丹沢; 鍋割山
(なべわりやま)

桜満開!若葉萌え出づる山並み


 H10年4月22日(水) 天気.快晴 ;  Member.3人(青木,山上,石原)

【鍋割山山頂で】
 (山上、青木、石原)

大倉8:50〜二俣9:30ー10:00〜後沢乗越11:10ー25〜鍋割山頂12:30ー13:35〜花立(金冷し)14:30〜花立山荘14:45ー15:00〜大倉16:40

 久しぶりに青木さんから声が掛かり、それではと山上さんにもお誘いをかけた。

 小田急渋沢駅で待ち合わせ、そのまま車で大倉へ。バス停終点の大倉は、大変身していて驚いた。駐車場はきれいに整備され広々と用意されていた。土日祭日のみ普通車520円。平日は無料だ。まだ少し工事中の所が残っていたが、トイレも既に出来上がっていた。宿舎や大きな橋も真新しく、その先にはクライミング練習場が見えていた。我々三人は大きな驚きを隠せず、「これは素晴らしい」と言いながら鍋割山へ出発。

 どこかで家畜を飼っているのだろう、しばらくは強烈な匂いのする道を歩いて行く。畑には園芸用の花が栽培され、一面のお花畑だ。畦にはタンポポがいっぱいで可愛い。

 大倉から二俣までの林道歩きは長い。脇を通り抜けて行く車がうらめしいが、側の樹林には[自然に優しく]と札が掛かっている。車を離れた場所に置いてきた分、歩く楽しみが増える事を思えば一石二鳥か。たくさんのタチツボスミレと久しぶりにヤマルリソウにもお目にかかった。

 しかし今回は予想外の出来ごとがひとつあった。頭上をヘリコプターがブンブン飛んでいる。材木伐採後の運搬をしているのだ。ワイヤーで丸太を吊るして弧を描いている下を歩いて行くものだから、とても落ち着かない。でも爆音を轟かせながら空中に浮かんでいる姿や木を下ろす所、吊り上げる所など、まき散らす風にあおられながら、間近に見れて面白かった。

 いつしかヘリコプターの作業する場所よりも高い場所に来たと思ったら後沢乗越だった。いつもならグングン歩いて行く青木さんだが、今日は約半年振りの山行とあって、ここで一休み。西に鍋割から続く雨山、檜岳の稜線、来た道を振り返れば見事な新緑の樹林帯だ。この若い息吹の初々しさをいったいどう表現したら良いのだろう。ただただ黙って見入るばかり。

 さぁ、これからがきつくなるぞと歩き始める。山頂まで約1時間。途中ミツバツツジが何本も咲いていた。早いなと感じたが、例年はどうなのだろうか。葉を一枚もつけずに咲いている濃いピンクの花は浮き上がってとても美しい。

 途中若い女の子のグループに先を譲って山頂に着くと平日にもかかわらず、いくつかのグループが陣取っていた。私は以前ここの鍋割小屋で買ったネーム入りのシャツを着てきたが、小屋はやっぱり開いていなかった。それぞれのコンロでラーメンやうどんを作って昼食にする。天気は快晴、とても暑かったが、目の前の富士山は薄ぼんやりと姿を現していた。ここからの富士山はそれはそれは見事なのだが、曇りと言う天気予報を思えば今日もラッキーと言える。

 満腹になった私達は塔の岳方面へと向かう。この山は自然味が溢れていて気持ちの良い山域だが、塔の岳へと向かう稜線はとても清清しい。鍋割の頭でやや日照時間が少ない為か、まだこの辺りは芽吹きが遅い。樹間からは丹沢の山並が望め、涼やかな風が渡って来る。何より感激したのは桜だった。狙って山へ来ても満開の桜にぴったり焦点が合わせられる事は割合少ない。しかしここは予想をしていなかっただけに、次々現れる満開の山桜の見事さに、歓声の連続だった。

 時間的に遅かった事もあるが、かなり人工的になってしまった塔の岳に行く魅力は薄れていたため、花立から下る事にした。ここもかなり人の手が入れられた階段を覚悟して。人気の高い山の宿命なのだろう。登山道が広がり過ぎ、流失する山土や植物を保護する為、ネットを張ったり竹を組んであった。増え過ぎた人と鹿の為、やむを得ないのだろう。

 通称馬鹿尾根をのんびり歩き、大倉に着いたのは4時40分。冷たいビールで咽をうるおす。次は温泉と、車を走らせ鶴巻温泉へ。温泉だけ入れるみゆき旅館(千円也)で汗を流し、帰路に着く。

“山友の訪れしこと喜びて山桜咲く鍋割山に”