上越・巻機山
(まきはたやま1967m)
見事な紅葉と展望に大満足!

 H14年10月5日(土)
  天気;晴
  Member.3人(CL三枝・常川・石原)

  【割引岳から巻機山の稜線全容】右

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

桜坂登山口5:55〜割引沢出合6:20〜(右の避難路へ)〜ヌクビ沢出合?〜行者の滝7:35〜稜線9:52-55〜割引岳(われめきだけ)10:2-10〜御機屋(おはたや)10:30-37〜本峰(1967m)10:50〜牛ヶ岳11:05-12:00〜御機屋(おはたや)12:25〜(井戸尾根へ)〜避難小屋12:40-45〜前巻機(ニセ巻機、9合目)13:00〜五合目14:30〜四合目14:40〜三合目15:05〜二合目15:13〜桜坂登山口15:15
(所要時間約9時間20分・・休憩含む)


 二ヶ月半(7月中頃)ほど前、仲間から秋に巻機山に行こうという企画が持ち上がった。沢とPHのどちらにするかということだったのでPHを希望し、その日の内に即参加表明した。前回(1999.8.29)巻機山に行ったときはガスのため期待していた展望に恵まれず、残念な思いをしていた。その時出会った長谷川氏から紅葉の巻機山もきれいだと聞いていたので、機会があればその時期にまた再訪したいとずっと思っていたのだ。願ってもない企画だった。しかし、具体的に話が進んだのはホンの半月前だった。そして何故か巻機山が金城山になってしまった・・・。「10/5の巻機山の時のハイクは金城山に行くことにいたしました」とメール連絡があったときは、変更?まさかね、5日に巻機山を登り、翌日金城山へハイキングに行くという意味だろうと軽く思っていた。しかしそのまさかであった。金城山も確かに行きたい山ではあったけれど、今回期待していた巻機山へ行けないとなると山行自体のモチベーションは否応なしに下がった。締切間際であったため、一旦はキャンセルを申し出た。しかし三枝さん達も巻機山を強く希望していたため、山行形態は沢(米子沢)・PH(金城山)・PH(巻機山)の3つのグループに分かれて実行されることとなった。

左【駐車場で】

 出発は前夜。環八は工事といつもの渋滞、関越は事故で一部通行止め、下りた一般道も工事渋滞で、思ったより時間がかかった。再び月夜野から関越に入り、谷川PAで各車合流した後、登山口へと向かった。到着は午前2時半頃。テント設営後打ち合わせなどして、就寝は既に3時。睡眠時間は2時間しかないが、私は結局眠れないままに5時起床。ほんの少し雨音あり。

 準備して予定通り、巻機山PHの私たちが一番先に出発した。ヘッデンはつけずに済む明るさになっており、雨粒はもう落ちてはこなかった。前夜の段階で割引沢はとりやめて避難路へ進み、ヌクビ沢から稜線へ出ることに決定していた。私が先頭を歩き、常川さん、三枝さんの順番で進む。

 登山口でリーダーの三枝さんが登山者カードに記入し投函。ゆっくり進む。25分ほどで割引沢出合になり、避難路コースへ。避難路は初めてだが普通の登山道で順調に高度を稼いでいく。時折左側下方に割引沢が見え、沢音が涼やかに響いてくる。そちらを歩いている人の姿も見える。割引沢コースは大変だったが楽しかったので、もう一度歩いてみたかった。が、それはまた次の機会にしよう。ここは気に入っているので、多分いつかまた訪れると思う・・・

 二番手の常川さんは三枝さんの友人で今回は全員が初対面であった。しかし人見知りすることなく、最初から皆に溶け込んで、特別気を遣うこともなく自然に歩けた。二人とも若い、体力には何ら問題はない。むしろ9月は週末いつも雨で久しく歩いていない年長の私自身がついていけるか心配だった。リーダーの進言で早めの休憩をとり、その後もその調子でいつもより一本の感覚は短かった。私自身全く寝ていないので、イマイチ体の動きが良くない。休憩したら少しでも目を閉じていたい誘惑にかられながら歩いていた。しかしバランスを失ったら危ない箇所ばかりで油断はできない。注意深く慎重にゆっくりと進んでいった。リーダーは皆の体調や疲労度を後ろから判断してサインを出してくれていたのだろう。早めの休憩のお陰で無理なく歩くことができ、体調をどうにか維持することが出来て良かった。

左【行者の滝】

 沢にぶつかり、記憶とは違うので、ここがヌクビ沢出合か判断が付かぬままに徒渉。赤い印にしたがって今度は右岸を登っていく。途端にトリカブトの花が沢山目についた。以前歩いた8月末はリンドウの花に随分と慰められたものだが今回はこのトリカブトであった。間もなく右手に沢が分岐しており、滝が見えてきた。ここで地図を確認。ここが行者の滝のようだ。するとヌクビ沢の出会いは避難路との合流点より少し下流になることになる。もし天狗尾根に行くとしたら、少し下流に戻らねばならないことになるが、その辺は未確認。

 少し休んだ後、そのままヌクビ沢を右へ左へと徒渉しながら登っていった。途中、前を歩く人がサンショウウオを発見。私たちも見に行った。茶色で小さい。言われなければ分からないような場所にジッとしていた。初めて見たと思う。日射しは強くなり暑くなってきた。既に上を脱いで一枚になったが長袖は暑かった。しかし沢筋から見上げる稜線と青空のコントラストは美しい。紅葉も始まっているがこの辺りは赤が少なかった。ようやく急登となって沢音が聞こえなくなると稜線は近い。見上げれば割引岳が目の前にはっきりと見え、苦しくてもこの時は期待感と嬉しさが入り交じる。

左【正面に越後三山】

 ふっと出た稜線、目の前にあの越後三山!くっきりとした展望ではなかったが、感無量。そう、この展望が見たかった。しばし、眺望。そしてそのまま割引岳へ。風もなく穏やかな気候で、ぐるりと見渡せる。来た甲斐があったと心から思った。以前はガスで見えないながらも歩いた稜線が一望出来、一度歩いているだけに巻機山の地形がよく理解できた。ここまでくればあとはなだらかな稜線ハイクを楽しむだけ。こうなると現金なもので、足取りも軽くなる。

 なだらかな稜線はクマザサや草紅葉で覆われ、紅葉はそれほど鮮やかではなかった。リンドウを一つだけ見つけ、まだ待ってくれていたのかとそれだけで嬉しい。単純なものだ。

左【御機屋で】

 御機屋は休憩している人が沢山いた。巻機山の名が刻まれているのでここで初めて三人で写真におさまる。沢グループのメンバーの姿は見えなかった。眼下に米子沢から避難小屋に向かっている人の姿や避難小屋で休憩している人の姿も見えたが確認できないままに牛ヶ岳へ向かった。途中朝日岳へ伸びる登山道分岐があり、その辺りが巻機山本峰。朝日岳、白毛門、谷川方面へと続く、その山並みを眺めながら休憩している人たちの前を通過し、分岐を分けて牛ヶ岳へと向かった。天気が良いとは何と気持ちの良いことだろう。お花はなかったが眺めは素晴らしかった。木道をとんとんと行き、牛ヶ岳三角点を通過してその先端まで行った。狭い場所にも関わらず人が大勢で混んでいたが、隙間を見つけて三人並んで座った。地図を広げると正面は行って来たばかりの割引岳とその右側に金城山が見えた。金城山パーティは果たして山頂に到着しているものか、地図を見ながらコースの見当をつけてみる。ふざけて手を振ってみた。お〜い、見えるか〜い・・・

左【正面に金城山】

 360度の展望は申し分なく満足させてくれた。来た甲斐があったと何回つぶやいたことだろう。そのたびに三枝さん、常川さんに笑われてしまったけれど。そしてその間、三枝さんがお湯を沸かして飲み物の用意をし大福餅を出してくれたり、常川さんが持参のキーウィを出してくれてご馳走になった。極楽じゃ〜!

 1時間近くゆっくりと休んだお陰で心とお腹は充分満足し、すっかり元気回復。12時近かったので、約束の無線をセットし、再び御機屋へと向けて出発。無線は12時から1時間毎に5分間交信する事になっていた。しかし、時間になっても入ってこない。こちらから発信してみたがやはり入ってこない。20分くらいアクセスを試みながら様子をみたが無応答なので、それぞれ山が壁になったところにいるのだろうとオフにした。

 御機屋へもどり、米子沢や避難小屋方面を眺めたが、沢パーティが確認できなかった。そのまま避難小屋へと向かって下りていった。あとから分かったことだが、実はこの時、沢パーティは私たちが今通過してきた本峰の近くにいたのだった。そうとは知らず私たちはしきりと下の方ばかり気にしながら下山。そして避難小屋でトイレ休憩。トイレは相変わらず汚いと三枝さんは言っていたが、私の印象は思ったよりきれいでしっかりしていた(以前は使用していない)。ここからは割引岳から本峰までが見渡せた。米子沢の方は紅葉がきれいだった。

左【井戸尾根の紅葉】

 この後ニセ巻機(前巻機、9合目)へ最後の登り。ここから下山すると紅葉はさらに素晴らしくなった。何回も立ち止まってはシャッターを押し、その美しさを堪能。沢パーティは先に行っているのかまだ後ろにいるのか分からないままに、歩いては立ち止まり、歩いては立ち止まりを繰り返していた。1時少し前にも無線を入れたが別のやりとりが入ってくるだけだった。

左【井戸尾根の紅葉、7合目で】

 7合目、6合目(展望台)と過ぎ、2時前に再び無線を入れた。すると間もなく沢パーティ、蒲原さんの声が入ってきた。少し聞きづらかったが、ほんの少し間をあけて呼び出すと、今度はきれいに入ってきた。彼等は7合目にいるという。金城山パーティは無線機を忘れたようだ。どうりで入らないわけだ。無線機は一番ベテランのしっかり者のミスに、一同和やかな笑いに包まれた。

 ようやく連絡がとれてホッとした。健脚な沢パーティだから、すぐに追いつかれるだろうと思っていたが、私たちが要所要所で休憩していたにも関わらず、なかなか姿は見えなかった。7合目、6合目、5合目と、かなり長く感じたが、その後の間隔はなぜか短い。滑りやすい土質で、もし雨が降ったりその直後だったらイヤな下りだ。お天気で幸いだった。

左【下山】

 4合目、3合目まで来れば桜坂の駐車場は近い。この駐車場が2合目となり、1合目は更にその下の部落の方になる。登山口で下山カードを投函し、駐車場へ。私たちが最初の到着だった。しばらくして沢パーティが下山、最後に金城山パーティが戻ってきた。

 全員揃ったところで今宵の宿、雲天へ移動。近くにありひとまずみんな汗を流してからビールで乾杯。一日のそれぞれの山行の話で盛り上がる。宿は古くからの建物を移築して再建したそうで、しっかりした造りだった。キノコや山菜などの郷土料理は幼い頃の故郷の味を思い出す。今どき珍しい。懐かしい気がした。もちろん美味しかった。ほのぼのとした気分になれる雰囲気だった。日本酒の好きな人にはたまらない銘酒八海山でみんな気分は上々。日本酒の飲めない私としては日本人に生まれながら・・と残念に思う。こういうときは、飲んで楽しんで酔ったが勝ちだね(^-^)。山の話に花が咲き、徐々に酩酊チラホラ。しかし今回お酒をあまり飲まない人が多く、意外にも7時頃にはお開き。すぐ寝る人、それぞれにまた話す人、いろいろあったが8時半にはみな床についたようだ。さすがに前夜の寝不足と山行の疲れで、隣の話し声をBGMにいつしか眠ってしまった。

 翌朝は女性三人で宿の飼い犬のふーちゃんと一緒に食事前のお散歩。立派なシェパード犬だが、老犬で、足はびっこをひいていた。後の三枝さんの調べでは元警察犬で、熊に襲われた親父さんを助けるため熊に噛みついたという経歴をもつそうだ。朝食を済ませてからチェックアウト。井口さんに案内していただいて、美味しいお酒と最高級のコシヒカリをそれぞれお土産に買い求め、そこで解散。蒲原車の私たちは法師温泉に寄って、名物のお蕎麦を食べてから帰路についた。4時半には帰宅。蒲原さん、運転お疲れ様、ありがとうございました。