霧ヶ峰・鷲ヶ峰ゼブラ山〜北の耳〜南の耳
(わしがみね1798.3m〜ぜぶらやま1776m〜きたのみみ1829m〜みなみのみみ1838m)
気楽な雪山歩きを楽しもうと出かけたのだが、雪は少なかった。
予報では曇りで雨か雪ということだったが素晴らしい展望に恵まれた。
 H18年02月19日(日)
  天気;晴れ後曇り
  Member.2人(夫婦)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 
八島高原駐車場9:30〜鷲ヶ峰10:35-11:10〜八島湿原(1640m)昼食11:45-12:45〜ゼブラ山13:50〜山彦の北の耳14:20-30〜南の耳14:50-55〜物見岩15:10〜八島湿原周回〜八島高原駐車場16:50

【標高差約198m】

【正面に北ア、360度の展望:鷲ヶ峰山頂】


 日帰りで気楽に雪山ハイキングを楽しめそうなところということで、霧ヶ峰のまだ行っていないエリアを歩くことにした。天気予報はあまり良くなかった。

 展望は全く期待していなかったが、車山を回りこみ、先へ進むと視界が開けて、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、北アルプスが見えてきた。

 わぁ〜と歓声をあげて喜ぶ反面、周囲の雪は思った以上に少ない。わかんでザクザク歩けるだろうと期待していたのに。

 前方に鷲ヶ峰が見えてきた。青空が広がっている。

 この時は鷲ヶ峰に登る予定ではなく、もう少し手前の沢渡辺りに車を停めて歩き始めようと思っていた。ところが駐車するような場所が無く通過してしまい、そのまま八島へと行くことにした。

 車は八島山荘のあるところまで行けたが、その先は通行止めになっている。雪が多いときはもっと手前にもゲートがあったので、要注意。

 それにしても日本海側の大雪に対して、こちらは雪が少ない。

 駐車場。この時車は8台くらいだった。バックには北アルプスの山並み。

 駐車場を後に歩き始める。

 先に歩き出した人たちはそれぞれにスキーやらスノーシューやらを背負っていた。みな同じ、雪を期待していたんだなぁ〜。

 私たちはわかんは使わないだろうと車の中に置いていくことにした。アイゼンは念のため持ったが、結局使わなかった。

 八島湿原の入り口で。ゼブラ山(左端)から車山まで一望。今日はゼブラ山から蝶々深山(ちょうちょうみやま)まで歩く予定だった。

 しかし、さっきから(車中からも)見えていた左手に見える鷲ヶ岳が気になる・・・。「ちょっと先にピストンしてこようか!」ということで先ずはそちらへ歩き出す。

 今回はご覧の通りダブルストック。初めてだ。わかんと一緒に使おうと思ったが、雪が少なく締まっていたのでつぼ足だが使うことにする。スキーで使っていたものだから長めで少々使いにくかった。

 すぐ目の前がピークだと思っていたら、ん?右手に白いピークが・・・。

 途中から見下ろすと駐車場が見える。写真では分かりにくいが、南アルプスの山並みの左に富士山の姿があった。

 富士山(写真右端)から左へ目を移すと八ヶ岳の編笠山から蓼科山まで一望。その手前に車山、山頂に立つ気象ドームが見える。その麓には八島湿原が見える。

 実は諏訪インターをおりて、霧ヶ峰に向かう途中、あまりの天気の良さに、蓼科山に変更しようと思ったのだった。ハンドルをそちらに切り替え走り出したが、トシちゃんに「大丈夫?」と聞くと「無理だったら途中で待っているから」という。それなら気楽に歩こうと、予定通りこちらにしたのだった。

 最初のピークにして、既に中央アルプス、御嶽山(左写真)、そして右に目をやれば北アルプスの山が連なって見える。登っている尾根の右手には浅間山や四阿山方面の山並み、荒船山や妙義山方面が見える。

 夏ならば喧騒の霧ヶ峰だろうに、この日鷲ヶ峰に向かっているのは私たちより先に歩いていった6,7人の地元山岳会のメンバーだけ。静かだった。

 そして山頂に至るまでの間も360度の見事な景観。期待していた雪山では無かったが、期待していなかった展望と天気に恵まれた。

 最初のピークに着くと、鷲ヶ峰山頂が見えてきた。山頂は写真の左端になり、まず右手の白い山の方を回って行くようになる。

 写真ではうすくなってしまったが、振り返ると富士山が更に大きく見えてきた。肉眼ではきれいに見えていたのだが残念。(富士山の右は南アルプス、左は八ヶ岳南部でその前に車山が見える)

 北アルプスも見えてきてご満悦!(登っている途中で)

 そして山頂。目の前にドド〜ンと北アルプスの山並みが一直線に勢ぞろいだ。

 山頂標識とのショットは浅間山、四阿山方面。

 もちろん360度の見事な展望。

【↑中央アルプスと諏訪湖

【↑北アルプスの展望を遮っている右端の山は美ヶ原

 山頂までの風景に気をとられ、写真を撮りながらのんびり登り、山頂展望をゆっくり楽しんだ後、同ルートを下山。

 下山途中、先ほどの山岳会の人たちが救助訓練で、ビバークのツエルトを張る練習をしていた。

 山頂ではさすがに風が冷たく少し寒かったが、八島湿原に戻ると熱くなってきた。上着を脱ごうとしたらちょうどベンチがあったので、ここで昼食。おきまりの煮込みうどん。コンビニに冷凍のホイルうどんしかなかったので買ってきたが、具沢山の野菜入りでとても美味しかった(380円)。

 丁度通りかかった一人の女性が履いていたのはスノーシューではなかった。ミニスキーと思いきや、スキーシューというらしい。日本ではまだあまり売られてはいないという。ネットでアメリカから直接仕入れたそうだが、送料と手数料を入れても日本で買うよりは安かったらしい。裏にはシールがついている。

 私たちの山行はスノーシューよりワカンの方が重宝だが、上手ならミニスキーが欲しいと思ったことはある。下手だから躊躇していたが、これだったら使ってみたいと思った。でもスノーシューよりは重いらしい。

【↑木道を通ってゼブラ山へ】

【↑振り返ると登ってきた鷲ヶ峰が見える】

 奥霧ケ峰鎌ヶ池キャンプ場が見えてきた。今はシーズンオフで閉鎖されている。ここは良いな♪ お花のきれいな時期に来てみたいと思い、帰宅してから調べてみた。

 4月の終わりごろから11月の初めごろまでが開設期間で、車で中まで入れるらしい。これには驚いた。

 ゼブラ山へ。足跡は少なかった。スキーやスノーシューの跡はあったが、ゼブラ山には向かっていなかった。

【↑ゼブラ山山頂より:バックは北アルプス方面】

【↑ゼブラ山山頂より:車山方面】

 北の耳にもうちょっとで到着。左に行くと大笹峰で、ブランシュたかやまスキー場の山頂になる。ここは長男がスキー検定2級に受かったところで印象深い。

 山頂でスキーを背負った男性一人とすれ違った。途中までスキーを履いていたのが見えていたが、雪の無くなったところで外したようだ。

 この後、スキーで滑っている人は遠目に見えたが、出会った人はいなかった。むろん歩いている人もいない。
 北の耳から来た道を振り返る。

 手前の白い山がゼブラ山、その向こうに鷲ヶ峰、その向こうは鉢伏山だろうか?そして遠景は北アルプス。肉眼ではずっときれいに見えていた。

 ←浅間山、四阿山方面:北の耳より

 そして、北の耳からは八ヶ岳全体がより身近に見える。

 ←車山(左)と南の耳(右):北の耳より

 これから行く南の耳の左(東側)斜面の林の方はエコーバレースキー場。ここも家族で昔滑りに来たことがあったと懐かしく思い出す。

 少し休憩してから南の耳へ。下って平原を進み、登り返す。山頂近くは凍結でガリガリの急斜面。場所を選び気をつけて登って行った。

 蝶々深山を経由して下山の予定だったが、ここで15時少し前。夫はもう下山したいと言うので下山することにした。

 そのまま物見石に向かう。

 ←物見石

 物見石からそのまま最短距離でキャンプ場を経由して八島へ戻るのかと思ったら「湿原をぐるっと回って行くんじゃないのか?」とトシちゃん。

 え〜っ!?それなら蝶々深山周れたんじゃないの・・・・?(ボソッ)

 物見石まで戻りながら、再び湿原を周るべく左へと歩を進める。スキー板やスノーシューの跡が幾筋もついている。

 午後の気温が上がった(午前中は4度くらいで7〜8度くらいまで上がった)せいか、たまにズボッとはまった。スキー跡がうらやましい。随分楽だろうな・・・。夕方はまた1度くらいに下がった。

 湿原を周回し、途中でのんびりと最後の休憩。誰もいない静かな湿原を眺めていると気持ちが安らぐ。予定外のところを歩き、予定していたところをパスしてちょっと心残りでもあったが、満足感の方が大きかった。

 天候といい、雪の量といい、眺望といい、コースといい、想定外づくしだった・・・。でも、この誰もいない自然の中に身をおいているのはなんと心地よいことか。夏の行楽シーズンでは考えられない光景だ。温かいコーヒーとお菓子など食べながら、珍しく他愛の無いおしゃべりで、しばし寛いだ。

 そして出発地点へ向かう。

 この風景がなんとも素晴らしい。ひと気はなく、ウサギの足跡が続いていた。

 鷲ヶ峰が見えてきた。あと少しだ。

 駐車場に戻ると残っているのは我が家の車だけだった。

 片付けて帰路につく。寝不足だったせいもあり疲れた。交代で運転しながら途中で食事を済ませ、9時ごろ無事帰宅。