【孫(勇)の初山歩き】
(私、息子夫婦、娘、ゆう)
ヤビツ峠9:00〜大山山頂12:00ー14:00〜見晴台〜阿夫利神社下社〜追分〜伊勢原駅17:00
我が家の孫(勇、2歳半の男の子)と生まれたからにはこの難関を突破しなければいけない?なんて、おおげさな。いえいえ、山デビューの洗礼を受けなければいけないのです、ということで、小さな妹(7ヶ月)もいることだし、丹沢の大山でどうだろう。
何かとその期日を延ばしたがっていた?ママだが、いよいよ覚悟を決めて晴天率の高い29日に決定。
前日までの数日の悪天候だったにも関わらず当日は見事な登山日和。孫の将来の滑り出し好調と、気を良くしたおばあちゃんであった。
孫の為にスポーツ店で買いこんだベビーキャリアをかかえ、息子一家とは小田急線の海老名で待ち合わせ。大人5人のうち、2人の背中をあけ、荷物は3人分のザックに分担した。
8時頃秦野駅に降りるとバス停にはいっぱいの人人人。次々に来るヤビツ峠行きにとにかく乗り込み、終点まで約1時間。よそのオジサンの膝の上で気持ちよさそうに眠っていた勇(ゆう)の試練の時はきた。
登山口で先ずは記念写真。さわやかな風と空気の中、ゆっくり歩き出した。
我が家の三人の子等もみなこうして歩かせた。末娘の時は東京の高尾山から陣馬山だった。2歳に満たなかったがよく歩いたのを思い出す(下に写真掲載)。その娘が今日は7ヶ月の姪をキャリアに背負っている。
我が身だけでも歩いて行くのが大変なパパとママ、若さで乗り切る娘はそれぞれに自分達のペースで先に行ってしまった。
私達はもちろん孫の係りだ。若さ弾ける彼は思ったより順調に歩いてくれる。好奇心旺盛で、自分の身丈程もある大きい岩や高さのある階段に足をかけようとする。服の汚れなどなんのその。しかしさすがに疲れが出てきた彼は「だっこ」と手を出してきた。顔はあくまでも優しく、声もこれ以上ない程甘く、私達は彼に囁く。「えらいね」「良い子だね」「ほら、ママが待ってるよ」などとおだてつつ、リュックから牛乳等出して再び元気を引き出す。
何回か繰り返している内に、あまりに遅いとパパが上から下りてきた。それまでニコニコとこらえていた?彼はやっと甘えられると思ってか、ワーッと泣き出した。しかし、パパも「頑張れ」と笑顔で励ます。
大人で1時間のコースを3倍の時間をかけて彼一人の足で登り切った。疲れていると思いきや、山頂でバテてる親に比べ、くるくると走り回っているのだから子供はやっぱり元気で強い。
勇、がんばったね。
山頂でゆっくりママの手作りのおにぎりや、そこで作った味噌汁など食べて、下りはパパの背中のキャリアの中。でもその時も元気な声をあげていた。おじいちゃんの背中に移ってようやくぐっすり眠っていた。おじいちゃんが滑ってこけたのにも気付かずに。
“孫の行く大山若葉につつまれて声響きたり初山歩き”
(1981.8.16 一番下の娘が1歳5ヶ月の時)