八ヶ岳・三ツ頭〜権現岳〜西岳〜編笠山
 (みつがしら2580m〜ごんげんだけ2715m〜にしだけ2398m〜あみがさやま2523.7m)

 中央道から見える稜線を歩く


 H15年11/1-2(土日)
  天気;両日快晴
  Member.夫婦

  【朝:青年小屋より】右

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

一日目(11/1)
観音平7:45〜分岐8:23〜延命水8:40-45〜ヘリポート10:10〜木戸口公園10:30〜(休憩10:57-11:10〜三ツ頭山頂12:08-12:32〜権現岳13:30-40〜のろし場14:20〜青年小屋14:35(天幕)
(所要時間約6時間50分・・休憩含む)

二日目(11/2)
青年小屋6:40〜西岳7:24-8:30〜青年小屋(テント撤収)9:10-55〜編笠山10:22-55〜押手川11:55〜観音平12:55
(所要時間約6時間15分・・休憩、テント撤収時間含む)


 八ヶ岳でまだ登っていないピークやコースがまだいくつかある。そのうち三ツ頭と西岳、その両峰を目的に今回観音平から周回することにした。

 前夜はたまたま山仲間のKさんから捻挫のテーピングを教えて貰い、そのまま観音平へと向かった。夜中の12時頃到着。広い駐車場は数台が停まっているだけだった。きれいな星を眺め、車中泊。

一日目(11/1)

 6時半過ぎに起床。そのころには駐車場は満杯になりつつあった。タクシーに乗った人も次々にやってきた。当初の予定を逆回りに変更し、まだ歩いていない三ツ頭の方から先に行くことにした。天気は幸い良かったが、フリースを忘れてきていたので、車の中に置いてあった上着をとりあえず持って行くことにした。迂闊にも細かい忘れ物がいくつかあったが、致命的なものではなかったのでそのまま出発。

左【八ヶ岳神社?分岐】

 駐車場奥の登山口から進み、登山道沿いに下っていくと、先にシカらしき姿が見えた。登山道ははっきりしていたが、観音平のほとんどが編笠山へ向かっているらしく、こちらから行く人はこの時いなかった。涸れた沢を横切って、緩やかな階段を登っていく。平坦な道になると間もなく三ツ頭、権現岳への分岐標識が現れた。エアリアには分岐に八ヶ岳神社と書かれているが、周囲にそれらしき建造物も跡地も見あたらなかった。

左【気持ちの良い青空に包まれて】

 尾根沿いを登っていくが、周囲に落葉松の林が広がり、すでに落葉した木々の間からは澄み渡った青空が近くに感じられた。登っていけばすぐ尾根の稜線で見晴らしがいいのかと思ったが、しばらくはその状態が続く。林も空も気持ちがいいなぁと思っていたのが、登れども登れども変わらない風景に次第に飽きてうんざりしてくるのだった。

左【ヘリポートより富士山を望む】

 しかし既に動物の水場と化しているという延命水を過ぎ、ヘリポートに着いたとき、視界が広がって青空の中、富士山がくっきりと姿を現した。素晴らしい眺めだ。

左【やっと権現岳が見えてきた】

 日射しは強くなり、日だまりは暑く感じられた。目の前に編笠山や権現岳が目にはいると間もなく木戸口だ。眺めが良く、好天が何より嬉しい。見通しが良い分、風が冷たく感じられた。三ツ頭山頂までもう少しという所で夫が靴擦れ。慣れた靴なのにそんなこともあるのかと思いながら早めにキオシネテープで処置。昨夜Kさんから戴いたのが早速役立った。処置を終えて再び歩き出すと、今度は足が攣るという。夫のペースに合わせ、のんびり登っていく。

左【権現岳(左)、赤岳(右):三ツ頭山頂より】

 それでも正面に権現岳を見ながら三ツ頭山頂に到着。先客が二人いた。冷たい風を避けて座り、その猛々しい男性的な山を眺めながら昼食。編笠山側からとはまた違った権現岳の姿だ。右隣の八ヶ岳最高峰、赤岳を圧倒するほどの迫力を感じる。三ツ頭とはその権現の姿を指してつけた名前だろうか。よく見るとこちらから登っている人が数名いた。誰もいない静かな登山道と思っていたが、私達より早く登っている人たちだった。

左【三ツ頭と富士山:権現岳の登りで】

 一休みしていくらか元気の出た夫の後について、再び歩き出した。一度下がって登り直すが、振り返ればいつのまにかさっきの三ツ頭より上にきていた。そして、三ツ頭の丁度上あたりに富士山の姿が見えてくる。観音平から登ってきた三ツ頭までのなだらかな稜線も一望でき、このコースが多くは下りに用いられているのが分かるような気がした。

左【権現岳山頂で】

 権現岳山頂は編笠山から登った時と、印象が違った。山頂から辺りを眺めて、やっと同じ展望に辿り着けた感じだった。石だらけの頂には学生が大勢いて歌っていたが、校歌のようだった。彼等が下りて、静かになった山頂で写真を撮り、足場の悪いそこを後にした。いつかここから赤岳へも行ってみたいがこの権現ー赤岳間はまだ歩いたことがない。権現小屋ではさっきの学生達が休んでいて賑やかだった。 少し休もうと思ったが、山頂で一服していた夫はさっさと先に行ってしまった。仕方なくついていく・・

 間もなくやってきた早足の学生と後からゆっくり続く学生の間に入って、見慣れた八ヶ岳の山並みを眺めながら、気をつけて岩稜帯をいった。雪の時期はちょっと怖そうだ。ピークを捲きながらものろし場に寄り、もう一度ぐるりと風景を眺めてから一気に青年小屋(テン場)へと向かった。

左【青年小屋テン場で】

 テン場には既にいくつか設営してあった。テン場代は一人500円。水場は西岳方面に4,5分行くとあり、乙女の水と書かれている。水量は充分。西岳と編笠山は翌日行くことにして、テント設営後、早めに夕食。6時にはシュラフに潜り込んだ。夫は早くも眠りかけていたが、私は記録のメモをつけ始めた。この時、隣から聞き覚えのある固有名詞が聞こえてきて、一瞬耳を傾けた。すると呼ぶ名前にも覚えがあり、それは知っている人たちだと確信。起きあがってテントから顔を出したが既に周囲は暗く、顔がはっきり見えない。その隣のテントは私達が到着したとき既に設営されており、靴の大きさから男性二人だと分かっていた。ちょっと躊躇ったが声をかけるとやはり思った通りのお二人だった。互いにびっくり。夫とテントにお邪魔し、久しぶりに歓談。それにしても、こんなこともあるのだと、いまだに驚いている。

二日目(11/2)

左【西岳山頂より南アを望む】

 翌朝はのんびり起床。軽く朝食を済ませ、隣のテントの知り合いと挨拶をしてからナップザック一つで西岳へ向かった。この源治新道も他に歩く人がなく静かで気持ちよかった。緩やかなアップダウンを越えて山頂に立つと、南アルプスが大きく正面に見える。編笠山の右脇に富士山、南アルプスの右後方に中央アルプス・御嶽山・乗鞍・北アルプスときれいに見えていた。槍の穂先もしっかり見えて、二人だけではもったいないような静かな山頂だった。この時、それぞれの山頂から同じ感動を味わっている人が沢山いたことだろう。

 長いこと見飽きぬ展望を楽しみ、そろそろ戻ろうかと思っていたとき、単独男性がやはり青年小屋(天幕)からやってきた。ここで夏の悪天候を互いに思い出しつつ、この日の快晴を喜び合うという共通項の話題にまたしばし時を過ごした。

左【編笠山への岩場、眼下に青年小屋】

 青年小屋テン場にもどるとテントを撤収し、編笠山へと向かった。岩場を通り抜け、低木の登山道を登っていく。この時すでに編笠山からの下山者数名とすれ違っていた。この時突然「HPを公開してますよね?」と聞かれた。「はい」と頷くと「拝見しています」と言われ、目が点になるような驚きだった。名古屋の方だったが、狭い山道で後続者がいたためゆっくりお話する事も出来なかった。もう少しお話したかったが残念だった。山でこのように言われたのは初めてで、驚きと同時に嬉しいものであった。(またご覧戴いていましたら、遅ればせながら今後ともどうぞよろしくお願い致します。)

左【編笠山山頂で、バックは権現岳】

 山頂は既に大勢の登山者で賑わっていた。快晴で360度の素晴らしい展望。この山はいつもついている。冷たい風を避け、岩場の隙間に座った。ここでも西岳同様、飽くことなく楽しんだ。ここから眺める西岳がこの日は特に目につく。あらためて権現岳を眺めると、三ツ頭からの眺めとはやはり随分違う。各アルプスや端正な富士山の姿も良いが、昨日から歩いた稜線を一望できるのも嬉しい。

左【編笠山下りで】

 充分堪能して下山。途中の展望場で富士山、鳳凰三山をしばし眺めてからは一気に下っていった。駐車場に着くと、観光バスを含めいっぱいだった。駐車場を後にしても路肩には駐車の長い列が並んでいた。R20沿いのレストランで食事をしていると、そこからは意外にも今回歩いた山全てが眺められた。心嬉しいものであった。

 温泉は「つたの湯」:R20添いの道の駅「信州蔦木宿」にあり、大人500円。小淵沢ICから約4.5キロ。AM10:00-PM10:00(受付PM9:30まで)。大浴場、薬湯、ジャグジー、サウナ、露天風呂あり。シャンプー、ボディシャンプー、ドライヤー等もあり。

 温泉に入った後、尾白川渓谷の白州観光キャンプ場尾白(0551-35-3655)に向かった。そこは甲斐駒が岳、黒戸尾根の登山口でもあり、駐車場もある。側の売店でキャンプサイトを申し込むと、車で奥のキャンプ場に入れるが、道は緊張するほど狭い。一台通るのがやっと。対向車がきたらどちらかがバックせざるを得ないので要注意。テントサイトは一人800円。車乗り入れは1台1000円。直火OKなのが嬉しい。久々のキャンプファイヤーを楽しみながらのキャンプだった。夕飯のメニューは赤ワインを飲みながら、定番の鉄板焼き(フライパン焼き)とおみそ汁、そして直火に投げ込んだ焼き芋♪など。食料はR20から渓谷への曲がり角にある、「道の駅はくしゅう」と、そばにある大きなスーパーで調達できる。観光情報はここで入手できるので、是非立ち寄ると良い。