奥多摩; 川乗山
(かわのりやま)

のんびりハイキング


 H7年6月1日(木)当日発 ;
 Member.計2名(夫婦) コース
奥多摩駅8:10発〜(バス)〜川乗橋8:25〜
百尋ノ滝10:00着〜川乗山12:15着〜大ダワ2:00着〜
大根ノ山ノ神2:50着〜鳩ノ巣駅3:45着 4:22発  


 川乗山はもう数回登っているが、何回来ても気持ちがよい。新緑と紅葉の素晴らしさは奥多摩の中でも群を抜いている。バスを利用して川乗橋からのコースはせせらぎの音が爽やかで風もよく通る。最初の林道がちょっと長すぎるが、新緑の中にウツギの白さが目に眩しい。

 林道を外れて山道に入っても、相変わらずゆるやかな登りなので無理なく体が馴染んでいく。やがて川の涼やかな流れを目にして、右に左にと眺めながらなおもゆっくりと登っていくと、足下にはヤマツツジやトウゴクミツバツツジ、藤の花びらが散らばっていた。

 同じバスから下車した人は他に年輩の男性二人だけ。他の人たちは時間と持ち物の様子から鷹ノ巣山ではないかと思ったが、二日前までの雨がまだ充分乾いていないだろうし、風の通らない山間で、さぞ蒸したのでは無かろうか。その点川乗は快適だった。

 百尋ノ滝は少し梯子を降りれば間近に見ることが出来たが、この先余力を残しておかなければならない夫の為に、木の間から眺めるだけにした。そこでひと休みした後ツツジを右手に登っていくと、いくらか傾斜がきつくなってくる。木の根についている標高の数字にあとどれだけと残りを思い浮かべながら登っていくのだが、思いっきり下りになってしまうと夫の口から思わず溜息が洩れてくる。「せっかく登ったのに」と。

 途中山頂に向かっていくつかコースが分かれているが、今回は一旦大ダワ方面に向かってから手前で山頂へ登るコースをとった。遠回りになるが新緑の清々しさを充分満喫。最後の急登を終えてやっと頂上へ。バスで一緒だった男性二人が既に到着していた。鷹ノ巣・雲取山方面は少しガスがかかっていたが、大岳山・御前山はきれいに見えた。平日の山行の静けさを充分堪能。

 普段、夫婦で落ち着いて話す機会がなくても、こんな時は他愛のないいろいろな話題が出てくる。ドライカレーを作りながら、あるいはスープを入れながら、バカを言っては笑ったりして。

 予定では本仁田山を越えて奥多摩駅に出るはずだったが、夫の「もうやだよ」という情けない声。結局巻いて鳩ノ巣へ下りることになった。

 “青葉吐く息吸い込みし吾が四肢に響き入りたりせせらぎの音”
 “迷い来て懐かしきかなシロヤシオ時移りても花は優しき”