丹沢・鍋割山〜塔ノ岳
 (なべわりやま1272.5mーとうのだけ1490.9m)

 2004年初歩きは娘と鍋焼きうどん!
 快晴で富士山は全景が見え南アルプスもバッチリ!

 H16年1月16日(金)
  天気;晴
  
Member.2人(娘と)

右写真【富士山:鍋割山山頂より】


 【コ ー ス 】(〜は歩、休憩時間含む)

二俣6:35〜後沢乗越7:30〜鍋割山山頂8:35-10:05〜塔ノ岳山頂11:20-40〜堀山の家12:50〜二俣13:40
(所要時間約7時間05分・・休憩含む)


 週末は天気が崩れるというので思い切って娘と今年最初の山歩きを楽しんできた。昨年末からそれらしい歩きをしていなかったので、体力的にやや不安ではあったが、天気に恵まれ初歩き早々見事な秀麗冨士を眺めることが出来、久々に気持の良い山歩きだった。

 5時頃家を出て、車で二俣まで入った。大倉から二俣までは細い道なので大倉に置いていきたかったが、娘が夕方出かける用事があったことと、夫も夕方は車を使うというので、時間短縮。幸い平日だったこともあり、到着時二俣に車は停まっていなかった。下山時でも全部で5台ほどだった。

 今回の目的は娘に鍋割山荘のおいしい鍋焼きうどんを食べさせてあげること。お昼には時間が早いから塔ノ岳の方から先に行きたかったのだが、娘の用事で帰り時間が決まっているため、先に目的の鍋割山へ行くことにした。ところがトコトコ歩き始めて間もなく、後ろから車がやってきた。ん?あっ!山荘の草野さんだ!あらぁ・・・うどんは無理かしら・・・と思いつつも歩きながら車を見送る。すぐに見えなくなった。

 やがて車から荷をおろしている草野さんの車が見えてきた。停まっているところは水の入っているペットボトルの置いてある所だ。車はここまでで、荷揚げの荷物はここから草野さん自らボッカ。その量と重さは半端ではない。私達はせめてもと、ペットボトル2本(4リットル)ずつ今回も持ち上げることにした。「おうどんは今日は無理ですよねぇ・・・」とあきらめ顔に言ってみたが、「大丈夫ですよ、ゆっくり登っていてください」と返ってきた。私こそ歩いてない上に運動不足でちゃんと歩けるか分からない。ポチポチ先に歩き出した。

左【鍋割山へ】

 ところが娘のペースが早い。最初の内は私を待ち、写真を撮ってくれたりしていたが、そのうち先に行ってしまった。娘は毎日歩いたり運動したりしているからイヤに身が軽い。「お母さんは運動しようとしないから」と批判される始末(^-^;。それでも娘は娘なりに、母は母なりに登っていく。

左【木々の間から富士山が見えてきた】

 鍋割山の良いところは落葉樹が多いことだ。四季折々の美しさがある。今は葉が全部落ちて空の青さ、周囲の山々の姿がよく見える。気持の良い日だまりハイクが楽しめる。登るほどに真っ白な富士山の頭が見えてきて、今日はラッキーと思った。草野さんより先に山頂に着いても充分楽しんでいられる。が、下の方で既に声がしている。やはりあんなに沢山の荷物でもペースは早いのだ、すごいと思いつつ登っていった。

左【新しいトイレ】

 ようやく着いた山頂。真っ先に以前からあるソーラーが目にはいるが、やはり目で追ってすぐ分かったのは新しく出来たトイレだった。一昨日(14日)の新聞に、環境配慮型の山岳トイレが新設されたと載っていたばかりだった。土壌の微生物がし尿を分解・浄化して再利用する循環方式なのだそうだ(1/14付け朝日新聞より)。すでに塔ノ岳にも設置されていて、利用させて貰ったが、ここでも早速入ってみた。まだ木の香りが強く残っていて明るくとても素敵なトイレだった。ペーパー付きで一回50円のチップ式。使用済みペーパーは各自持ち帰りの協力を求めている。「シマッタ!ポリ袋を持ってない」と思ったらそのポリ袋まで用意されていた。こういうものでも持ち上げるのは大変だろう。なるべくポリ袋もペーパーも自前で持っていくようにしたい。

左【娘と♪】

 久々に見る山頂からの秀麗冨士だった。何枚も写真を撮る。娘は携帯でも富士山を写して、父親にメールで送っていた。気がつかないといけないからと、わざわざ家に電話までして。なのに返信をできないメールオンチの父であった。裾野まで全てをきれいに見せてくれている富士山に出会うのは久しぶりだった。それを娘に言うと「私のお陰よ(晴れ女だから)」と得意顔でのたまう。すると昨年なかなか見られなかったのは夫のせい?夫が一生懸命働いているときにそんなことをふと思い浮かべる妻である。

 明日から天気は崩れるという予報だったから思い立って来てみたのだが、展望はすこぶるよく、富士山だけでなく、南アルプスもきれいに見えていた。設置されている山の展望図で確認しながら一つ一つ眺めていった。相模湾もキラキラして天城山系も箱根の山々・金時山らしき山も、愛鷹山系も望めた。

左【荷揚げの草野さん】

 そうこうしているうちに草野さんが到着。鍋割には何回か来ているが、膨大な量を背負ったその姿を実際に拝見するのは初めてだった。圧倒される。重量は50キロを超えているという。華奢な体格に見えるのにそのエネルギーはどこからくるのだろう。その荷物の多さの様子だけでもと思って「写真を撮らせて貰って良いですか?」と遠慮がちに尋ねてみたら、なんと一度下ろした荷物をまた背負ってくれるではないか。その気持ちの優しさに申し訳ないやら嬉しいやらだった(草野さん申し訳ありませんでした。恐縮してます)。

左【美味しい!】

 早速作って戴いた鍋焼きうどんを娘は初めて食べるわけだが、熱い土鍋に具だくさんで「わぁ、きのこがいっぱい。あっ、カボチャが入ってる、レンコンが入ってる・・・と、ひとつひとつ感激の声を出していた。山荘の中の温度計は氷点下2度を指していると草野さんに教えて貰い、外の方が暖かいかもと言われたが、やはり土鍋の熱さが有り難かった。

左【鍋割山から出発】

 鍋焼きうどんも秀麗冨士も充分堪能し、時間的に塔ノ岳にも行けそうだが、あとは娘の気分次第。娘は靴擦れしていた。とりあえずバンドエイドで応急処置し、履いてきた靴に合うよう私の予備の靴下に履き替えた。いくらか調子は良いようなので歩きながら様子を見ることにし、塔ノ岳方面へ歩き出す。その頃には富士山の裾野の方に、雲がかかり始めていた。

左【所々に残っている雪】

 山頂周辺には少し雪があった。下りはやや滑り易そうではあったがアイゼンを出すほどではなかった。ストックを早く出せば良かったがつい出しそびれそのまま軽いアップダウンを繰り返す。落葉した木の間からは塔ノ岳山頂の尊仏山荘が見えるので、それを娘に教えた。娘の靴擦れの様子によっては小丸の二俣分岐で下山になるかと思ったが、大丈夫そうなのでそのまま塔ノ岳へ。優しい娘は母の気持ちを察して行ってくれたのかも知れない。

左【「あっ!鹿!」と娘の声】

 途中で鹿一家にも遭遇。「鹿の白いお尻が可愛い」と娘。雪は塔に近づくほどに消えていった。鍋割山に近い方が残っているようだ。この週末辺りはまた積もるのではないだろうか。

左【塔ノ岳からの冨士は・・】

 金冷シからの最後の登りは相変わらずきついがここも娘は軽やかにトントンと登って行ってしまう。若さっていいなと思う。山頂を見上げると真っ青な空に白いすじ雲が浮いている。予報通り崩れそうだが、青さがとてもきれいだ。山頂からの富士山は下の方に雲がかかり、既に上半分しか見えていなかった。それでも塔ノ岳から富士山を眺めるのは久しぶりだ。いつも雲の中に隠れてしまっている事が多かった。平日だから人は少ないが、平日にしては多いとも思えた。週末の天気予報が良くなかったため、急遽この日登ってきたという人も何人かいた。考えることは同じだ。

左【塔ノ岳山頂を振り返る】

 山頂で温かいコーヒーを飲みながら、丹沢山系をぐるりと見回して一息ついてから下山。ここでストックを出した。花立、堀山の家を経て二俣へ下る。階段が多いし元々下りが苦手の娘は辟易していたが、雪が全く残っていなかったのは幸いだった。

 堀山の家から二俣の間は植林で展望もなく面白くないコースだが、人の少ないのがいい。根っこの多さに最初は戸惑っていた娘も次第に慣れてきたようだった。ようやく沢に下り、ホンの少しだけ登りがあるが、この時はさすがに靴擦れのかかとが痛かったようだった。登り切って捲けば二俣は近い。

 久しぶりの歩きは好天で展望に恵まれ気持ちよかった。娘に感謝。