沼津 ;  沼津アルプス縦走
(ぬまづあるぷす)

低山ながらちょっと手強い!


 H9.1.31(金) 当日発 ; Member.計2名

日吉駅6:25頃〜横浜駅6:59発〜(大船駅7:15)〜
沼津駅8:44着8:55発東海バス(木ノ宮循環)〜香貫台入口9:15〜
鞍部9:48〜徳倉山9:53〜志下山11:00-12:15〜小鷲頭山1:00〜
鷲頭山1:15-45〜多比峠2:20〜大平山2:30〜多比峠2:43〜
多比バス停3:18発〜沼津駅3:40頃


 山上さんのプランで沼津アルプスへ。最高峰が400m足らずという低山の連なりだ。しかし、全部合わせれば、千メートルの山を登ったのと同じだと言われて、楽しみに出掛けていった。

 沼津の駅を降りて、バス停を捜し、東海バスの木ノ宮循環というのに乗った。間もなく運転士さんがやってきて、いきなり「みかん食べますか」と乗客二人だけの私達に一つづつくれたのだ。なんて人情味のある所なのだろうと、思わず感激。バスにラジオがついているのも珍しい。なんてローカルな雰囲気なのだろう。バスを降りたときもブオーンとクラクションを鳴らし軽く敬礼をしながら去っていった。

 バス停から登山口に向けて歩き出すと、おじいさんが「二人で登るのかね」と声をかけてくる。「危ないですか」と山上さんが不安そうに聞くと「心配入らないよ」と明るい返事。きっと訪れる人に声をかけるのが楽しみなのだろう。都会では考えられないほど気さくだ。

 鎌倉アルプスへ行くときのような高級住宅街といった感じの所を通っていくと、細い登り口が目立たない場所にある。ちょっと注意が必要かも知れない。

 また、おじいさんが何やら山から採ってきたらしく抱えて下りてきた。心配性の山上さんは「大丈夫ですか」とまた尋ねている。頷いて心配ないというおじいさんの言葉に安心して、再び登っていった。

 約30分で鞍部についた。取り合えず徳倉山までピストンだが5分ほどだろうということで、荷物も下ろさずそのまま登っていった。この登りが思ったよりきつい。さすがアルプスと笑ってしまった。

 山頂は広々として見晴らしがよい。今日は残念ながら富士が見えなかったが、晴天だったら目の前に見える愛鷹連峰の後ろに立派な山容を見せてくれたことだろう。
一年前より伐採されていて、視界がよいと、山上さんは驚いていた。

 休んでいると香貫山方面から男性が一人登ってきた。「甘く見ていたらきつかった」と汗をかきながら同じ感想を言う。トレーニングには良い場所なのだそうだ。

 徳倉山を後に再び鞍部に戻り、先へ行く。しばらくはなだらかな尾根伝いでのんびりした山歩きを楽しむ。「雪のない山を歩くのは久しぶりだわ」と言うと「大きく出たわね」と山上さんが応えて大笑い。まったく…。

 「石原さんに見せたい場所がある」と言っていた山上さんが「ここよ」と言って立ち止まったのが千金岩と書かれたところ。駿河湾が一望できるところだ。海と、山と、漁村が、とてもいい感じに広がっている。忘れていた風景をふと思い出させてくれた。なくなってはならない日本の景色だ。

 志下坂峠を通り抜け、志下山の山頂でお昼にすることにした。うどんとラーメンを分け合い、この前おぼえた、山頂で甘酒を作るという隠れ技を披露。やはりこれは最高だ。とても体が温まる。そして山上さん手製のドリップコーヒーも欠かせない。

 最高峰鷲頭山への登りは、徳倉山から見た印象のまま、きついだろうなと思っていた。ところが息をきらしながらも、しゃべりながら登っていたら知らぬ間に山頂に着いてしまった。

 山頂で同年輩くらいの女性二人と会い、ここで、駅前に美味しいお寿司やさんがあるという情報を入手。温泉に行こうかと話していた私達は迷うことなくそちらに変更。彼女らはそのまま下山したが、私達は多比口峠にザックを置いて、空身で大平山をピストン。見晴らしは良くなかったが、歩いたぞ!登ったぞ!という満足感が残る。

 後は下山するだけ。下に行くほどみかん畑が現れ、思いがけなく、先行していたさっきの女性二人がみかんを仕入れているところでおいついた。「お先に」と先にバス停へ向かった私達は、運良くすぐきたバスに乗れて沼津へ。美味しいお寿司を食べて帰路についた。

”干し魚と梅の香のせて潮風ははにかむ少女にやさしく吹けり”
”低山といえども甘くないですと言わるるごとく喘ぐアルプス”
”あげますと差し出すみかんひとつづつローカルバスの運転士いて”
”海山の幸もまたよし温泉につかるも嬉し我が山歩き”