御坂山塊 ; 毛無山〜十二ヶ岳〜節刀ヶ岳〜鬼ヶ岳
(毛無山〜じゅうにがたけ〜せっとうがたけ〜おにがたけ)

満足度100%の日帰り縦走コース


 H9.4.24(木)当日発 ; Member.計2名魚眠荘バス停(駐車場)7:41発〜文化洞トンネルバス停7:45着〜登山口7:50〜
毛無山9:40-10:00〜十二ヶ岳11:15-12:25〜金山1:05〜節刀ヶ岳1:25-2:05〜
金山2:20〜鬼ヶ岳2:45-3:20〜鍵掛峠4:05〜魚眠荘バス停(駐車場)5:30


 前夜9時頃、西川さんから「仕事で行かれなくなった」と電話があった。平日山行はなかなか人が集まらなくて、どうにか3人になったと喜んでいたのに残念だった。

 朝4時45分、正確に迎えに来てくれた。しかし、私はバタバタとちょっと待たせてしまった。いつもながら主婦の朝は忙しいと、言い訳しつつ…。

 西湖に7時過ぎに到着。入山連絡を済ませ身支度をしてバスを待つ間、寒かった。気温は3度。この辺りでも「今朝は寒い。冬のようだ」と通りすがりのおばさんが話していた。ふと思い出したように連れが「ビールを買ってきます」とアッという間に買ってきてくれて、山頂の楽しみをザックへ。岩場のトウゴクミツバツツジや湖面輝く西湖を眺めているうちに、間もなくバスもやってきた。期待できそうな天気にスタートは快調。

 バスで4、5分の文化洞トンネルというバス停で下車。新しいトンネルをくぐって出たところの右側に登山口はあった。去年の4月中頃は残雪がアイスバーンで、今日のコースの約半分、十二ヶ岳で下山してしまったそうだ。

 いくらも歩かないうちにそのコースがとても気に入ってしまった。新緑にはまだ早かったが、柔らかい土を踏みながら、落葉樹の間から右に河口湖、左に西湖を眺められる。すーっと溶け込むような気持ちの良い登山道だ。馬酔木やミツバツツジもとてもきれいに咲き、振り返れば富士山が大きく見える。今回はロングコースなので、体調を崩さないようゆっくり進んだ。

 毛無山の山頂は富士山に向かって大きく展望が開け、素晴らしい景色だった。昨日の雨混じりのお天気とは打って代わって、気持ちよい青空!感謝、感謝だ。思わず知り合いにも伝えたくなって山頂からコールしてしまった。でもこれって、かえって残酷だったかな。でもお元気そうで、日曜日に御前山に行って来たと言っていた。

 毛無山を後に十二ヶ岳へ向かうが、小さいピークがそれぞれ一ヶ岳、二ヶ岳、…と十二ヶ岳まで続くのが面白い。六ヶ岳、七ヶ岳辺り少しがちょっと辛いところか。八ヶ岳というところでふと笑みがこぼれる。九、十はピークが大きな石のようなもので巻く形になっており、十一を越えると目の前に最後の十二ヶ岳が現れる。しかし見るところ岩稜帯を垂直に近い状態をよじ登らねばならないように見える。先ずは吊り橋を渡るのだがそこから私が先行し、連れが後ろになった。「落ちたら支えますから。45キロまでオーケーです」と。「ん?」私は見捨てられる運命か…。ともかく基本通り三点確保で登る。ゆっくり気をつけて進むが、小石が時々落ちてしまうので、怪我をさせないようにと気を使った。鎖やロープ、梯子や針金が次々と現れ、スリルいっぱい。緊張しながらも、とても面白かった。休日の混雑時だったら渋滞して大変だったろうが、幸い人が少なかったのでコースタイムより早めに十二ヶ岳に到着。やはり富士山方向に開けた展望を楽しみながら早めの昼食とした。ビールが美味しかったこと。重たかったでしょうにありがとう、お疲れ様でした。

 ゆっくり休んだ後金山を経て節刀ヶ岳へ。再び歩きやすい尾根で、山頂に着くとゆっくり北側の風景も楽しんだ。二週間前に歩いた釈迦ヶ岳や黒岳、遠くは秩父や八ヶ岳、南アルプスと見飽きない。

 再び金山を経由して鬼ヶ岳へ。山頂に着くまで思ったよりアップダウンがあった。鬼ヶ岳山頂には角のような岩が突き出ており、これがその名のいわれかと思いながら、その岩の上にのって記念写真。よくここまで歩いてきたものだと、見通せるその道のりを眺めると、心地よい満足感が広がった。今までで最高の日和の中、これほど圧巻の充実した山行も久しぶりだった。その感慨を味わいながら、コーヒーとココアを入れ、それぞれ山頂最後の展望を堪能。

 そして、去年王岳に登ったときの通過点、鍵掛峠へ向けて下山。あの時は登りに使ったコースを下りていった。一緒に咲いていたハシリドコロとシロバナノエンレイソウを見つけて嬉しかった。朝の毛無山への登り同様、清々しい樹林帯、新緑はもうすぐだ。

”澄み渡る雑木林に吹く風を山頂からの電話に繋ぐ”
”アルプスを呼び起こしたり十二ヶ岳四肢に快感残りて嬉し”
”山頂で登る辛さの断ち消えて展(ひろ)がる視野に吾が胸満つる”