丹沢・加入道山〜大室山
(かにゅうどうさん1418.4m、おおむろさん1587.6m)
年末のやり残した宿題!?加入道山へ

 H15年1月5日(日)
  天気;晴
  Member.2人(夫婦)

  【加入道山から大室山に向かって】右

【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

用木沢出合9:23〜白石滝10:26〜ベンチ10:32-44〜白石峠11:27〜加入道山11:50-12:50〜分岐〜大室山14:27-41〜分岐14:47〜ベンチ15:22-25〜犬越路15:45-55〜用木沢出合16:50
(所要時間約7時間30分・・休憩含む)


 毎年恒例の初歩きは又丹沢にした。毎度のごとく前日になって「明日行こうか?どこにしようか?」となって、思い浮かべたのが加入道山。昨年暮れの丹沢オフの時、思いがけない雪で、加入道山に行けなかったからだ。夫はまだ加入道山に登っていないので、今回はやり残した宿題を済ませようということになった。多分展望はよくないだろうが・・と思いつつ、今回は加入道山を先に目指すことにして、加入道山〜大室山へと歩くことにした。ところが、冬のこのコースは素晴らしかった。

 正月休みで重くなった体と気持ちを奮い立たせて支度を済ませたのだが、翌朝寝坊。どうやら目覚ましをセットしたもののOFFのままだったようだ。前夜テレビで「ホワイトアウト」を観てしまったのも良くなかった(^-^; 妙に目が冴えて、あの雪山のシーンが何度も眠りを妨げてしまった。5時起床の予定が7時になってしまい、もうやめようかという気持ちになりつつ起きあがった。起きれば体は自然に山へ行く支度を始めている。

 車中簡単にコーヒーとパンで朝食を済ませ、一路丹沢へ。東名高速道路は空いていて順調。大井松田ICで下り、そのまま西丹沢の用木沢出合まで車を入れた。

左【雪がない・・】

 車は既に2台駐車、そのうち一台の親子連れが犬越路の方に出発していった。私たちもそれから身支度を整え反対の白石峠へ向けて出発。路面は一部凍結している程度。半月前の前回はこの辺り雨上がりだった。気温はこの時零度。にも関わらずあたたかい。凍結しているのではないかと、途中の徒渉が心配だったが、橋にも石にもほとんど雪はなく、いつもの見慣れた丹沢の山道へと続いている。拍子抜けするほどに雪がない。山を見上げると上にもさほどあるようには見えない。

左【白石滝(中央奥だが流れは少ない)】

 わずか半月前に歩いたばかりなのでどこも見覚えのある風景、ただあまりに違う情景ではあった。白石滝を過ぎると少しずつ雪が現れてきた。この日ここを登りに使っている人はまだいないようだったが、トレースは残っており、昨日の下りらしい足跡(一人か二人)が残されていた。お正月は雪と聞いていたが、ここは雪では無かったのか?とにかく最近降ったようには見えなかった。降ったとしても解けてしまったものか?

左【ベンチで】

 思ったより早くベンチに着き、そこで休憩。再び登りにつく。前回の新雪の時は殿についていてもあのスノーハイクの感触はなんともいえず良いものだった。今回は踏み固められた雪道を登っていく。ついつい前回との違いをカメラにおさめたくなり、何回も出したり入れたり・・・

左【白石峠へ】

 白石峠に着くとやはり少し風が通る分空気が冷たくなった。気温は零下2度。しかしそれほど寒くは感じなかった。畦ヶ丸へのトレースはあったが新しい踏み跡はなかった。ここから加入道山へ。途中道志の方からの分岐があり、そちらから登っている新しい跡が残っていて、そのまま加入道山へと続いていた。鹿の足跡や新しい糞も多かった。人のいないときは鹿などの楽園なのだろう。今回も私たちが彼等を目にすることは無かった。落葉樹の間から富士山が見えるが山頂には雲がかかっていてちょっと残念。

左【加入道山山頂】

 加入道山山頂は広い。山頂の積雪は30〜40センチといったところだろうか。避難小屋がすぐ側にある。私は以前にも一度来ているのだが、記憶は曖昧だ。小屋の戸が硬くて開かなかった。これじゃ避難小屋にならないよ〜と笑いながら、暖かかったので、小屋を背にした日だまりで昼食。この時も零下2度なのに寒さはそれほど感じなかった。目の前に見えるのは檜洞丸、蛭ヶ岳の山頂部だろう。出渋った朝だったが、来て良かった!!やっぱり山はいい!夫と共感。

左【加入道山避難小屋の中】

 あったかいラーメンとカップ汁粉を食べて、携帯もチェック!おぉ〜!しっかり入る。さすが?docomo!食べ終えてから小屋の入口の雪を払いのけ、もう一度戸を開けてみた。やっと開いた。凍ってしまっていたようだ。内心、開けたら中に怖いものでもあるのではとビクビクしていたのだがそれは無くホッとした。小屋の中は土間と板の間に分かれ、きれいに片づいていた。犬越路の小屋と似ている。2003年の新しいカレンダーが貼ってあった。うん、なかなか快適な小屋だ!

 すっかりのんびりして山頂を後にすると、用木沢で会った親子連れがやってきた。お父さんの方が疲れた顔をしていたようだけれど、後ろにいる中高くらいの男の子はケロリとした表情。それにしても 早い。

左【スノーハイク】

 この後は軽いアップダウンを繰り返しながら大室山へ。途中何度も富士を仰ぎ、落葉樹に阻まれながらもシャッターを切ること度々。しかし1543pへの登りにかかったときは遮るもの何一つ無く、素晴らしい眺望だった。立ち止まり、満足いくまで堪能。この登りはやや急になり、積雪の中の下りはちょっと注意を要するだろう。登りつめてしばらくいくと犬越路への分岐になった。ここで4人グループがアイゼンを装着していた。下りは凍結しているのだろうか?この時点で私たちはまだアイゼンを着けていなかった。実は私はこの時彼等に気をとられて分岐であることに気付かなかった。そのまま進んで思いがけず大室山山頂に着いてしまい、あれ?あれ?と方向感覚がしばしパニック!「まいったなぁ・・先に呆けられるのかぁ・・・」と夫。私「よろしくね!」

左【大室山山頂】

 温かいミルクコーヒーを飲みながら小休止。ここから日陰沢新道へも道志方面へも踏み跡が続いていた。この時気温は零下10度(夫の温度計と誤差があり、夫の方は零下12度だった。この記録は全て私の温度計を記帳している)。ここからは上着を着て下山。しかし下山中熱くなり、下の方のベンチで私は再び上着を脱いだ。

左【大室山直下の犬越路への分岐】

 山頂を後にして分岐へ戻ると先ほどの4人は当然もういなかった。私たちもここでアイゼンを着けるべきか迷ったが、もう少し様子をみてからにしようとそのまま犬越路へ。ここで12爪アイゼンの跡はあったが、4人はどうやらここを下山していないようだった。私たちはストックを持っていたので、その効果は大。アイゼンは着けなくとも充分下りていけた(結局最後まで装着せず)。半月前の新雪の時の方がはるかに滑りやすかった。ラッセルの必要は無かったが、スパッツは今回はじめから装着。 合羽はもちろん着ていない。樹氷は全くないので枝や笹からドサッと落ちてくる心配もなく、それでも笹を掻き分けながら下っていく。このブナ林の合間からは常に富士山が眺められる。このコースはこの時期歩くのがいい。何回か振り返り大室山を眺めるが、この下山路から見上げると尾根続きのちょっとしたピークにしか見えない。

左【犬越路より檜洞丸眺望】

 犬越路には誰もいなかった。静かな中、端然とした檜洞丸の稜線を眺め、周囲の丹沢の山並みを見回す。いいなぁ・・・。明るい内に下山するタイムリミットだったが、ついつい見とれてしまう。前回のあの雪の中では見えなかった風景だ。二年前の檜洞丸(シロヤシオ満開)の時は下山路を犬越路経由で通っていた。今のこの雪の時期はちょっときついだろうなと思いつつ、そちらへしっかりのびている踏み跡を眺めた。

左【犬越路からの下山路】

 犬越路からの下りは最初少し凍結していたが、間もなく雪はなくなってきた。夫とボケとツッコミの漫才をしながら、トントンと軽快に下っていく。徒渉も心配はいらなかったが、河原は雪が薄くなって、凍結していた。今後の気象状況にもよるが、気温と時間によっては滑りやすいので要注意。鹿の足跡が沢山あったけれど、鹿は滑らないのかなぁ・・・と言うと、夫曰く「アイゼンはいてるんだろう・・」。なるほどカモシカスポーツか・・・タダかな・・

 用木沢出合には何とか明るい内に到着。