群馬県玉原高原・鹿俣山
(たんばらこうげん・かのまたやま1636.7m)
梅雨時を狙って出かけた山だったが天気に恵まれラッキーだった。
今年は雪が多かったため、玉原湿原のお花はかなり遅れているようでこれもラッキー!
 H17年7月2日(土)
  天気;晴れ
  Member.2人(夫婦)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 
玉原湿原センターハウス駐車場13:20〜分岐(探鳥コースへ)13:25〜ブナ平〜分岐13:45〜ゲレンデ(昼食)14:20-40〜スキーパーク分岐15:12〜山頂15:18-28〜ブナ平分岐16:30〜三角点(長沢)16:50〜分岐17:08〜玉原湿原散策17:20-18:00〜ぶなのわきみず(給水)17:03-?〜玉原湿原センターハウス駐車場18:15

【山頂近くから見える玉原湖、尼ヶ禿山など】

 天気予報では週末ずっと雨だった。山行の予定だったが、こんなではテンションがあがらない。諦めムードの金曜日!ん?曇りになっている。ん?晴れだって?刻一刻と変わっていく天気概況。前線がどう動くか微妙だけど、雨でも歩けそうな群馬県の玉原高原にしようと決めた。ここは5月の水芭蕉が咲く頃にとも数年前から思っていたのだが、その時期は天気が比較的いいだけに、どうしても他の山へと行ってしまう。

 今回は良い機会だ。日帰りでも良いし、キャンプしてのんびりするのもいいか・・・と、テントの用意も前夜のうちにしておいた。

 ところが翌朝。ピンポ〜ン・・と日常的な音に起こされる。土曜日なのに朝早くからダレ〜?むにゃむにゃ・・・と土曜日の意識はなぜかしっかりしている私。突如、エ〜ッ!!!おめめパッチリ!ウッソー、8時だ〜〜。とにかくインターホン越しに「ハーイ」と出ると近くの人だった。寝ぼけ眼のパジャマ姿!ヤバイよ〜。夫を起こし、バトンタッチして応対に出てもらう。手作りの山菜おこわを持ってきてくれたのだった。

 外は曇り空だが雨は降っていなかった。早速戴いたおこわを朝食にいただいて(^-^;;;、予定通り(ん?予定通り?)出発したのだけれど、時既に10時近かった。いつもなら高尾山に変更パターンだよ・・・と思わず笑ってしまった。今夜はキャンプだ!

 環八(環状八号線)は混む前に通過したかったがそういうわけでばっちり日常の交通渋滞にはまってしまった。それでも練馬から関越に入れば順調に流れ・・遊びに行く人はもう通過してます・・・・、たっぷり睡眠をとった元気がアクセルにかかる。スピードならお手の物?の夫に、監視区域をちゃんと教える良妻?!

 沼田ICをおりて、玉原湿原に向かう頃には曇りどころか青空が広がって、思わず「やったじゃ〜ん!」と気勢があがる。

 センターハウス(補修工事中だが営業)前の駐車場で既に13時。ブナ平経由で鹿俣山コースに決め、とりあえず同ルートピストン、時間によってその後のことは考えよう。とにかく支度してのんびり歩き出す。

 ゲート(左写真)を通り抜け、最初の分岐で探鳥コースからブナ平へ向かう。緩やかな登りでブナ林が想像以上に素晴らしく、気持ちよい。カエデもたくさんあり、新緑、紅葉の時期はどちらも良さそうだ。湿原では水芭蕉が咲くそうだから、新緑の5月はさぞや賑わうことだろう。

 高速道を走っていたとき外は28度の表示だったが木立の中は22度、ブナ林の中は涼やかだった(右写真)。

 時間的にも時期的にも登山者は少なく、終始静かな散策。緩やかなハイキングコースだから息が乱れることも無く、今回は珍しく他愛ないおしゃべりが続く。

 ゲレンデに出て、見晴らしの良い中腹で遅い昼食。見上げれば青空が広がり、周囲の山並み(振り返れば尼ヶ禿山や玉原湖など)が見渡せた。雨を覚悟していたのに嬉しい誤算!


 山頂に着くころ、後ろの方から大勢の声が聞こえてきた。山頂は狭く、展望はあまり良くない。横に登山道が伸びていたので行ってみると、武尊山が展望出来る(左写真)。上に広がる青空が気持ち良い。

 ゆっくり眺めている間もなくスキーパークの方から登ってきたらしいグループがぞろぞろと到着。好天と好展望の喜びを互いに交わし、写真を撮りあった。そしてさらに数名のグループが登ってきたので、ザックも下ろさぬまま、早々に下山した。

 途中、スキー場ゲレンデ上部の眺めの良い場所で少し休憩し、同ルートを下りていった。ゲレンデは暑いが登山道の木陰は涼しい。

【山で咲いていた花】
【オオナルコユリ(タバコと大きさを比較)】 【ツルアジサイ】
【ギンリョウソウ】 【サラサドウダン】
【オオバノヨツバムグラ】 【クルマバソウ】
【マイヅルソウ】 【タニギキョウ?】
【ツクバネソウ】 【ニガナ】
 気持ちの良いブナ林を再び通り、時間があるのでそのまま1302.5mpの三角点を通ることにした。

 ブナ林には沼田の名木と指定されたものが数多くあったが、分岐から少し行くとブナ地蔵と書かれた杭があった。なるほど、何ともユーモラス。


 ここからのブナ林はさらに素晴らしい。大木は少ないが、来た甲斐があったと感激。

 緩やかな登りになると1302.5mの三角点に到着。登山道の通過点に立派な標識と共にある。ピークには長沢と名がついている。ピークで沢?というのが変わっている。

 ピークを下り、分岐で玉原湿原へと向かった。直進すれば尼ヶ禿山だが、時間的に無理なのでそちらは明日行くことにする。


 今年は雪が多かったせいか、花の時期が二、三週間から一ヶ月近く遅れているようだ。玉原湿原ではヒオウギアヤメ、ワタスゲ、トキソウ、アサヒラン、ウラジロヨウラクなど、いろいろなお花が楽しめてラッキーだった。

【ヒオウギアヤメ】 【トキソウ】
【モウセンゴケ】 【?】
【アサヒラン(サワラン)】 【ヒオウギアヤメとハクサンタイゲキに囲まれて】

 湿原でゆっくり散策した後、駐車場へと戻った。途中「ぶなのわきみず」があるので給水。おいしい冷たいお水だった。

 センターハウスは閉まっていた。眼下の広い駐車場に移動しそこでキャンプ。誰もいない広々とした所で、とても気持ち良い。開放的な青空の下で、夕餉のしたく。といっても、ただレトルトカレーを温めるだけだ。

 正面の尼ヶ禿山と夫の禿山2座をつまみに?眺めながら、さっきの冷たい水で割った自家製の梅酒で乾杯!「俺の方は立派な禿山だ!あっちは禿げてないのになんで禿山だ〜」と嬉しそうに自分でツッコミを入れて自慢している。そんな夫へ「まだ裾野に未練が残ってるみたいだけどね〜」とさらにツッコム私・・・。

 こ〜んな広いところで、正面に尼ヶ禿山を眺めつつ、片隅でキャンプ。近くにはきれいな水洗トイレもある。

 今日の天気の幸運と、心地よかった山行のことなど話しているうちに、空には星が輝きだしてきた。