箱根;  金時山
(きんときやま)

箱根の紅葉ハイキング


 H9.11/11(火)当日発 ; Member.計2名

元住吉6:27発〜横浜6:52発〜小田原7:55発〜箱根湯本8:29発〜
仙石8:55〜乙女口9:35〜乙女峠10:45〜金時山12:00-1:00〜
矢倉沢峠1:45〜仙石2:20発〜小田原


 天気が良さそうだったので、金時山に行って来た。

 湯本で下車、バスに乗り換えた。トイレにいっている間に前のバスであらかたの人が乗って行ってしまったらしい。空いているバスの車窓から眺める箱根の山は素晴らしかった。今年の紅葉はあまり期待出来ないそうだが、3、4ヶ月歩けなかったというブランクがあった私には、いきなり晩秋というか初冬の山の気配だったので、清々しい気持ちだった。天気は快晴。風一つ無く、青空の中に紅葉は映えていた。

 仙石で降り、バスに乗り継ぐなどということは考えず、乙女口まで車道脇の歩道を歩くことにした。交通量の多い道路を歩くのは不愉快だが、これから山歩きをする楽しみを思えば我慢出来ようというもの。

 途中2回ほど登山口があったが、それを通り過ぎて乙女口へ。思ったよりハイカーの多いのに驚いた。皆一様に私の大きなザックに好奇の目を向けてくる。そうなのだ、ここはデイバッグで身軽に登る山なのだ。でも…、でも…、低山を甘く見てはいけない、こんな所で楽を覚えてしまっては、もっと高い山に行ったときに苦しい思いをするだけではないかと自分の気持ちを奮い立たせる。トレーニング、トレーニング…と。

 ずっと雨の降らない関東地方、この山も歩くと砂埃が舞うほどに乾いていた。

 休憩をいれながら、ゆっくりと紅葉を楽しみながら登っていった。月初めにいきなり南アルプスやら八ヶ岳編笠山を歩いてきたので、今回は全く辛くなかった。やっぱり体というものは動かしてみるものだ。

 乙女峠は賑わっていた。やはり女性が多い。やり過ごして先に行く。可愛い実をつけた数本のマユミを眺めながら少し登ると平坦になった。そこまで来れば後は尾根道をゆるゆると行くだけかと思っていた。しかしそれは甘かった!小さなアップダウンがいくつかあって、山頂はと見れば、一つ山の向こうにあるではないか!この山は二回目だが、このコースは初めてだった。その意外性に私はすっかり嬉しくなってしまった。北斜面は霜どけの跡か、ほんの少ししっとりと濡れていた。鮮やかな赤や黄色の落ち葉が足下に広がって、久々に秋山の風情を味わった。

 思いがけなく山頂が目前に見えたとき、いつも感じるように嬉しく思うと同時にあっけなくも感じた。

 山頂は想像以上の人出だった。箱根駒ヶ岳や芦ノ湖は見えたが、富士山は残念ながら雲の中。視界は思いの外霞んではいたが、以前ガスで全く見えなかったのを思えば素晴らしい展望だ。

 金時娘さんの大盛りの味噌汁やら丼ものを注文している人たちを、美味しそう…と横目で眺めながら自前のおにぎりと、既成だが持参のおでんを温めていただく。同行者のお漬け物や、チーズなどもご馳走になり、仕上げはみかんとコーヒー(紅茶)。少し風が渡ってきたが、さわやかだった。

 ゆっくりと山頂の雰囲気を堪能し、1時間後に下山した。矢倉沢峠への道は急だ。あの時は苦しかったと、以前寝不足状態で一人ここを登ったのを思い出す。ふと見ればリンドウの花、気持ちが和む。

 峠までくれば後ひと息。明神ヶ岳への分岐を離れて更に下る。道は整備されていたが、土は硬い。雨が降っていないせいもあるが、人が沢山入っている山だと良く分かる。バス通りへ出て仙石バス停に向かうとタイミング良くバスが来た。混んでいたが運良く座れたので、湯本で降りず、そのまま小田原まで行くことにした。

 駅で久しぶりに乾杯。

”落ち葉踏む色とりどりの思い出をふわーっとのせた山落ち葉踏む”
”立ち止まり汗吹く吾の目に碧き空広がりて紅葉鮮やか”
”山頂に人ざわめきて秋晴れの金時山に富士は隠れし”