

 東屋に着くと空はまたしても青い。休みながら再び展望を楽しみ、あとは一気に下山した。気楽に歩けるいい山だった。