上信越境;白砂山〜八間山
(しらすなやま2139.7m〜はっけんざん1934.5m)
   ニッコウキスゲ、クルマユリなどきれいでした

 H12年7月23日(日)前日発
  天気;快晴
  Member.2人(夫婦)

【白砂山へ】右

 【コ ー ス 】(〜は歩、休憩含む)
白砂山登山口(1530m)6:20〜ハンノキ沢〜地蔵峠〜野反湖見晴台(1885m)8:10-25〜堂岩山(2051m)8:45〜 八間山分岐〜白砂山山頂(2139.7m)10:00-11:10〜八間山分岐12:00-15〜八間山山頂(1934.5m)13:55-14:20〜白砂山登山口(1530m)15:20

(山行所要時間約9時間・・休憩含む)


 今回はいくつかリストアップしていたが、前夜発の日帰りの日程となったため、白砂山に決めた。午後4時頃出発。しかし関越練馬インターにつくまで2時間半かかってしまった(いつもは夜の空いているときで1時間くらい)。関越に入ると車はスムースに流れた。途中SAで夕食をとり、渋川伊香保ICでおりる。

 一般道を走り、吾妻線の長野原駅を過ぎたところで右折、野反湖方面へ。途中、夫が「尻焼温泉に行ってみよう」と言うので寄ってみた。狭い道なので昼間は車が置きにくいが、夜だったので車も人も少なく、何とか置けた。川の露天風呂で、自由に入れて無料。時既に10時半だったが、数名入っていた。街灯1本の薄暗い中で懐中電灯をかざしながら川原へ下りていき、バスタオルを巻いて入った(昼間は水着で入る人が多いらしいが用意していなかったので)。足を踏み入れたところは熱いくらいだった。滑りやすいので注意が必要。つかりながら見上げると、夜空に星が輝いていた。川の温泉は初めてだったので大いに感激。喜んでいる私を見て、来た甲斐があったと夫も満足の様子。旅館の浴衣姿で来る人、川原にテントを張っている人、私達のように通りすがりに入る人様々で、人が絶えることはなかった。私達が出た頃、若い女性が裸になって入っていき、もう少し入っていればよかったと夫が残念がっていた。その大胆さが眩しいくらい爽やかに思えるのも夜の露天風呂ゆえなのだろう。

 尻焼温泉を後にして野反湖へ。道路はずっと整備されており、夜目にニッコウキスゲの咲いているのが見えた。八間山の登山口を二つ通り過ぎ、白砂山登山口の少し先に下ると大きな駐車場がある。駐車場からも登山口がある。広くてきれいに整備され、しかも無料。側には売店やトイレもあるので車はこちらに置いた方がよい。

 翌朝は5時過ぎに起床。簡単に朝食をすませ、支度を整えて出発。朝の樹林帯は涼しくて気持ちが良い。地蔵峠の分岐を間違えなければあとは登山道がはっきりしている。ギンリョウソウやゴゼンタチバナが満開、ミツバオウレン(だと思う)も咲いていた。マイヅルソウの花は終わっていた。

 野反湖見晴台は木陰になっていてここも涼やかだった。木の間から野反湖が見える。野反湖方面と反対側に水場があり、下っていくと聞いていたとおり2分ほどで着いた。沢水がとうとうと流れ冷たくて美味しい。すーっと汗もひき生き返る気分だ。堂岩山へはあと一息。

 堂岩山山頂を少し下ると白砂山への稜線が美しく現れる。そして八間山への分岐があり、そちらへの登山道もよく整備されている。2000メートルちょっとの山でもさすが信越の風は涼やかだ。陽射しは強くとも、白砂山、佐武流山を眺めながら心地よい風を受けて歩く尾根筋は歩いていて気持ちがよい。ニッコウキスゲやクルマユリ、ハクサンフウロも私達の目を楽しませてくれた。

 白砂山へはやや急登だが登り切れば360度の展望が広がり、充分満足感を味わう。登山口と共にここにも皇太子登頂の記念碑が建てられていた。記念碑の可否は別として、遠い存在ではあるが自由に歩き回れないお立場ではあるのだろうし、制約もいろいろとある中、自ら登られることに親しみを感じる。登山は苦しさも楽しさも自分の足で感じとるもの、同じ思いをして登っておられるのだなぁ・・・。

 山頂は大勢の登山者で賑わっていた。どの顔も充実してみえる。周囲の山々を眺め山座同定をし、この先行ってみたいと思っていた佐武流山、苗場山方面を改めて見るが、夏はとてもいけそうもない。冬は冬で豪雪地帯だから厳しいのだろう。残雪期に歩いてみたいものだがさて?

 写真を写したり、食事をしたり、コーヒーを沸かしたりと忙しい中、今回新たに無線交信を行った。数日前に届いたコールサインをつかっての初CQ。まわりに人がいたため気をつかったが、ボリュームを下げて挑戦。沼田市内にいた方とつながり、幸いにも快調に交信できた。とはいえ失敗もあった。名前を言い忘れたし、メモをしっかりとらなかったため、質問にきちんとこたえられなかった。でも何となく楽しかった。今度イヤホンを買うことにしよう。

 山頂にいた人たちとも話をし、アッという間に1時間過ぎてしまった。ほとんどの人が同ルートを戻る中、私達は堂岩山直前の分岐まで戻ったあと、八間山に向かった。はじめこそ風があって気持ちよかったが、気温が最高になる時間帯でもあり、汗が吹き出てきた。刈り払われた笹が登山道に倒されてとても歩きにくかった。先頭を歩く夫はマムシでも出てくるのではないかと下ばかりみて歩いていたためついにはボーっとしてしまったようだ。登山道をふさいでいる倒木に腰掛けてしばらく休憩。木陰はやはり涼しい。水場は気付かず通り過ぎてしまった。

 このルートを通るにはもう時期的に遅いようだった。やはり暑くなる前か、秋口がいいかもしれない。お花はほとんどなく、ときおりポツンとクルマユリが咲いている程度だった。しかし見通しの良い稜線で、振り返ればいつまでも白砂山方面が見え、正面に浅間山を眺めながら、まわりの自然も満喫する気分は最高だ。

 八間山の山頂に小屋が見えてくると目標が出来たようで嬉しくなる。そこにはあたかもアイスクリームが売っているのではないかと錯覚をおぼえるが、緩やかな尾根歩きでたどりついたそこは、きれいとは言えない小さな避難小屋だった。しかし谷側から吹き上げてくる風を受け、白砂山を眺めるのは何とも心地よかった。この最後のピークで飲み物を飲みながら展望を楽しんでいると間もなく白砂山方面にガスがかかり、姿が見えなくなってしまった。

 あとは野反湖キャンプ場方面に下りるだけ。前を行く夫のペースがかなり落ちているが時間は充分あるのでゆっくりと下りていく。途中登ってくる家族連れに初めて出会った。前方にきれいな野反湖を見ながら登山口に向かうが、暑さで疲れた体には長く感じるようだ。登山口に着いたあと、舗装道路を少し下って駐車場にむかう。売店&食堂で夫はアイスコーヒー、私はホットコーヒーを頼んで共に疲れた体を労う。ニッコウキスゲは山中よりも野反湖周辺の方が沢山咲いていた。観光客も多かった。

 温泉は道の駅「六合(くに)」のくつろぎの湯に入ったが、隣り合わせにもう一軒温泉がある。500円。シャンプー、ボディシャンプーあり。ドライヤー無し。