奥秩父:国師ヶ岳〜北奥千丈岳
(こくしがたけ 2592m 〜 きたおくせんじょうだけ 2601m クリック地図

 今回のキーワードは気楽に歩けて涼しく、人が少ない静かな場所。標高の高い大弛峠は日本百名山金峰山への登山口で駐車場は混みますが、反対側の国師ヶ岳〜北奥仙丈岳に登る人は少ないのではないかと選択。晴予報の期待に反して朝方は雨。お陰で肌寒いくらいの涼しさで避暑目的はバッチリ。石楠花は例年より遅くこれから。(^^ゞ
 H24年7月15日(日)
  天気;雨のち晴
  Member.2人

【コ ー ス】(〜は歩、撮影・休憩時間含む) 
 大弛峠10:56〜前国師ヶ岳〜国師ヶ岳11:58-12:56〜北奥千丈岳13:05-53〜少し先の展望台へ〜北奥千丈岳〜夢の庭園〜大弛峠15:20

↑ 北奥千丈岳山頂(奥秩父最高峰)


トラック(赤)
(※予定は緑のルートでしたが中止)



 夜中に出発し大弛峠へ。真っ暗な中到着した時点で駐車場は既に手前に路駐車ずらりでびっくりでした。

 日本中の殆どが雨予報の中、わずかに晴マークだったのは関東南部、山梨、長野方面。皆思うことは同じなんだなぁと妙に納得。

 ところが朝まで雨が降り続き、辺りはガスガス。そんな天候でしたから、次々車がやってくる反面引き返す車も多く、すれ違いに四苦八苦状態でした。

 この渋滞状況で行き先の変更もままならず。動くことを諦めネットで天気概況と外の様子を見比べながらしばらく様子見。

 小雨やガスの中出発する人はTシャツ姿であったり、合羽着用であったり様々でしたが朝の気温は13℃ほどで長袖でも寒いくらいでした。避暑に来た甲斐があったというものです^_^;

 雨の上がるのを待って私達が歩きだしたのは既に11時ごろ。この時点で予定の奥千丈岳までは当然ながら無言の却下・・・晴れていてもそうだったりして(^^ゞ

 大弛峠で既に2,365m。最高地点は北奥千丈岳の2,601mですからその差は236m。約1時間ほどで着く予定ですから楽勝!・・・の筈^_^;

 

 大弛小屋。奥秩父縦走の拠点ですが、峠沿いにありますから車で来て即テントでのんびりもありです。ここでお食事もお茶もできますしネ(^_-)-☆

 小屋の右手から登山道へ。階段状に作られている丸太の削り具合の細やかなこと!

 雨は上がっていましたがガスで濡れるかなと合羽着用です。結局全然必要ありませんでしたが気温が低かったのでしばらくそのままに。
 

 
シャクナゲの木がいっぱいで驚きました。
蕾が殆どついていなかったので
もう花の時期は終わったのかと思いつつ登っていきましたが・・


 
一つだけ蕾があったよ、これから咲くのかなと
トシちゃん。



満開の時は見事だろうなと思うような石楠花の木がずらり。
「もう葉っぱが出てるから花は終わったんでしょ・・」と
この時は思っていました。
 


下山後大弛小屋の人に聞いたら
なんと今年の開花はこれからとのことでした。

例年は7月に入ってから咲き始め、
中旬(ちょうど今頃)に見頃になるそうですが、
今年は遅く、これから花が咲くそうです。

あぁ、残念でした。

ところが樹林帯の中にある低木なので日影なため、
大きな木に一つ二つ、ポツポツと咲く程度だそうです。

中には日当たりのいい場所にまとまって咲く木もあるそうですが、
またタイミングが合えば見てみたいものです。
避暑と気楽な山歩き目的で・・・^_^;

コメツガの樹林帯もいいものです。
こんなお天気の日はしっとりしていい雰囲気でした。

夢の庭園は帰りに寄ることにして先へ。
 
ゴゼンタチバナ

 
前国師ヶ岳に着いた頃
ガスの中から一瞬覗いた北奥千丈岳

 
そして左側には国師ヶ岳

 
でもその姿はまたすぐ隠れてしまいました。



コケモモ

 
イワカガミ

 
ミツバオウレン


 奥秩父縦走路と北奥千丈岳の分岐。ここからどちらのピークも約10分ほど。

 北奥の方は後から行くことにして、先に国師ヶ岳へ。 

 国師ヶ岳山頂。思ったより人が多くてビックリ。金峰山からこちらへ切り替えた人も多かったのかしらと思ったくらいですが、甲武信ヶ岳から縦走してきた人ともすれ違いました。

 甲武信ヶ岳からこの国師ヶ岳の間が歩いていないのでいつか歩いてみたいと思っているのですが、車では無理なのでついつい先延ばしになっています。テント泊も今はお預けで、果たしてこの先できることやら・・^_^;

 既に私のカウントに入っていますが国師ヶ岳は山梨百名山の一つです。

 トシちゃんはお初です。

 すっかりまたガスに包まれてしまった山頂でトシちゃんはコンビニ調達の冷やし中華^_^; 私はサンドイッチでした(^_-)

 気温は16度。オールフリーは珍しくさすがにお持ち帰りです^_^;

 ガスが晴れるのを待って1時間ほどのんびりした山頂でしたが晴れませんでした^_^;・・・はい、1時間歩いて1時間休憩でもう一つのピークへ移動です^_^;

 ということで、再び分岐へ戻り北奥千丈ヶ岳へ。

 ここの石楠花も同じように蕾があまり見られませんで。もう既に花は終わったものとばかり思っていました。

 分岐から 10分足らずで北奥千丈岳、奥秩父の最高峰2,601mです。こちらの方が人が少なかったのでまたゆっくり休憩(^^ゞ
 
だんだんと青空になり、
国師ヶ岳が見えてきました。


 
ズームでさっきまでいた山頂


 
雲が流れて金峰山の五丈岩も見えてきました。


 
ズームで。


 奥千丈岳まで行く予定でしたが時間的にも気力もダウン。それでも少し先の南部を展望できるところまで行ってみました。

 晴れていればおそらく富士山や南アも見えるのではないかと話しながら行きましたが雲で隠れてました。小楢山方面を眺めて戻ります。この先の石楠花新道の石楠花はどうなのだろうかと気になります。

 こちらの登山道はあまり使われないものか、歩く登山道の真中がキジ場などになっていてビックリしました。場所を考えてほしいですし、せめて埋めるなどの始末をして欲しいものですね(>_<)

 北奥千丈岳山頂に戻り、また写真を撮りながらゆっくり引き返すことにします。

右、国師ヶ岳を眺めながら。


 
左の前国師ヶ岳へ。






 途中合羽を脱いで。

 前国師ヶ岳より北奥千丈岳。
 
見上げればきれいな空

 
前国師ヶ岳より金峰山
存在感のある五丈岩


 
 咲き始めのマイヅルソウ


 
   途中、夢の庭園へ回っていきます。
 
岩や灌木の調和のとれた自然の庭園からの遠望は残念でしたが
周囲のガスはすっかり晴れて、そんな中走ってきた林道の
かなり下のほうにまで大弛峠の駐車場から溢れた車が
並んでいるのが見えます。




通路が整備されています。



 


夢の庭園をあとに下るだけ。 


 大弛峠を後にしてこのあと温泉へ。

 大弛峠に近い金峰泉は以前行ったことがありますが、道路工事のためしばらく休業中で、山梨市営温泉花かげの湯へ。500円ですがJAF会員ですと400円になります

 予定では翌日は三つ峠山(最短ルート)と杓子岳で、先ずは三つ峠山へ向かいました。ところが途中カナダ人の若い男性を富士吉田の宿へと送り届けることになり(※)、三つ峠山は中止。次の予定の杓子岳の方だけにしました。
 ※情けは人のためならず
 翌日は鹿留山〜杓子山を歩く予定でしたが、その前に涼を求めて標高の高い三つ峠山で夜景とご来光を楽しみたいと最短ルートの登山口へ向かいました。バイクのツーリングの時、丁度いい展望台があったはず・・とトシちゃんが捜しながら上へと運転していきました。清八林道との分岐に数台分の駐車スペースがあり2台駐車。その場所ではないようで、トシちゃんの勘で西川新倉林道の方へと進みます。地図で確認するとトシちゃんの記憶は次の登山口のことかな?と思っていると、だんだんと薄暗くなる中突然一人の外人さん(男性)が前方から歩いてきてびっくりしました。

 既に夕暮れ時の6時半頃だったでしょうか。分岐に置いてあった車の人かなと話しながらその先へ進みましたが目的の場所から離れていきそうなので引き返すことにします。先ほどの人がもしまだ歩いていたら乗せてあげようと話していると、こちらのライトに反応してその男性が手を挙げていました。乗せて貰おうと待っていたようです。停まってどちらまで?と日本語で聞きますと、「フジヨシダ?」と返事とも質問ともとれる返事。富士吉田へ行きたいようですが、ライトも持たずこのまま歩いてではバス通りに出るのも大変です。話せるのは英語とフランス語だそうで日本語は分からないようですから一先ず富士吉田まで送っていくことにしました。

 日本語が思うように伝わらず、記憶の英単語を引き出しての会話はもどかしいものでしたが、解釈が間違っていなければ23歳のカナダ人で3ヶ月間日本に観光で来ているとのこと。富士吉田のホテルに泊っているというのでそのパンフレットを見ながらナビを検索。ナビに載っていないホテルだったので近くの富士吉田駅を目指しますが、今は富士山駅という名に変わったのを初めて知りました^_^;

 どこを歩いてきたのか聞きますが「ワカリマセン」と言います。こっちの言葉が通じていなかったのかも・・・^_^; 手持ちのスポーツドリンクを1本渡すと「アリガトウ」と言って美味しそうに飲んでいました。お腹は空いているかと尋ねると(これくらいは英語で(^^ゞ)、「ノー」と言いながらバックの中からパンを出して見せてくれました。いろいろと話したかったのですが、なにしろ教科書英語の会話ですから外人さんの発音がわからない・・・(-_-;)

 ともかく富士山駅まできて、パンフレットの地図をみながらホテルを捜し出した時は「あったー!」と叫んでしまいました(笑)

 日本語の分からない外人さんがどうして一人で?と思いましたが、さぞや心細かったのではと思います。無謀だと言ったところで通じないし、必要な装備を言ったところでそれも伝わらないでしょうし、どんなアクシデントがあったのかもしれず、とにかく無事宿に送り届け、ホッとしました。その若者は何度も「アリガトウ」と言って下りていきました。

 外国では日本人もいろいろな親切を受けていることでしょう。困った時はお互い様。ここで「情けは人のためならず!だよね」なんて二人で話していました。この情けが翌日すぐに廻ってこようとは・・・!

 ということで、三つ峠山をスルーして杓子山の麓の方まで来てしまいましたから、このまま富士吉田道の駅へ行き、明日は直接杓子山の方へ行くことにします。道の駅で改めて焼き茄子や冷奴をつまみにしながら乾杯。

 翌日は鹿留山〜杓子山〜高座山へ。