丹沢秦野・弘法山
 (こうぼうやま200mくらい?)
 孫と軽いお花見山行のつもりがとんだハプニング

 H14年3月23日(土)
  天気;晴れ
  Member.2人(4歳の孫娘と)

  【弘法山の桜】右

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

弘法山登山口15:35〜弘法山山頂15:55-16:15〜登山口16:30〜(吾妻山方向へ)〜引き返し地点17:15〜下山18:00=車で登山口へ
(所要時間約2時間25分・・休憩含む)


 終わってみれば、笑える山行であった(笑えない山行であるとも言えるが)。たかが二百数十メートルの山、しかも車でかなり上まで行ってしまうため、大人の足なら10分前後で行ける所であった。ところが、思わぬ落とし穴があった。こんな時に地図は車の中に忘れ、懐中電灯も持っていかなかった。思いがけぬ動物との遭遇、そして道に迷い、暗くなる寸前に心優しい方に車で転送していただくというハプニング盛りだくさんのお気楽、否おそまつ珍山行だった。

 今回は一番上の孫が卒園式を迎えるため、妹の方のめんどうを見ることになった。それならお山に行こうと連れ出すおばあちゃん!孫娘も「お山に行きた〜い」と喜んだ。でも卒園式は午後。私も午前中は忙しく、用事を済ませてから迎えに出たため、孫の所に着いたのが既に午後2時。幸い今年は桜の開花が早い。近くて沢山歩くところより、少々遠くてもお花見気分で気楽に楽しく歩けるところということで、秦野の弘法山を選んだ。以前ハイキングコースで歩いた時は電車に乗って、秦野から鶴巻温泉に出た。今回は車で弘法山の麓まで行き、お花見を楽しんで帰って来ようと思っていたのだ。

 R246の新善波(しんぜんば)隧道を抜けると左に弘法山が見えてきた。地図で確認したとおり、トンネルを出て500mほど行ったところで、弘法山へ伸びているらしい林道があった(信号はない)。R246が混んでいたため、迷わずそちらへ左折。細い林道だが間もなく登山口に到着。そこは弘法山から吾妻山へ続くハイキングコースの途中だった。丁度車1台停められる場所があったので駐車。林道には2台ほど停めてあった。後から気づいたことだが、そこに駐車場所がないときは、道なりに右へと進めばきちんとした駐車場がある。本来は新善波トンネルを700〜800m進んで、信号のあるところから入れば、そちらの整備された駐車場の方に行く(帰りはこちらを通った)。

左【出発】

 とにかく無事に車を停めて、孫娘と歩き出した。そこからならば、弘法山山頂まで、大人の足で10分もあれば楽に着いてしまうだろう。子供はそうはいかない。ドングリを拾い、お花を見つめ、おしゃべりしながら立ち止まったりしゃがんだり走ったりと、することは忙しいがペースはゆっくりしたものだった。タチツボスミレやタンポポが咲いて、桜の木は満開。やはり丁度よいときに来た。時間が時間だけに人も少ない。

左【一緒にお花見】

 弘法山山頂は少し肌寒く感じた。それでも孫は元気よく鐘楼を打ったり、走り回ったりしていた。温かい紅茶を飲んでから整備された緩やかな階段の方を下る。途中には水洗のトイレが整備され広くてきれいだった。通路には提灯がずらっとぶらさがり、夜桜も楽しめるようになっていた。「めんようの里」と看板があるだけあって、まるまるした羊の牧場があった。孫娘は大喜び。

左【ドングリ拾い】

 そこからまた桜やスミレ、ムラサキケマン、タンポポなど眺めながら(孫は相変わらずドングリを拾いながら)、車の所へ戻った。ここまでで1時間弱。孫娘は「もう帰るの?やだ〜」という。「それなら反対側にもう少しだけ歩いてみようか」「うん!」ということで、また歩き出した。一つのピークまで行ったら引き返すつもりだったが、緩やかな登りのため、あと少しあと少し・・・と、思ったより行ってしまった。

 そして、下りが少し急になり、危ないので手を繋いで下りていくと歩きやすい道と合流した。何回か脇道があったので、これは捲き道と思いこんだのが後から思えば間違いだった。帰りにここを、孫のために捲いたつもりが迷う羽目になってしまったのである。その時は知る由もなくもう少し先に進んだ。すると突然前からイノシシ(と思われた)がやってきた。丁度息子から携帯がかかり、話しているときだった。あら大変!と孫をかばい、どちらも怖がらせないように登山道の脇に寄った。相手もこちらにびっくりして行きつ戻りつし、私たちが脇に寄ったやいなやダァ〜っと走りすぎていった。デジカメを向ける間もなかった。孫娘は怖いよ〜と言いながら、ころころと笑いこけていた。その状況は話し中の携帯から息子の元へ実況中継されていたのであった。

左【ヒトリシズカ】

 また鉢合わせしないようにもう少し先に行き、吾妻山が視界に入ってきた辺りで引き返すことにした。ヒトリシズカ、ウグイスカグラの花にも出会えた所だった。下りは孫が走り出すので手を繋いで下りていく。「またイノシシがいるかなぁ」と心配しつつも楽しそうに笑っていた。「もうお家に帰って、いないでしょう」と安心させるように言ったのだが、いたのだった。しかも今度は2頭。びっくりしたが、向こうもびっくりしていた。よく見ると1頭は白い。豚のように見える。するともう1頭の茶色いのも豚だったのかな?と、今度はデジカメに収めるが、やや遠くてよく分からない。豚がこんな所に2頭でデートしているのもおかしな光景だが、近づくと相手は逃げるし、こちらも孫を抱き上げたりで、残念ながらしっかり観察する余裕はなかった。

 丁度そのあたりで、先ほどの捲き道勘違いルートを行ってしまった。しかしその時は間違えたのがそこだとは思わず、もっと先で間違えたと思って、再び違う道に行ってしまったのだった。こんな所で、と思うところでミスをした。しかも地図がなく、ヘッドライトも持ってきていない。まったくマーフィーの法則そのままだ・・・。幸いどこへ下りても人里近い。とりあえず急いで下ることにした。とにかく明るい内に住宅地に出た。

 丁度犬の散歩をしている人がいたので、現在地を知ろうとして弘法山はどっちになるか尋ねてみた。するとR246の方ではなく、東海大方面に下りていることが分かった。その可能性も頭をかすめたが、現実となるとため息であった。とりあえずタクシーのあるところまで行かねばと思い、お礼を言って行こうとしたが、その方が送って下さると言う。丁度目の前がご自宅で、奥さんも出てこられていた。ご好意に甘えて車の所まで送っていただいた。孫が一緒だっただけに感謝の気持ちでいっぱいだった。改めて、ありがとうございました。