越後・飯豊連峰(前編)後編はこちら
(いいでさん2105.1m〜だいにちだけ2128m)(クリック地図)
かつて縦走した飯豊連峰へ再び。飯豊山初めてのトシちゃんはこれで百名山90座目です。
 H18年07月09-12日(日−水)
  天気;各日に記載
  Member.2人(夫婦)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 
7/9(日):大日杉5:30〜地蔵岳9:05-40〜御坪〜切合小屋14:10(きりあわせ小屋泊)
7/10(月):切合小屋11:30〜飯豊山神社(本山小屋泊)14:30-40〜飯豊山ピストン(山頂14:55-16:00)〜小屋16:20
7/11(火):飯豊本山小屋5:45〜飯豊山6:00〜御西小屋7:45-8:00〜大日岳9:50-10:55〜御西小屋12:10-20〜飯豊山13:30-40〜飯豊山神社(本山小屋泊)14:00
7/12(水):飯豊本山小屋10:25〜切合小屋12:10-50〜
御坪〜地蔵岳15:40-50〜大日杉17:40

【飯豊山山頂で(11日)】

 仕事の区切りをつけて前日の午後3時出発。途中休憩しながら大日杉に着いたのは午後11時頃だった。大日杉までの道は想像したよりはるかに良かった。

【↑ 大日杉小屋】

【一日目:7/9(日)】

 大日杉小屋は外から見ると立派で、夜は電気も点いていた。

【↑ 大日杉で】
 4時過ぎに起床すると天気は良さそう!

 駐車場には既に6,7台の車。駐車スペースは手前にも広場があった。突き当たりは十数台置けそうだ。

 登山者名簿に記入、計画書を投函(鍵付)して出発しようとするとツアーのマイクロバスが到着。


 先にゆっくり歩き出す。テント2泊の予定だが、予備日を含め3泊4日+αの装備。久々に重い。互いに20キロくらいのザックだ。

【鎖場】
 間もなく鎖場が出てくる。50メートルはありそうだ。この時期でも、あれば助かる。積雪期は埋もれてしまうだろう。

【ギンリョウソウ】
 初めの内はギンリョウソウが多かった。ショウジョウバカマなど下の方は終わっていた。

【一休み】

 1時間くらい歩いたところで休憩していると、ツアーの人たちが追い抜いていった。ツアーにしては足並みが揃っている。今日のうちに本山小屋まで行き、一泊二日だという。若いサブリーダーの人は「きついですよ〜」と笑ってたっけ。メンバーは私たちと同年輩くらいか。

【ガスが無ければ飯豊の山が見えたのだろうに・・】
 予備を含め、久々三泊の装備が重い。ペース上がらず、今回はトシちゃんの方が快調。トシちゃんの百名山完登に向けての今回の山旅だから、いつもにも増して気合が入っているのかも!

 前方に飯豊の山並みがかすかに目に入る。上の方はガスがかかっているが雄大な眺めだ。 

【見えるのはだまし地蔵、地蔵岳はこの先に。】

 地蔵岳に向かう中間に先ほどのツアーの人たちが立ち止まっている姿が見えた。

【ヒメサユリ】
 後から登っていくときれいなヒメサユリが咲いている所だった。他にもいろいろな花がたくさん・・・
【白いイワカガミ
&マイヅルソウ】
【イワカガミ】 【ハクサンチドリ】 【ガクウラジロヨウラク】 【ミヤマクルマバナ】 シロバナニガナ
【タニウツギ】 【ミヤマキンポウゲ】 【ヒメサユリ】 【ツマトリソウ】

【地蔵岳山頂】
 地蔵岳と思って登りきったつもりが尚も巻き道のように先に続く。最初のピークにだまし地蔵と命名されているのが納得。なかなかたどり着かない。じれたような思いでようやく地蔵岳山頂。

 疲れた私、オオバコの褥でしばしお昼寝。このごろすぐダウンだ〜!軟弱なワタシ!そういえばトシちゃんはこの頃タフだな〜!減量したせいかな?私もプラティパス2,3個分くらい落とした方がいいのかも・・・・(^-^;;

【地蔵岳三角点】
 山頂標識のある山頂だが、三角点は登ってきて直進し、笹をちょっと掻き分けて登ったところにある。ここは飯豊の展望台でもあった。正面に飯豊山方向が見えて良さそうだがこの日は生憎ガスがかかって山頂の方は見えなかった。

 30分ほど休んだところで、下山する8名パーティがやってきた。今回すれ違ったのはこの8人組と後から女性1人、男性1人のグループだけだった。もっといっぱい下山者に会うと思っていたので意外だった。

【シラネアオイ】
 起き上がって出発。左手へひとまず下り、シラネアオイやニッコウキスゲなど眺めながら、何回かアップダウンを繰り返して先へと進む。

 稜線に吹く風は優しく爽やかで心地よい。登山道の両脇に、まだ残雪がかなりあるせいか!

 バックに地蔵岳。ここで休憩。やたらと疲れるのは日ごろの寝不足と運動不足のせいだろう。反省。今日はのんびり歩こうと、再びお昼寝。

 こうして気持ちよく歩けたのもここまで。起き上がるとポツポツ雨が降り出してきた。予報より早い。早めに合羽を着て昼食を済ます。

 シャリバテでもあったのか、このあとは離れずトシちゃんについて行く。

 雨は静かにけっこう降り始め、周囲の展望はますます無くなった。写真をあまり撮れなくなったが、花々が目を楽しませてくれる。

 坪岳と書かれた標識のある場所に、テント一張り張れそうなスペース。ここも前方に大きく飯豊眺望の展望場。すっきり晴れていればもっと素晴らしい眺めだったろうに。

【白いヒメサユリ】

【ハクサンシャクナゲ】

 ヒメサユリを愛でながら歩いていく(左写真)と、その先に雰囲気のいい場所があった。そこが御坪と呼ばれる所だったようだ。雨でもそこで一休み。ここも晴れていれば目の前に飯豊の山容がドカ〜ンと見えるのだろうう。やはり山頂部は見えない・・・


 あと2時間もあれば切合小屋に着くだろうと思って進むと今度は雪渓。周囲はガスで数メートル先が見えない。先が見えないという不安を抱きつつ、滑りそうな雪渓の上を注意深く渡っていく。先行者の足跡もはっきりしなかった。雪渓の表面はかなりツルツル。

 視界があれば先の取り付きが見えるのだが、それが分からない。登山口がようやく見えた雪解けのあとにショウジョウバカマが咲いていた。二度目の雪渓もストックを突きながら気をつけて通過。登山道が分からぬまま、手前でようやく視界に入ると取り付きはやや下方だった。とりあえず横切ってから笹に掴まりながら下って登山道へ入る。

 雪渓を3度通過し、最後はついに6爪アイゼンを出す。ここの雪渓が一番距離が長かった。

 切合小屋へ二手に分かれる分岐は左側を行った。笹が横倒しになった滑りやすい登山道を抜けると三国岳からの道と合流。ますますガスが濃くなった。数メートル先が見えない(左写真)。

 しかし小屋は近い。ここまで来ればルートははっきりしている。

 これまでの途中の水場は残雪で埋もれていたようだ。切合小屋まで行けば管理人がいて、水はふんだんにある。

 ようやく小屋に到着。小屋に入る直前に長男から携帯に電話が入る。ここはdocomoOK(本山小屋や稜線もOKだった)。

 テン場を申し込むがなんと、トイレ工事のためテン場は資材置き場となっており、ヘリの搬送もあるため閉鎖されているという(工事は今月末あたりまでかかりそうだという。行かれる方は再度ご確認を)。テントを担ぎ上げながら仕方ない。もう上まで上がる気力は無かったので、止む無く小屋に素泊まりとする(テン場500円、素泊まり2500円)。当初はここに二泊の予定だった。この日は合羽など濡れていたから小屋泊まりでよかったかもしれない。一階は私たちだけ。二階は予約の3名だけ。 

 小屋で昼寝(コレばっか!笑)して起きると、夕暮れ時。ガスが晴れて山頂方向が見えてきた。明日登る雪渓の様子をよく見ておく。

 翌日の天気予報は良くなかったが3時に目覚まし。その夜も雨。何度も昼寝したのに夜もぐっすり眠れた。


【二日目:7/10(月)】

 3時に起きるとどしゃ降り。寝たまま様子をみる。天気予報では午後から曇り。いろいろ迷ったが雨が止んだら出発と決め、本山小屋まで行くことにした。

 メモをとったりして時間潰しをしていると管理人さんが本を貸してくれたり、10時にはコーヒーを入れてくれたりして嬉しかった。ついでに早めの昼食を済ます。

 小止みになった11時半ごろ出発。本山小屋に管理人さんが入るのは15日ごろだという。水場は残雪で様子が分からないため二人で10キロ担ぎ上げる。

 歩き始めると足元には可憐な花たちが見送ってくれている。

 そして間もなく雪渓が現れ、迷うことなくアイゼンを着ける。一度登山道に出て、再び雪渓。ガスで前が見えないのは何とも心許ないが、前日の夕方小屋前から様子を見ていたので、迷わず登っていく。

 雪解けの左斜面にはシラネアオイの葉がいっぱい。群生地のようだ。早くも咲き始めているのを見て喜ぶ。

 再び登山道になり、深くえぐられた登山道を登りきると草履塚。晴れていたら展望は良さそうだが生憎ガスの中。ここでアイゼンを外す。

 展望はよくないが専ら花見。写真を撮りながらゆっくり進む。もちろん誰にも逢わず。

 概ね歩きやすい登山道だが一箇所こんな岩場もある。雨で濡れているので滑らないように気をつけて通過。ガスっているが良く見れば右側はきれ落ちている。

 誰にも遭わなかったけれど、途中でモグラ?(尻尾が長いけど、頭がネズミとちょっと違ったみたい)に遭遇。トシちゃん喜んで手の上にのせていた。信じらんない。私には無理!モグラ君、驚かせてごめんね。

 一ノ王子に着くと前方に本山小屋が見えてきた。雨は上がっていたがガスがたちまちの内にまた隠してしまった。

 小屋に着き、荷物を置いて一先ず山頂へ。山頂まではコースタイム15〜20分。

 山頂。トシちゃん百名山90座目!

 しばらくのんびりと山頂で過ごす。するとみるみるガスが晴れてきて、周囲が見回せてきた。飯豊の山並みが一望だ。

 翌日の天気予報も良くないが、これで心置きなく下山できるね〜♪と満足(予定では切合小屋のテン場で二泊。二泊三日+予備日1日の山行予定)

【大日岳:本山小屋より】
 小屋に戻り荷物を整理した後再び外に出ると、なんとぐるり周囲の展望が素晴らしい。

 大日岳を始め、えぶり差へ続く飯豊の山並み、そして南東の方向には吾妻連峰や安達太良山、磐梯山、猪苗代湖までキラキラと輝いて見える(下の写真2枚)。

 明日行く予定の大日岳。天気によっては登らずに明日下山だが、夕方の天気予報は良さそう・・・

 小屋は結局2人きりだった。

【手前一ノ王子の彼方に左から吾妻連峰、安達太良、磐梯山】

【右奥に猪苗代湖。左に建つ小屋は本山小屋】
【オノエラン】 【ヨツバシオガマ】 【マルバシモツケ】 【ニッコウキスゲ】 【ゴゼンタチバナ】 【ムシトリスミレ】
ミヤマダイモンジソウ ミヤマハンショウヅル イワギキョウ ミヤマダイコンソウ キバナノコマノツメ マイヅルソウ

後編へつづく