上州; 武尊山
(ほたかやま)

紅葉から思いがけなく雪景色まで堪能


H8年10月21日(月)前夜発 ; Member.計2名(夫婦)

武尊神社8:15〜分岐9:00〜手小屋沢避難小屋10:10〜
 武尊山12:00-1:00〜剣ヶ峰山2:05〜分岐3:30〜武尊神社4:08


 20日に実家の墓の開眼式を済ませてから帰宅し、夕方4時45分出発。21日は娘も休み(英検の代休)で一緒に行けると思ったのだが、見事に振られてしまった。

 水上ICには8時頃到着。9時までやっているという諏訪峡温泉にセーフ。古い銭湯のような感じだったが、すいていてじっくり温まった。300円也が嬉しい。待合室で見た日本シリーズジャイアンツ対オリックス2回戦は今日も巨人がチャンスを生かせない。

 途中ビールを買って暗い夜道を行く。紅葉を見に行こうということで来たけれど、まさか武尊の麓に行くとは思わなかった。主人にすれば登る自信がないから、私に期待を持たせないために、はっきり言いたくなかったらしい。

 武尊神社に着いてそれから夕食。かなり遅くなってしまったが、ほかほかとあったかいお鍋を二人で囲むのもなかなか良いものだ。

 朝6時半頃起床。天気はよい。食事をしていると一人山に向かっている人がいる。

 8時15分、見事に彩られた山容を眺めながら出発。2つのゲートを通過して、分岐までは約45分。この間緩やかな登りで車が入れるほどの広さだが、入れないのはやはり環境保護の為だろうか。

 分岐ではロープのある岩場をのぼりにしようと避難小屋方面を目指した。ああ、山だなあと感じられる傾斜にかかる。数分で、かつて聞いていたように、なるほどここは青木さんの好みそうな山だと思った。すーっと山にとけ込むような、受け入れてくれているというか、遊ばせてもらっているというか、共に楽しむ一体感というものを感じる。緩からず、きつからず、登る角度は丁度良い。段々と紅葉がなくなって枯れ葉の樹林の中をなおも登っていくと尾根上に着く。目の前は一転して雪景色!驚きと共にしばし見とれる。こんな一瞬がたまらない。わくわくしながらさらに進む。すぐに左下に手小屋沢避難小屋が見える。巨大なドラム缶のようなものに見えたので、初めは水か電力など、小屋の施設の一部かと思った。中では5、6人が眠れるそうだ(山頂で聞いた)。

 道は雪解けのためのぬかるみと、大木のあばれる根っこでとても歩きにくい。陽があたっている木の枝からは、雪のかたまりやしずくが落ちてくる。そんな状況さえも楽しんで、私にとってのこの初雪をじっくり堪能。

 樹間から視界が開け、苗場方面が望める所に出た時、目の高さは真っ白で眼下は一面に紅葉だった。そのコントラストがとても素晴らしい。

 やがて岩場が現れ、垂れ下がっているロープを伝って行くが、凍っていてガチガチだった。軍手から薄いゴアのグローブにはめ替え、主人が登り切るのを待って登っていった。絶好のシャッターアングルと思い、それぞれのチャレンジしている姿を撮りながら、ゆっくりと登る。乾徳山の岩場より登りやすいかな?そして、昭文社の地図には書いていなかったが鎖場もあった。ロープから鎖に替えたのだろうか。凍っているので手も足も滑りやすい。注意して登って行くが、ここは下りの方が恐いだろうなと思った。ほんのわずかな距離だがちょっと岩登りの醍醐味を味わった。

 登り切ると目の前にやっと武尊の山頂が現れる。後少し。温かい陽射しを受けハイマツの間をぬっていく。雪は解けていたが、足場はガレている。一生懸命登った後、緩やかなスロープをゆっくり歩き、山頂を目指すというエピローグつきだ。まさに心憎い演出。たどり着いた360度展望の山頂で、感動はもう最高潮。そう広くはないが、2、3のパーテイだけの静かな山頂だった。上着を着なくても良いほどの好天候。ラーメンを作って食べながら、1時間ほどゆっくりした。

 下りは剣が峰を目指す。山頂から中ノ岳に向けて数歩下りるとすぐ右へと道が現れる。しばらくの間ガレた急坂で歩きづらい。下りきって振り向けばもう武尊の山頂はかなり上だ。なだらかな、しかし多少のアップダウンの尾根を剣が峰へと進むが、手前で下りの分岐点に着く。もう登りたくないという主人と荷物を残し私一人2020Mのピークへ。何てことはない、5分で着いてしまった。山頂から主人の休む姿が見える。やはり薄い(ん?)。「お父さーん」と着いたことを知らせて下山。そこからの下りは急だった。一気に下って神社に着いた後、大急ぎで主人推奨の照葉峡へ。

 すごい!息を呑む紅葉の美しさ。充分満足した。