中央線沿線; 大沢山
(おおさわやま)

久々に仲間と。ヤブコギ?で教育読図山行


 H10年5月10日(日)前夜発 天気.晴れ; 
 Member.9人(海輪、井口、青木、佐藤、押見、山口、丸山、五十嵐、石原)

笹子駅6:15〜追分〜沢出合い7:45〜分岐8:00〜1335m10:05〜ボッコの頭11:05〜大沢山12:05-13:15〜神社(登下山口)14:50〜笹子鉱泉〜笹子駅

 ヤブコギで読図の勉強をしようという事で、企画された会の教育山行に参加。久しぶりの出席だ。

 講師に今は隠居の身になっている青木さんを迎え(今回立派にカンバック)、集合は前夜発で立川21時半。中央線の車中で7名、アルコールを補給しながら、各停に揺られて行く。途中1名乗り込んで来て、今夜の宿、笹子駅に着いたのは23時頃。

 今回教育山行というものの、参加者は柴笛中年団。皆40代で、私を除きベテラン揃いだ。中でも教えを乞わなければならないのは唯一、私くらいだろう。しかし何故かこの私が建て前上の講師という事になっているのだから、会の人たちは心が広い。

 顔なじみの人たちとの前夜の宴会は、同世代の話題で話が盛り上がる。山という同じ趣味を持ちながら、それぞれの生き方をしてきた人たちとのおしゃべりは他愛無く楽しい。中央線上り下りの最終を過ぎて遅くまで話した後、眠くなった者からシュラフに身を包む。

 翌朝5時起床。それぞれに片づけ、朝食準備と済ませた頃、ニューフェースの五十嵐さんという若者(30代始め)がバイクでやってきた。一気に平均年齢を引き下げて(1人で8人分を一気に引き下げるのはちょっと厳しいか?)6:15に出発。若干1名二日酔いを引きづった人もいるが、長年のつわものはそんな事ではへこたれない。

 講師の青木さんを先頭に、先ずは甲州街道を笹子峠へと歩き出す。山歩きに来た人間にとって、この車道脇の歩道を歩く事ほど嫌だと思う事は無い。歩くのは同じではないのだ。

 追分を過ぎ、甲州街道から離れて沢伝いに笹子峠を目指すが、新田のバス停の所で地元の人に「そりゃ大変だ、こう行った方がいい」というアドバイスをもらう。とにかく進み、狩屋野川から離れて行く分岐点で再度地形図を元に検討。リーダーの判断で、地元の人のアドバイスを受け入れ計画を大幅にショートカット。大沢山へは最短距離を選ぶ事にする。柴笛クラブがこれでいいのかな〜?ウン、これだから私も居られる!

 林道の行き着く所には立派な堰堤が築かれていた。道が無くなった所で地形図を取り出し、読図(地形)の勉強。地形を頭に入れた所でいざ、ヤブコギ開始。ヤブコギの達人青木さんに言わせれば「こんなのはヤブコギでも何でも無い、ヤブコギだなんて言わないでくれ」と、にべもない。確かに薮はない。尾根を伝って雑木林の急登を登って行くのだが、若葉萌え出ている木々をかき分け、栄養豊かなふかふかな土壌の上を歩くのは実に気持ちが良い。しかし青木さんの言うように、本来ヤブコギとはもっと大変できついモノなのだろう。私には十分だったが。今回は教育山行、このくらいで済んで幸いだった。

 尾根を辿ってようやく当初の計画の笹子峠から大沢山へと続く尾根上に出たのは約10時。見晴し良く大月北部の山並を見渡す。ここからは登山道らしき道筋ができている。大沢山に至る稜線では樹間から富士山や南アルプスの見える場所があるが、初々しい若葉が出てきている今となっては、見える時が束の間だ。全山通してこの広葉樹林の中を気持ちよく歩かせてもらった。人間に道を譲る登山道が増えている中で、ここはまだ山らしい良さが残っている。登山道とはいえ、枝が張り出し、その中を泳ぐように進んで行くのは近年少ない。

 花はヤマツツジ、トウゴクミツバツツジが見ごろだが、一番驚いたのはイワカガミがあったことだ。この山域でしかも1500mに満たない山にもかかわらず、素晴らしい群落を成している。

 このお花畑の辺りはちょっとした岩場だが、注意して通れば心配いらない。岩ノ上に立った時、目の前の木の上でヘビが昼寝をしていたが。

 間もなく山頂。似たような年頃の数人の一団と会う。イワカガミを見に来たようだ。その人たちが去り、静かな山頂で昼食。展望は樹林に囲まれてよくない。青木さんからみんなへ美味しいマンデリン(ドリップコーヒー)の振る舞い。いつもながら極上の味。

 下山時にちょっとコースを間違えたがすぐ気が付き下山し直す。下りは急だが相変わらず若葉が清々しい登山道だ。見晴しはよく無いから秋から春が時期としては良いかも知れない。この日は時折そっと吹いてくる五月の風が爽やかだった。

 山頂から追分の稲村神社へと辿る尾根筋は結構長い。が、昔懐かしい地元の山と云った感じでしかも久々に大勢で歩けてとても楽しかった。少人数もいいが、こうして大人数で来るのもいいものだ。

 笹子鉱泉で汗を流して再び笹子駅へ。4時41分の電車で帰路につく。

 笹子鉱泉は日曜は休みなので、事前に電話で予約を入れておくと用意しておいてくれる。一人500円(1時間)石鹸あり。

“木洩れ陽に光かがよう若葉ゆれ大沢山の風はやさしき”