秩父 ; 甲武信ヶ岳
(こぶしがたけ)

山は少し雪景色


 H8年11月26日(火)〜27(水)当日発 ; Member.計3名(渋谷・山上・石原)

一日目(26日)
西沢渓谷駐車場9:35〜登山口10:05〜(徳ちゃん新道)〜
 硅石採掘場跡(分岐)13:00〜(戸渡尾根)〜分岐15:20〜
木賊山15:25〜甲武信小屋15:40-50〜甲武信ヶ岳16:05--20〜
 甲武信小屋16:45

二日目(27日)
甲武信小屋7:35〜木賊山7:53〜分岐〜(戸渡尾根)〜
 硅石採掘場跡(分岐)11:00〜(徳ちゃん新道)〜登山口13:05
 〜西沢渓谷駐車場13:30


一日目(26日)
西沢渓谷駐車場9:35〜登山口10:05〜(徳ちゃん新道)〜
 硅石採掘場跡(分岐)13:00〜(戸渡尾根)〜分岐15:20〜
木賊山15:25〜甲武信小屋15:40-50〜甲武信ヶ岳16:05--20〜
 甲武信小屋16:45

 当初八ツの天狗岳を予定していたが、山上さんが「歩くのは厳しい」ということで、甲武信に変更した。実際歩いてみて、甲武信より天狗の方が楽ではないかと思ったが、標高の違いを思えば、山上さんの心配も無理がないかも知れない。

 駐車場から西沢渓谷入口へ向かうと、途中大きく登山道入口と書いてあるが、通過。間もなく渓谷入口に到着。そして入口の反対側にあるトイレの裏側に登山口があった。今年の地図に点線で載ったばかりの徳ちゃん新道(甲武信小屋主さんが、切り開いた道)だ。渋谷さんが甲武信小屋に連絡をとった際、聞いたそうだ。道はきれいに整備されていた。いつの間にか急登なのだが登りやすい。新緑の頃も素晴らしい眺めだろうと思いつつ、カラマツを踏んで行く。既に木々の葉は落ちて、見通しが良い。この晩秋というか初冬の風景が私はとても好きだ。

 どのくらいたった頃だろうか、振り向けば富士山が端然と姿を現し、素晴らしい晴天の中、キラキラと輝いて見える。

 二千メートル近くになって足下に雪が現れだした。こちこちに固い。ここ数日はお天気が良かったから、その前のものが残っているのだろう。途中、日帰りで登ったという男の人が一人で下りて来るのに出くわした。上は雪がかなり残っていて、アイゼンが必要だという。

 戸渡尾根に合流して、この時だけ少し下りになった。後は叉延々と登りだ。気持ちの良いほど高度が稼げる。危険な所もない。ハイマツやシャクナゲの多さには驚いた。この南面は5月15日頃が見頃、北面は6月初めから中頃が見頃だという。

 何回か休憩を入れながら、木賊山に到着。ここまで来れば甲武信はもう目の前。少し先に行くと、見晴らしの良さに足下もふと止まるが、ひとまず鞍部に立つ小屋に向かう。その下りは雪のため注意を要したが、思えば結局アイゼンは使わずじまいだった。

 ひとまず小屋に荷物を置き、小屋の人にすすめられるお茶を飲む間も惜しんで山頂へと向かった。時間的に少し遅かったが15分ほどの距離だ、天気の良い今行った方が安心だ。渋谷さんは凍てついてくる雪道を心配したが、翌日の天気が崩れるという予報を耳にしては、明日に期待する訳には行かない。

 登って正解。狭いが立派な山頂に百名山の威光を感じたが、展望の素晴らしさは思った以上だった。なんと言葉にしたら良いのだろう。雲海の上に、もちろん富士山が在り、秩父、八ヶ岳の全容と南・中央・北アルプスまで見える。それを歓喜の思いで眺める私達の顔に真っ赤な夕日があたり、いつまでもそこに居たいほどだった。陽が沈む前に下り始めたが、太陽のかもしだす映像は刻一刻と変わり、私達の目を釘付けにしてしまう。つい足並みは遅く、そのいっときを惜しんだ。

二日目(27日)
甲武信小屋7:35〜木賊山7:53〜分岐〜(戸渡尾根)〜
 硅石採掘場跡(分岐)11:00〜(徳ちゃん新道)〜登山口13:05
 〜西沢渓谷駐車場13:30

 宿泊客は我々3人だけ。昨夜小屋主さんに焼酎のお湯割りをご馳走になって、ストーブで体も温まり渋谷さんにマッサージまでしてもらいながら、どういう訳か私はよく眠れなかった。用心のためシュラフを持っていったが幸い布団や毛布がしっかりあったので使わなくても大丈夫だった。

 朝方、雨音を感じて少々がっかりしたが、渋谷さんの予測通り雪に代わり、願ってもないロケーション。6時の朝食後、アイゼンを着けて出発7時半。

 コースは雁坂峠を目指し、そこから下山する予定だったが、ガスのため昨日の逆コースで即下山することにした。とりあえず巻道をとらず、木賊山頂に行き遠望。全く視界はない。思ったほど寒くなかったのでセーターを脱ぎ、雨支度のまま下りていった。新雪がかなり積もっていたがアイゼンを装着した為かなり楽だった。心配した山上さんも昨日より早いペース。同じ道を辿ってみると昨日はよくこんな急坂を登ったものだと驚かされる。途中から雨に変わりビショ濡れになったが、温泉を楽しみにしている私達の話題は明るかった。