奥志賀・岩菅山
(いわすげやま2295m)
 お花見目的で。でも雨!
 お花は沢山!生き生きしていました

 H15年6月28日(土)
  天気;雨のち晴れ
  Member.2人(夫婦)

  【ノッキリの手前から見た岩菅山】右

28日:岩菅山
29日:笠ヶ岳&池めぐり

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

一ノ瀬P8:05〜聖平分岐(小三郎小屋跡)8:43〜アライタ沢9:00〜ノッキリ10:40〜岩菅山山頂11:27-12:40〜ノッキリ13:00〜金山沢の頭14:50-15:05〜寺子屋峰(寺子屋山2125m)15:17〜高山植物園15:43-16:00〜ケーブル乗り場16:00-20〜一ノ瀬P17:00
(所要時間約9時間・・休憩含む)


 いつもいつも直前になって行き先が決まるという慌ただしさ!いくつかリストが上がった中で、気になっていた奥志賀の岩菅山に行ってきた。ここは出来れば切明温泉から縦走したいと温めていたところだったのだが、交通の便が悪く、ずっと棚上げしていた山だった。それで今回は縦走を諦め、烏帽子岳までのピストンで避難小屋泊にすることにした。お花を楽しもうと出かけたのだが、結果は天候が思うように回復せず、その日の内に下山、翌日は別の山に行くことにした(→笠ヶ岳と池めぐり)。

 前夜出発、一ノ瀬無料駐車場(スキー場なので通り沿いにあり広い)で3時間ほど仮眠。起きたときは青空が見えていた。喜んで支度をしているうちに雨・・。その日は温泉にして登山は翌日にしようかと思ったが、予報では回復の見込みだったので予定通り出発した。小屋泊を主張する夫と日帰りにしたい私とで意見は分かれたが、結局小屋泊装備で行くことになった。

左【用水路の脇を通って行く】

 一ノ瀬から上条用水脇の登山道を行くが、登り口ははっきりしない。見当をつけてスキー場の方へ行き、地図(昭文社エアリアマップ)を元に進んでいった。東舘山の裾野をアライタ沢まで平坦な道が続いている。少し大きめのU字溝の側で味気ないが、両脇にはまだニリンソウなど咲いていた。

左【アライタ沢】

 途中、車道の方の登り口(聖平)からの道と合流、小三郎小屋跡と呼ばれる場所で、なるほど小屋跡?があった。なおも緩やかな沢沿いを行くと木の橋がありアライタ沢(荒板沢)と書かれている。橋を渡るとそこからは登山道らしい登りとなっていく。緩やかに階段も続く。

左【ツマトリソウ】

 ヨツバムグラ、マイヅルソウ、エンレイソウ、アカモノ、ゴゼンタチバナ、イワカガミ、ミゾホオズキ、ツマトリソウ、ミツバオウレンなど次から次へと現れカメラをしまう間がない。ということで登りには時間がかかってしまった(今回はずっとこんな調子だったが・・)。気持ちの良い高木、低木の樹林帯に囲まれ、雨に濡れた緑はどれも生き生きして見える。もう少し前だったらツツジの花もきれいだったことだろう。

左【ツバメオモト】

 木の合間から少しガスがかかっている焼額山が見える。すっかりスキー場のゲレンデと変わり果てていて、登りたい気がそがれるが、この岩菅山を眺めるにはいい山かなとちょっと興味をそそられた。ノッキリまで時々岩菅山頂を望みながら歩いていくが、ガスで次第に展望もないまま、足下の花を愛でながら登っていった。ツバメオモトも今を盛りに咲いていた。途中で下山者3名に出会ったが、地下足袋で大きなザック、合間からネマガリダケがのぞいていたからそれを採りに来た人たちだろう。登りでは他に誰とも出会わない静かな山歩きだった。

左【ハクサンチドリ】

 ノッキリは尾根上の通過点にすぎない。ここからきつくなると記録にはあったが平らな道を行くと、なるほど間もなく今まで以上に登りがきつくなってきた。おそらくは展望が素晴らしいのだろうに、残念ながらガスできかず、やはりお花を楽しみながらの登りだった。イワナシの花は既に終わり、ウラジロヨウラク、オオバキスミレ、ハクサンチドリ、ツガザクラが沢山咲いていてとてもきれい。セリ科の花だろう白い花も咲いてはいたが、ミヤマトウキだろうか?よく分からない。

左【山頂はもうすぐ】

 ガレ場と地図には書いてあったが、歩き慣らされた登山道ではあった。雪は全く残っていず、完全な夏山だ。しかし山頂に着いて、雨のため避難小屋で休憩したが、汗でびっしょりの体はどんどん寒くなってきた。濡れた合羽を脱いで干し、昼食をとりながらこの後どうするか相談。そのうち2パーティがそれぞれやってきた。林間学校下見の中学の先生方と、若い3人の男女で、小屋の中は一度に賑やかになった。こんな日に登るのは私達だけと思っていたら、やはりいるものである。彼等は全員東舘山空中ケーブルで登ってきて、この後一ノ瀬に下るという。

左【避難小屋の中】

 小屋の中はストーブもあり、マキもあった。中はきれいではなかったが、板敷きで避難小屋の機能は充分備えている。外のトイレは使わない方が無難との情報ではあったがそれは昨年までのことで、今回見たらきれいに作り替えられていたようであった。しかし建て付けが悪いのか雨で湿っているせいか、戸がしっかり閉められなかった。

左【山頂はガス】

 山頂には石塔や祠があり、そこそこの広さがあった。天気が良ければ展望が良さそうなのに残念だ。せめて裏岩菅山まで足をのばしたかったが、行くなら予定通り烏帽子まで足をのばしたいという気持ちと、花見とはいえ展望のきかない中を歩いても・・という気持ちが交錯。しばらく様子をみながら待っていたが、雨は止まず。翌日はお昼頃までには帰路につく予定のため、私達も下山することにした。夫は山頂からの朝日を見たかったと未練が残ったようではあった。翌日は晴の予定なので近くの笠ヶ岳に登ることにする。

左【せっかく登ったのに・・・渋々?下山】

 ノッキリまでは早かった。ここから金山沢の頭まではアップダウンが多い。スムーズに歩けば1時間10分のコースタイムとあったが、お花の写真を撮りながら行くのでかなり時間がかかっている。その上天気が回復し、周囲の展望が望めるようになった。以前歩いた佐武流山の方面もきれいに見える。赤石山から野反湖にのびている稜線の向こう、つまり東から北にかけても山並みにはガスひとつかかっていない。雨上がりの爽やかな大気の中、快適なコースである。こうなるとやはり残れば良かったとちょっと後悔!ところが、岩菅山の山頂は常にガスっている。お花は他にユキザサ、まだつぼみのカニコウモリなど。

左【イワナシの花】

 金山沢の頭から寺小屋山までは少しの距離だが、その間にイワナシの花がまだ少し残っていた。嬉しい。

左【ゲレンデから正面に焼額山が見える】

 寺子屋山を少し下りるとそこはスキー場のゲレンデ。広々と広がって、その先に焼額山が見える。今夜あのてっぺんでビバークはどう?と夫に言ってみるが即却下。あそこからなら岩菅山から烏帽子の展望を楽しめると思ったのに・・。一方岩菅山の方を見ると、時々雲が切れて山頂が見える。スッキリとは晴れないようだ。やはり下山して正解だったと思う。

左【水芭蕉】

 ゲレンデを下り林道コースを通ってケーブル山頂駅の方へと向かうと、その直下に水芭蕉自生地がある。もう殆ど咲き終わって、咲き残りを少し見ることが出来た。今年は見られないと思っていたのに、思いがけないところでお目にかかったものだ。ミツガシワも咲いていた。

左【高山植物園】

 その辺りからケーブル山頂駅周辺は高山植物園となっている。下りは誰とも会わなかったのに、ここへ来て急に人が多くなった。しかもいままで見てきた花がきれいに手入れされていっぱい咲いている。いままで感激しながらお花を眺めてきたのに・・、ちょっとショック。説明を受けながら散策しているグループもあった。皆立派なカメラを抱えて。

左【左の岩菅山から右端の寺子屋山を経て】

 私達もゆっくり見学し、歩いた道のりが一望できる所で一休み。よく歩いたものだ。朝から晴れていたらここはもっと賑わっていたことだろう。

 下りもそのまま歩いて一ノ瀬へ。ゲレンデにもいっぱいマイヅルソウが咲いている。けっこう強い花なのだと感心した。

 下山後車で熊の湯に移動。熊ノ湯ホテルで日帰り入浴。一人千円でタオル付き。シャンプーリンス、ボディシャンプーあり。ドライヤーは無し。硫黄の匂いがぷんぷんして、いかにも温泉といった感じだ。