南ア周辺・櫛形山(くしがたやま2051.7m)

 アヤメが満開
 今年は開花時期が少し早いようだ

 H16年6月30日(水)
  天気;曇り時々晴時々雨
  Member.4人(木村、清水、佐藤、石原)

右写真【アヤメ:裸山で】


 【コ ー ス 】(〜は歩、休憩時間含む)

展望台登山口(登山碑)5:10〜アヤメ平7:00〜2000p7:30〜裸山山頂7:40〜櫛形山8:35-9:15〜アヤメ平10:15-11:00〜展望台登山口(登山碑)11:50
(所要時間約6時間40分くらい・・休憩含む)


 メンバーの日程調整をしたら、たまたま6月末になった。アヤメの開花には時期的に少し早いかなと思いつつ、私以外まだ行ったことがないということで櫛形山に決定。ところが運良く、見事満開時期と重なった。おまけに梅雨時というのに晴の予報。少し降られたがそれは静岡県の思いがけない集中的な雨のせいらしかった(新幹線も止まってしまったそうだ)。南アルプスの山があるため山梨県側にはさほど影響がなかったらしい。5月檜洞丸のシロヤシオといい、このメンバーはついている。

 中央道から白根ICへと分かれていた中部横断道が、今年(2004年)3月20日南アルプスICへと新しく延びていたので時間は短縮されるだろうがやはり遠いので前夜発とした。この道路は初めてだ。一車線だが平日夜間でもあり、車はほとんど通っていなかった。快適だ。今補修中の南アルプス林道がやがて開通すれば、夏場などやはり交通量は増えるのだろう。南アルプスICをおり、昨年4町2村が合併して出来た南アルプス市に入ると、道路整備の進められているのがよく分かった。とりあえず県民の森を目指そうと、インターを出たら右折。そのあとはのんちゃんに地図を確認してもらいつつ、標識と古いナビにしたがって櫛形方面へと向かった。

 県民の森で、周辺地図を確認してからそのまま道なりに目的地の展望場を目指した。林道は舗装され、対向車の分かる夜間の走行は楽だったが、真っ暗な中でのすれ違いは不気味な想像をさせるらしく「どうする?あの車、人を埋めてきたとしたら・・・」と言うmidoriさんの言葉に一同どよめき。ただでさえ私は丁度サスペンスものを読んでいるというのに・・と笑ってしまった。ピョンピョンと車の前を横切った可愛い兎に気持ちは和んだ。

 田中澄江登山碑のある展望台に着いたのは22時半。車は一台停まっていただけだった。地図にはP30台と書かれている。私達も登山口前の広場に停めテント設営。簡易トイレが近くに二つあり、トイレットペーパー付きで水洗、とてもきれいだ。鏡付きの手洗い場まで設置されている。展望台だけに南アルプス市の夜景がとてもきれいだ。月はおぼろ月のようで、テント設営中少し雨?と思った程度だった。夜中に降らなければ良いが・・と思いつつ、今回は手順良く設営を終えミニ宴会の開始。時間が遅いので1時間くらいの予定が盛り上がって就寝は結局1時近くなってしまった。

 それでも一番若いのんちゃんがきっちり4時に起床。お腹空かないなんて言いつつ、皆しっかり朝食を食べてテント撤収後出発。心配した雨は降っていない。良かった。

左【ヤマオダマキ】

 のんちゃん先頭にゆっくり歩き出す。丁度良いイーブンペースだ。さすが花の百名山、人気の山だけに登山道はとても歩きやすい。登りは誰一人会うこともなく、静かな散策が楽しめた。やはり早朝登山に限るねと皆ご満悦だ。足下にはハルノタムラソウ?フタリシズカ、ホウチャクソウ?シロバナノヘビイチゴなどなどいろいろ咲いていた。上に行くほどにヤマオダマキ、グンナイフウロ、テガタチドリなど見られた。midoriさんは今や絶滅に瀕しているキバナノアツモリソウが今年は咲いたと聞き及び、一目見たいと双眼鏡を手にして一生懸命捜していた。しかし花の時期は終わったのか、やはりほとんど見られないのか、捜すことは残念ながらできなかった。

左【アヤメ平で】 

 アヤメ平に着いたとき、池の茶屋から登ってきたという人と初めて出会った。そこのアヤメはまだ咲き始めたばかりのようだったが、枯れているものが目につかず、どれも初々しく見えた。写真を写して貰い、満開だったという裸山の方へ先ずは向かった。

左【裸山のアヤメ】

 散策路がいくつか分かれており標識に書き込まれている所要時間が例えば41分とか、29分とか1分単位まで几帳面に書き込まれているのには、思わず皆笑ってしまった。何を基準に書かれたものかと話しながら、ほぼ平坦な道を行くとやがて2000pに到着。1999年に来たときは2000mと真新しい標識が立てられていたから、翌年2000年を意識したものかと思ったものだ。聞いていたとおり、アヤメが満開に咲いていた。

左【ギンラン】

 その辺りで雨が少し降り出した。それぞれに合羽や傘を出して整えてから、目の前の裸山へと登っていった。雨は長くは続かず、その後も時たまパラリと落ちる程度で幸いだった。途中ギンランを発見し、嬉しかった。キンランは何回か見ていたが、ギンランは久しぶりだった。アヤメもたくさん咲いており、ゆっくりと堪能できた。

左【木立に囲まれて】

 山頂もアヤメは満開で、ゆっくりと堪能。山頂は展望が良いというが、今回もガスって遠望はきかなかった。南アルプスなども望めるようだが残念。またコースを変えて挑戦してみよう。2000pに戻りそのまま櫛形山へ。樹林は見事で、なぜか深い森を思わせる。サルオガセが木々にぶら下がって、異様な風景に見えることもあり、今回のようなもやっている天気と静けさの中を一人では歩きたくないと思えるような雰囲気だ。

左【櫛形山山頂で】

 櫛形山まではアヤメも他のお花も数はグンと減る。一面マイヅルソウの葉が敷き詰められているところもあるが、お花はほとんど咲いていないか終わっているようだった。最後のひと登りで櫛形山山頂。展望はほとんど無い。しかしそこで休憩。お昼には早かったが、持参の手作りチーズケーキとコーヒーでくつろぐ。のんちゃん、ビールご馳走様。その間に池の茶屋から登ってくる人など、数名と行き合うようになった。ゆっくり休憩してから同ルートを多少コースを変えて戻った。

左【テガタチドリとウマノアシガタ】

 アヤメ平は散策路を周回しながら避難小屋のある方向へと向かったが、アヤメ平のアヤメはまだまだこれからもしばらくは楽しめる。クガイソウはまだこれからだったし、センジュガンピが見られなかったのも残念だったが、グンナイフウロ、テガタチドリ、ウマノアシガタなどきれいで充分楽しめた。お花を保護するため、どこもしっかりしたロープが張られていたが、それはしかたないのかもしれない。しかしそれでも中に踏み跡があるのはどうしたわけだろう。

左【グンナイフウロ】

 下山の前に、簡単な木のイスのあるところで休憩。10時過ぎでまだお腹は空いていなかったが、下で食べるよりはと思い、そこでお昼にした。少しずつ人が増え、下山にかかると登ってくる人に沢山すれ違う。平日とはいえ、さすがアヤメの時期だ。土日は間違いなく、ものすごい混みようだろう。

 下りも途中から平成峡遊歩道という別のルートから登山口に戻るよう回り道して行ったが、こちらから行く人は幾分少ないようだった。オオバコが幅をきかせてきている登山道で蛇に驚かされたりしたが、下りで滑らないよう注意しながらこの時は私が先頭でゆっくり下りていった。

 意外と長く感じだした頃、雨がまた降り出した。慌てて雨具を出すが、その後もずっと降り続くわけでは無かった。12時前には登山口に到着。駐車場は車でびっしりいっぱいだった。ザック等片づけ、出発13時。途中で温泉に寄ろうとしたが、当てにしていた標識が無く、またガソリンスタンドもなく、それならそれでいいか・・とそのまま南アルプスICへ。そういえば途中コンビニも無かったっけ。買い物など、昨夜は地元で済ませていって良かった。平日で時間帯も早かったため、高速は空いていた。談合坂SAで休憩し、軽く食事などしたにも関わらず、お陰で早めに帰り着くことが出来た。