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夜叉神峠(分岐)に着く頃にはすっかり明るくなっていた。紅葉がきれい。
夜叉神峠小屋の広場で休憩。夏来た時はヤナギランがいっぱい咲いていたのを思い出す。北岳の山頂方面は雲がかかって確認できなかった。
笹と樹林帯を進み、見晴らしが良くないが1時間くらいのところで休憩。ゆっくり、ゆっくり・・ということで早々と木村さんからリンゴを戴く。やはり果物は美味しい。 |
↑ 夜叉神峠から:少しガスがかかって・・ |
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杖立峠までのタイムはかなり余裕がある。今回も早めに到着。少し先の広いところで休憩した。だいぶ以前山火事があったそうだがその面影はもはや感じられない。この2000m前後の紅葉はきれいだった。
トシちゃんが途中靴ズレで応急処置。早めの対処でその後は順調に進む。
空模様は雲が流れ、相変わらず白峰三山の山頂は見えなかった。 |
↑ 少しだけ紅葉がきれい |
再び歩き出すが緩やかな単調な登りで歩きながら眠くなる。木村さんとトシちゃんは辻山に行かないというので、私だけ先に行くことにした。
千頭星山分岐の標識が見えるとそこは苺平で、4人の男性が休憩中だった。そこは辻山の分岐でもあり、往復40分と書いてあった。空模様がはっきりしなかったので、ザックは背負ったまま辻山へ。
辻山へは樹林帯の中、緩やかな傾斜を行く。途中見晴らしはない。やがてここも樹林に囲まれた小さなスペースに三角点があった。
三角点の先(1分とかからない)に広々とした展望台があった。西側に開けている。晴れていれば目の前に白峰三山が一望できるのだろう。ガスっていて残念だが、前回ここに寄らなかったのはもったいなかった。
南御室小屋で泊まる場合はもうこの先に展望は無いので、天気がよければ立ち寄ることをおすすめ!
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来た道を苺平へ戻る。登山道はちょっと分かりにくいところもあるが、テープが丁寧に付けられている。この辻山は行かないで通過してしまう人が多いのだろう。
苺平へ戻り、南御室小屋へと向かった。このメーンルートは道幅が広く、石畳のような緩やかな下りで歩きやすい。
下りきったところに小屋があり、樹間の間に見えてくる。ホッとする瞬間だ。
小屋は予約客で既に満杯だが、テント場はまだ空いていた。先に着いている夫たちはすぐ分かった。 |
↑ 南御室小屋 |
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既にテン場代(一人400円)を支払い、場所を確保してくれていたので一緒にテント設営。今日はヘリの来る日ではないらしい。
お昼前には着いたので、ここで昼食にした。もちろんお疲れ様の乾杯も忘れない。ビールは350ml缶500円。前より安くなっている。
トイレも和式、洋式トイレがあり、男女別。ペーパーつきできれいに使われている。ここは水が豊富なのがありがたい。
一眠りした後早めに夕食(シーフードの寄せ鍋と、生米のご飯、他漬物やつまみ)。寒くなったので体が温まった。6時〜7時には就寝。 |
↑ 広いテンバの一角で |
【2日目:23日】
3時半起床。明け方パラパラと音がしたので雨かと思ったが、テントの外に出るとわずかに雪があった。テントから滑り落ちた程度で積もるほどではなかった。夜中に起きたときは星も見えていたのだが・・・。とにかく寒かった。スリーシーズン用のシュラフだったので、セーターなど着込み、足元にはホカロン。今からこれじゃ冬どうするのなんて思いながら寒暖計を見ると、なんと氷点下8度。もうびっくり。昨夜の寄せ鍋の出汁のきいたつゆでうどんを食べて温まる。
ヘッデンを点けて、まだ暗い5時15分頃出発。登り始めて間もなく、前を行く4人組の若い男性たちの後をついて、トシちゃんもそのまま夏道に気づかず直登していった。すぐ気づいて呼び止めたのだが、木村さんが確認している間にそのまま登っていってしまったトシちゃん、イエローカード。私たちは夏道で行ったが間もなく合流。合流しないで違う道を行ってしまう場合だって有りうるのだからイエローよりレッドカードかもしれない。 |
↑ 砂払岳 |
朝日を受けながら巨岩の並ぶ砂払岳へと向かうが、そこから見える薬師岳方向はガスっている。風は冷たい。フリースの手袋をしたがそれでもかじかむくらいだ。霧氷に驚いた反面、感激。今シーズン初めてだ。とてもきれい! |
↑ 砂払岳 |
↑ 薬師岳と霧氷:砂払岳より |
↑ 薬師岳小屋を出て薬師岳山頂へ |
砂払岳を下りたところに薬師岳小屋があり休憩。あまりに風が冷たいので合羽の下もはき、上は更にフリースを重ね着した。
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↑ 後方は砂払岳:薬師岳へ向かう途中 |
↑ 観音岳:薬師岳より |
↑ 小さな虹 |
薬師岳から観音岳に向かうと左側の谷に小さな虹が見えた。そして少しの間、虹の中にブロッケン!他愛も無く三人で虹に向かって手を振った。 |
↑ 八ヶ岳と霧氷が絵になる・・・!:薬師から観音へ |
薬師岳から観音岳に向かう稜線は秩父や八ヶ岳の山並みがすっきりと見える。
そして背後には富士山がきれいだった。
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観音岳山頂はもうすぐ。 |
↑バックは鳳凰最高峰の観音岳 |
↑ 観音へ・・・攀じ登る |
↑ 観音岳山頂(鳳凰最高峰)・・人が多かった |
鳳凰最高峰の観音岳。山梨百名山の一座でもある。
ここからの展望は360度で素晴らしい。南は歩いてきた薬師岳、その彼方に日本一の富士山。東は秩父と八ヶ岳、東は白峰三山が大きく広がり、北は甲斐駒ケ岳、アサヨ峰、仙丈岳が雄大だ。
仙丈岳の姿は北岳などの影に隠れてしまい、他の山からなかなか見られない。久々にご対面。
観音岳山頂は人が多かったので、岩場の上で一通り展望を楽しんだ後、地蔵岳に向かった。 |
↑ オベリスク(アカヌケ沢ノ頭より) |
鳳凰といえば観音岳より地蔵岳のオベリスクがシンボル。天にまっすぐ伸びている尖峰は、離れた山からもかなり目立つ。
アカヌケ沢ノ頭に荷物を置いて、一休みした後空身で地蔵岳へ。いったん賽の河原に下り、オベリスクに登り返す。てっぺんに立つのは勇気がいるので、今回も少し手前まで登って良しとする。
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↑ 山頂へ向かうトシちゃん |
↑ ひとまず山頂 |
↑地蔵よりアカヌケ沢ノ頭を振り返ると白峰三山と賽の河原が |
オベリスクからの眺めもまた抜群だ。アカヌケ沢ノ頭を振り返ると、その奥に白峰三山が見え、眼下には沢山のお地蔵さんが並ぶ賽の河原がある。
アカヌケ沢ノ頭には地蔵岳をパスした木村さんが待っているが、人数が多くて姿は確認できなかった。
再びアカヌケ沢ノ頭に戻り、木村さんが沸かしておいてくれたお湯で即席お味噌汁をつくり、昨夜の残りご飯で作ったおにぎりでお昼ご飯。陽だまりで零度。
その後下り、白砂の稜線を高嶺(写真下))へと向かった。 |
↑白砂の稜線を行く |
↑前方の高嶺目指して白砂の稜線を行く |
↑オベリスクを振り返る |
オベリスクは後方に。 |
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【高嶺よりぐるり360度、最後の山頂展望は抜群! ↓】・・・・・高嶺は穴場。空いていて静か。 |
↑仙丈岳(左)・アサヨ峰(中)・甲斐駒ケ岳(右):高嶺より |
↑観音岳、薬師岳の奥に富士山:高嶺より |
↑手前が北岳、奥に間ノ岳、農鳥岳:高嶺より |
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↑ 高嶺の下りは岩場が多く急なので要注意 |
高嶺の下りは岩場も多く、急なので要注意。三点確保しながら下りていった。7年前にも通っているが、大変な思いは憶えていない。これだからまた山に登れる。けっこう楽しんでいたのかもしれない。
下りきったところが白鳳峠でそこには既に先客が休憩していた。挨拶してそのまま先に下ることにする。
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↑ 白鳳峠の下りは雄大な北岳を眺めながら |
白鳳峠からの下りは正面の北岳に向かうように下りていく。最初はガレ場だが、大きなスクリーンいっぱいの雄大な山、北岳を眺めながら下りて行くというのも気分がいい。上にはそれより大きな青空が広がっている。なんて気持ちがいいのだろう!
樹林帯に入る前にゆっくり休憩し、最後の展望を楽しんでからいよいよ下山。舞い落ちる白いものは樹木の塵かと思ったら雪だった。もっと降ればきれいだったろうに。樹林帯はただひたすらくねくねと下りるだけ。
砂利で滑りやすかったり、急坂だったり、ロープや鉄梯子が6個くらい続けてあったり、気の抜けない下りだった。それでもコースタイムより早く下山できた。 |
林道に出てやっと一息ついた。北沢峠行のバスとすれ違いながら広河原へ。ゲートまでは15分足らず。広河原の安全指導センターでトイレを拝借。中には更衣室もある。
バス停はさらに200m先にある。次の発車は16時。早めに下りてきたので1時間半も待つようになった。寒かったので待機中の空っぽのバスに早く乗りたかった。すると1時間前くらいには皆乗せてくれたのでようやくバスの暖房で体が温まってきた。
夜叉神までは820円。35分くらいかかっただろうか。車に乗り換え通り道の温泉宿で入浴(1000円)。ここは値段の割りに良くなかった。汗を流せただけ良しとしよう。 |