北ア・三俣蓮華岳(ピークは未踏)
(みつまたれんげ2841.2m)
(クリック地図)
目的は黒部五郎岳だった。トシちゃんが先月で百名山完登したと思っていたら、実は一つ登り残していたことが判明。
三連休の今回行ったのだが大型台風13号が近づいて秋雨前線の風雨が強かったため登頂を断念。
ところが天気は回復し、後悔の残る無念の下山となった。
 H18年09月16-17日(土ー日)
  天気;初日晴のち雨、二日目雨のち晴
  Member.2人(夫婦)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 
16日:新穂高温泉5:45〜わさび平小屋7:10〜鏡平小屋10:40-11:30〜弓折乗越12:35-45〜双六小屋14:07-37〜双六岳分岐15:05〜(巻き道)〜三俣峠16:55〜三俣山荘(テント泊)17:30・・・所要時間11時間45分

17日:三俣山荘6:00〜三俣峠6:51-53〜鏡平小屋12:30-13:30〜新穂高温泉17:55・・・所要時間11時間55分
【↑ 三俣峠:ここが今回の最高地点】
 先月は天気に恵まれ、勢いで登ったトシちゃんの百名山行脚だった。槍ヶ岳に登った時の登山口、新穂高温泉に一ヵ月後こうしてまた来ることになるとは思わなかった。百名山完登の達成感を味わったのもつかの間、実は4年前の北アルプス大縦走で歩いていたはずの黒部五郎岳に、トシちゃんだけピークを踏んでいなかったのを思い出してしまったのだ。そこで今年のラストチャンスになるであろうこの三連休に登ることにしたのだが・・・

【↑ 新穂高温泉】
【一日目:9/16】

5:45
 新穂高温泉。5時に出発の予定だったが寝坊して遅れてしまった。

 ザック+ウエストバックの合計重量はトシちゃん19.8キロ、sanae19.3キロ。珍しく、トシちゃんの方が500グラム多い。かろうじて夫の面目を保つ・・・って、もっと持ってよ!今回はヘルスメーターを車にのせていったので出発時に計測、ゆえに正確(^-^;

【↑ 新穂高温泉より】
 天気は晴れ。山並みがきれいに見えている。

6:11
 長い林道歩きが始まる。

6:55
 懐かしい笠新道登山口。通過しその先で少し休憩。

7:10
 わさび平小屋。此処まで来て休憩する人が多かった。

7:35
 左俣林道から小池新道に向かうと、まだ雪渓が残っていた。今年は積雪が多かったからだろう。

7:45
 小池新道へ。さすが人気の登山道。よく整備され、歩きやすい。

8:28
 約一ヶ月振りのテント泊。その間高尾山にちょこっと行っただけでいきなり二泊三日の装備。しかも今回一日の行動が長丁場になるため歩けるか心配だった。ひたすら黒部五郎岳の山頂を目指すことに集中し、好きなお花の写真も殆ど撮らず眺めるだけで黙々とゆっくり歩いていく。


10:06
 秩父沢を過ぎると雨が降ってきた。予報より振り出すのが早い。小降りなので傘をさしていく。
10:40
 鏡池に到着。バックは笠ヶ岳方面。少し霞んできた。

10:42
 槍ヶ岳は残念ながら隠れ、当然池にも写っていない。

 これから向かう山並みはまだ見えている。

10:45-11:30
 鏡平小屋で大休憩。コンビニで買ってきたサンドイッチで昼食を済ませた。

 小屋の側にはオヤマリンドウ、ミヤマアキノキリンソウ。登りで写した数少ない花の写真。

11:30
 合羽を着用してから出発。

12:35-45
 弓折乗越。4年前の縦走の時は黒部五郎小舎から此処を通過して笠ヶ岳へと向かったのだった。従って鏡平は今回初めてだった。

 乗越から一登りして稜線へ。小さなアップダウンを繰り返しながら進んでいく。途中花見平、こんなところあったっけ?覚えていない。

 双六小屋はもう目の前。

14:07-37
 双六小屋に到着。時間的にはここで泊まるのが妥当だが、翌日の行程が厳しくなるため先に進むことにする。でもここで温かいぜんざいとコーヒーを注文。身体を温めてから出発することにした。

15:05
 双六岳分岐。もちろん巻道を行く。

 巻き道を歩いていると、反対方向から来る人と何人かすれ違った。互いに挨拶を交わしつつ、あとどれくらい?などと情報交換。

 平坦に思えた巻き道が下りに転じ、やがて緩やかな登りになってからが長く感じた。その頃はガスで先が見えなかったが、ロープが張られているので心配はない。

16:55
 ようやく三俣峠に到着。三俣蓮華岳山頂は左に登ればすぐだが、当然そのまま山荘へ。


 急いで足を滑らせないように注意して下りて行く。

 17:30、テント場に到着。まだ明るい内に急いでテント設営してから山荘へ。テント場一人500円。

 小屋のテレビで台風情報を確認。これから九州に進むが進路はコチラへ向かっている。九州の被害は既に大きい。秋雨前線も刺激され、この夜の風雨はかなり強かった。

【二日目:9/17】

3:15
 3時起床。夜中のすさまじい風と雨音で殆ど眠れなかった。雨は小止みになっていたが、トシちゃんは台風の接近で翌日下山時の沢の氾濫を気にしていた。天気次第で予定を一日延ばそうかと言いつつ、ひとまずテントを撤収し、5時に山荘へ。予備日があればこのまま黒部五郎岳へ向かいたかった。しかし予備日が一日で足りなかった場合や、山頂に向かっても天気が悪く展望がなければつまらないからなどという理由で、結局下山することに・・・

6:00
 5時には出発の予定だったが結局天気予報を見て6時に出発。この日の予報は雨のち曇り。山へは行けるが気になるのは翌日の天気。まだ大丈夫でしょうと思いつつ、確信が持てるわけでもなく、下りると言うトシちゃんを引き止める説得力も無い。今回の主役はあなた!ホントにいいんですか、下りちゃって・・・

 テン場から黒部五郎岳への分岐を通過してトシちゃんは登っていく。

6:51-53
 そして三俣峠。ここならまだ間に合う、黒部五郎岳へ行けるよ・・・喉まで出ているが、そのまま先に行こうとするトシちゃんを引き止めて「水が飲みたい」と言うにとどまる私。何度か言いかけようとしたが、「展望が無かったらつまらない」と言っていた言葉が耳についている。言い出したら聞かない頑固さがあるから下手に口に出来ない。私の言いたそうな気持ちを察してか、案の定さっさと通過、先へと歩いていってしまった。雨はもう止んでいる。

 ここから私の歩みは鈍くなった。せっかくここまできたのに・・・

 歩いているとガスが次第に晴れてきた。

 「ホラ、山が見えるよ」とトシちゃんの明るい声。

 「今からでも行こうよ」と私。

 「着く頃にはまたガスが出てるよ・・」とトシちゃん
 鷲羽岳、水晶岳もこんなにきれいに見えてきたのに・・・

 空だってホラ、こんなに青い・・・

 しばし足を止めて考えるトシちゃん。

 そして少しその気になったのに・・・

 少し行けば登る道があるから・・・と進んだら

9:00
 そこはもう巻き道と双六岳への分岐地点。

 「まだ時間はあるよ」とプッシュ。

 ここでの最後の決断は・・・

 その前に私がもう一度時間を確認するや・・・

 「遠い・・・」と言って、下りていってしまった。

 私はもう・・じわ〜っと、山も足元も見えなくなった。いったい何しに来たんだろう・・・お花の写真も撮らず、どこのピークも踏まず、ひたすら山頂目指したのに。

 双六小屋のベンチで少し休憩したあと、今度は振り切るように、私が先に歩き出す。

 途中振り返ると双六小屋の向こうに鷲羽岳と青空。

 どんどん先に行くトシちゃん。

ズームアップ
  :鷲羽岳と水晶岳、手前に双六小屋。

ズームアップ
  :槍ヶ岳と青空

 後ろ髪引かれた思いでなかなか足が進まない私を待っていたトシちゃん(槍ヶ岳と)。

 そこでメールを打つがここでは送信できず。この先の稜線で再度送信。オッケーだった。

 先へ行くトシちゃん。前方の笠ヶ岳方面はガスがかかっていた。

 なおもどんどん先に行くトシちゃん。やっぱり遅れ気味の私。

 この辺りからの西鎌尾根、槍ヶ岳の展望は素晴らしい。四年前は座ってゆっくり眺めたっけ。そのとき目の前を知り合いが通って、ビックリしたのを思い出す。

【槍ヶ岳から穂高への山並みと眼下に鏡平】

12:30-13:30
 鏡平に到着。

 今回出会った登山者のほとんどは小屋泊装備の軽量ザックだったが、テラスにテント泊装備のご夫婦がいらした。「テント泊の方が楽しいから背負える内はもうしばらく楽しもうと思って・・・」と明るく言いながら登っていった。同じように思っている人がいて嬉しくなる。私たちより少し年配だろうか?

 鏡平小屋のテラスで景色を眺めながら食事。二泊分の食料は重かったがここである程度消化。野菜炒めを作ったり、温かいスープやコーヒーを飲んだりしてのんびりした。これでいくらか軽くなった。

 小屋の人は台風に備えて雨戸を点検したり、テラスの椅子など飛ばされないようにしたり、忙しそうだった。

 沢の様子など聞くと、まず心配は要らないが、今年は雪が多かったので、降り方によっては土石流などの可能性も有り得るという。

 鏡池を通る頃は槍ヶ岳が再びガスで隠れていた。思い切りの悪い下山で時間がかかったが、ようやく花にも目を向ける気持ちの余裕ができた。

 明るい内に林道まで下りれば大丈夫だからと、時には花の写真を撮りながら下りていった。

 天候の心配は無いと判断してか、登ってくる人はけっこういた。良いなぁ・・・と思いながら見送った。

 シシウドガ原。一面のシシウドのお花畑に改めて驚く。登りではこれほどの広さとは思わなかった。ようやく笑顔・・・唯一のワンショット!

15:06
 沢の氾濫が心配だった・・・・

15:13
 秩父沢、台風がひどければここだってわからないから・・・と。

 秋の花、ミヤマアキノキリンソウがいっぱい。

16:00
 もうすぐ林道。ここまでくればもう安心。二日間の長丁場で足が痛くなった。林道に出ると少し雨。降ったりやんだりだった。

17:55
 どうにか明るい内に新穂高温泉に到着♪なぜか写真はトレペ(笑)

 日帰り温泉は駅前(16時まで)もひがくの湯(17時まで)も既に終わっていたので、ヘルシーランド奥飛騨たるまの湯へ。
ハクサンフウロ クルマユリ モミジカラマツ キヌガサソウ オオヒョウタンボク
花の写真は少ないが、他にもまだまだ咲き残っている花がたくさんあった。
ツルニンジン ミソガワソウ シナノオトギリ