軽井沢方面・村上山(むらかみやま1746.2m)

 娘のスノボーにつきあって近くの山を散策
 落葉松と熊笹の気持の良い道
 四阿山、草津白根山、浅間山など展望良好!

 H16年12月5日(日)
  天気;雨のち晴、時々曇ったり降ったり
  Member.2人(夫婦)

右写真【村上山:鹿沢スキー場方面より】


 【コ ー ス 】(〜は歩、休憩時間含む)

上越道小諸IC===休暇村鹿沢駐車場9:45〜村上山山頂11:00-30〜湿原散策11:40-45〜休暇村鹿沢駐車場12:20===上越道小諸IC
(所要歩程時間約2時間35分くらい・・休憩含む)


 娘のスノボーにつきあって出かけていった。折しも前夜から明け方にかけて暴風雨のような天候。4時半に起きるもイマイチ気が乗らない。予報は雨のち晴、気温は高くなるという。ゲレンデの状態はけっして良くないだろう。しかし行ってみないことには分からない。行くだけ行ってみようか、と気を取り直して起き出した。

 5時半近くに自宅を出発。三人とも3時間ほどしか寝ていないが吹き荒れる外の風景に目は冴えていた。車中では専ら娘の話に耳を傾ける。子供というものはいくつになっても心配が絶えないが、その話しぶりに会社での一生懸命さが伝わってくる。

左【虹:関越道で】

 関越を走っていると空が少しずつ明るくなり、前方に虹があらわれた。地平線上にかかる大きな半円。カメラにはおさまらないほどだった。あんなに堂々とした虹は初めてかもしれない!これを見ただけで出かけてきた甲斐があったと三人とも大喜び。雨なら温泉にでも入ってこようと話していたのだが、思ったより早く回復して良かった。

左【鹿沢ハイランドスキー場】

 関越から上越道に入り、小諸ICでおりた。ひとまず4日にオープンしたばかりの湯ノ丸スキー場に行ってみた。案の定昨夜の雨と暖かい陽気で、スキー場ではゲレンデ整備に追われていた。ゲレンデといっても一ヶ所だけで、そこだけが白。周りはまだ雪など全く積もっていない。一方うちの娘のように気の早い若いグループがかなり来ている。その先の鹿沢スキー場も周りの山の風景は同様だが少し早くからオープンしているだけあって、ゲレンデの距離はもう少し長かった。山歩きのように一年中楽しめるスポーツではないだけに、待ちかねたように大勢押し寄せている。

左【スキー場から見た村上山】

 娘を鹿沢スキー場でおろし、3時間ほど滑るという娘を待つ間に歩ける山は・・・と、地図を見ながら辺りを見回した。一番手っ取り早いのはゲレンデのある鍋蓋山だが、あまりに人目について味気ない。道路をはさんで反対側にある村上山を歩いてみることにした。

左【もしも〜し・・・】

 休暇村鹿沢の駐車場に車を置いて支度をしてから突き当たりの階段の方へ歩き出す。階段の上に村上山登山口と書かれた木の杭があった。コースタイムは1時間とかからないようだが歩き始めて間もなく携帯が鳴った。スキー場のあるところはさすがに繋がりやすい。早くも娘からかと思ったら母からで、立ち止まってしばらく話す。母の声はよく聞こえたが、私の声は少しでも動くと聞き取りにくいようだった。

左【熊笹と落葉松】

 通話を終え、先に行っている夫の後を追った。少し先に村上山の説明書きがあり夫はそれを読んでいた。そこには「およそ30万年前の噴火によって誕生したといわれる溶岩ドーム(火口から吹き出した粘り気の強い溶岩が、山頂付近にドーム状の丘を形成したもの)です。カラマツの人工林や、ゴヨウマツの自然林の中をおよそ2km登っていくと、標高1746mの頂上に着きます。頂上からは、北には四阿山や白根山、南東には浅間山など、日本を代表する名峰を一望することができます。」と書かれてあった。熊笹と落葉した落葉松の林に続く登山道は緩やかに整備され歩きやすかった。秋の黄金色はさぞや見事だっただろう。新緑の頃も楽しめるに違いない。ゆっくり歩いていると息が乱れることもなく歩け、余裕で話しながら歩くことができた。再び携帯が鳴った。今度はスキー場にいる娘からだった。混雑している様子を伝えてくる。狭いゲレンデにスキーとスノボー、上手い人、座り込んでいる人がひしめき合って滑りにくいらしい。今シーズン初めてなので気も遣っているのだろうが、それなりに楽しんでいるようだ。

 再び夫の仕事の話を聞きながら歩き出す。山では仕事の話しも暗黙の内に御法度の一つなのだが、この日の夫は何故か能弁だ。「緩やかな登山道でも話しながら(歩くの)はきついよ」と言うが、楽しくもない話を聞きながらというのもきつい。山では世間の柵(しがらみ)から逃れたい。ささやかな願望だ。山から下りたら向き合うしかないが・・・

左【振り返ると浅間山が見える】

 登り切れば山頂だと思えたややきつい登りを行くと平坦な登山道になり、その先に山頂方面が見えた。そしてその下部にしっかりした東屋が見える。その辺りでパラパラと雨が降り出した。合羽を着るほどでもないので傘だけさす。振り返ると目の前に大きく浅間山が見えたが、雲で山頂部は隠れていた。晴天ならば吐く煙が身近に見えるのだろう。

左【村上山山頂では青空】

 東屋の側に湿原があるが先ずは山頂へ。人と出会うことはないだろうと思っていたら途中でご夫婦だろうか、下りてくるお二人に会った。「山頂は素晴らしい展望ですよ」と嬉しい挨拶。雨が降り出してきたので急いで下りてきたそうだ。誰もいない山頂は狭かったがベンチが一つあり、なるほど展望が良い。眼下に嬬恋村の田園風景、その周囲に四阿山から草津白根山、尾瀬や赤城山方面、浅間山など一望できる。

左【田代湖からのびた虹】

 雲がかかって山頂部分は見えなかったが再び虹があらわれ、雲の流れの合間に草津白根山が姿を現したりした。虹に気付いたかなと思いつつ山頂から娘に電話すると写真をこちらに送ろうとしたところだったらしい。どこの山でもという訳にはいかないが、こうして山にいながら一瞬のうちに声もメールも写真も届く。今さらながら便利な世の中だ。

 温かい紅茶とお菓子をつまみながら30分ほど展望を楽しんだが、止んでいた雨が再び降り出し下山することにした。東屋まで戻ったとき娘からメールが入り、屋根の下に入って返信メールをうつ。この東屋のところから湿原と書かれた矢印があり、当然通過するだろうと思っていたら、珍しく夫が行ってみようかと歩き出した。この時期咲いているものなど無かったが、この日の山行は短かったので行ってみる気になったのだろう。木道は落葉松の落ち葉などで埋まり、所々打ち付けた鉄の杭が出ているので転ばないよう注意して歩く。ぐるりと一周して再び東屋に戻るようになっており、5分ほどで回れてしまう。どんなお花が咲くのか分からないが、春から夏にかけて楽しめるのだろう。そういえば登ってくる間、登山道にはイワカガミらしい葉がたくさんあったっけ。

 同ルートの下山はコースタイム25分とエアリアマップには書いてあったが、もっと時間がかかってしまった。登山口の説明書きに登り60分、下り40分と書かれていたが、それが妥当だろう。25分でも行けそうな短いコースだが、静かな落葉松林をのんびりと歩くのも良いものだ。

左【四阿山:スキー場より】

 下山後娘のいる鹿沢スキー場に戻り、そこで昼食を済ませてから帰路についた。近くには鹿沢温泉があり楽しみにしていたのだが、翌日に備え早く帰宅したかったので今回は止めることにした。