尾瀬; 至仏山
(しぶつさん)
「尾瀬に行きたい」という娘の一言で、親娘3人の山行に。

 H6年7月9日(土)前夜発 ;
 Member.計3名

 【コース】(=は乗り物、〜は歩き)今回タイムは記録せず。
戸倉駐車場=(マイクロバス)=鳩待峠〜至仏山〜鳩待峠〜山ノ鼻〜第二長蔵小屋(泊)


【至仏山から翌日は、燧ヶ岳へ】

 「尾瀬に行きたい」という娘の一言で、私の腰が浮き、主人の気持ちが動いた。親とはかくも甘いもの、私はかくも山に魅せられたもの。 

 娘の塾の帰りを待って、すわ出発となるはずだったが、夕方の来客のため支度が遅くなり、出発が遅れてしまった。

 至仏山に登っているとき、寝不足の主人は相変わらず不機嫌だったが、それでも娘のために植物の写真を一生懸命撮り、私はその後からサブザックを背負って同じようにビデオやカメラを向けていた。あまりのスローペースに娘は常に先に行き、そして途中で待っていた。

 そんな主人に合わせてゆっくり登って行くと、ここでしか咲かないというオゼソウがあった。ちょうど鳩待小屋のご主人がいて、教えてくれたから分かったのだが、これは本当にラッキーだった。初めて見るクモイイカリソウ、ハエトリスミレ、ジョウシュウアズマギク、ユキワリソウなど珍しいものを一つ一つ正確にビデオに撮れて本当に良かった。そこは見事なお花畑でハクサンイチゲ、チングルマ、ヨツバシオガマ、キバナノコマノツメ、ホソバヒナウスユキソウ、イワイチョウ、ハクサンコザクラ、ウラジロヨウラク、シナノキンバイなどが次々目に入ってきて、私たちを楽しませてくれた。わたしはもうすっかり嬉しくなってしまった。下調べをして行かなかったから、名の分からないものも多かったが満足だった。

 とっくに山頂に着いているであろう娘がお腹を空かせているだろうと思いながら相も変わらずゆっくりペースの主人の後をついていくと、案の定30分位待ったという。お弁当も持っていなかったから、近くの人がおにぎりをくれたという。私たちは下山してから昼食の予定だったから軽いものしか持っていなかった。予定以上に時間がかかってしまい、気持ちがまいった。山頂の見晴らしはイマイチ。しかし、到達感はいつも変わらず気分がいい。とにかくあるものでお腹を満たして下山。岩だらけの山肌、立ち枯れたような白樺の林、ワタスゲの湿原、どれも懐かしい至仏の山。下りは三人足並みを揃えていく。谷間に残る雪渓とその向こうにシラネアオイの群落。もっと近くで見たかった。

 鳩待で遅い昼食をとり、気を取り直して尾瀬ヶ原にむかう。山の鼻で一息ついて原に出るとそこには一面ワタスゲが白く揺れていた。カキツバタかヒオウギアヤメの紫、ニッコウキスゲのオレンジがそこに彩りを添えて、とても心を和ませてくれた。池塘に咲くオゼコウホネやヒツジグサ、尾瀬ならではの風景。登った至仏をバックに原は広がっている。その彼方の全く反対側の長蔵小屋を目指して歩く訳だから遅れた時間が気にかかる。またも主人の不機嫌な顔を見ることとなる。今回は娘の理科の自由研究の課題を抱えているから薄暗くなる辺りを気にしながらも写真はとらなきゃならないし、ああ、もういや。

 とうとう雨が降ってきて、小屋に着いたのは6時。私達が一番最後だそうな。部屋は秋田の、御夫婦2組を含んだ中年グループ5人と相部屋になった。山にはよく登るそうで楽しそうだった。

【翌日、燧ヶ岳へ】