南アルプス ; 白峰三山
(しらねさんざん)

天気に恵まれ、快適な山旅


 H7年8月3-6日(木-日)当日発 ;
 Member.計7名(青木、麦島、松本、津田、飯尾、小室、石原)

 コース
 3日 広河原10:40〜大樺沢二俣12:50-13:17〜白峰御池小屋(BC)14:40
 4日 BC5:40着〜小太郎尾根7:00-05〜肩の小屋8:15-50〜北岳山頂9:30-10:10 
    〜北岳山荘(BC)11:35
 5日 (BC)4:50〜中白峰5:25〜間ノ岳6:15-40〜農鳥小屋7:45-8:00〜
    西農鳥岳8:55-9:00〜農鳥岳9:40-10:20〜大門沢下降点10:50〜
     広河内岳11:20-25〜大門沢下降点11:50-12:10〜大門沢小屋(BC)14:55
         6日 (BC)5:00〜林道出合7:15-55〜奈良田8:25 


一日目(3日)
 初めての夏合宿参加。朝日連峰の予定が悪天候のため、CLの機転で白峰三山となった。当日津田山駅で切符を精算して出発。

 中央線甲府駅でタクシーに乗り合わせ、一年ぶりの広河原に立つ。天気は良好。昨年とは半月ほど時期が遅れているだけなのに咲いているお花の種類はかなり減っていた。なのにけっこう名前を忘れている。一生懸命思い出しながら歩いていた。雪渓のきれいな所をとって、後のお楽しみのかき氷となる。シーズン中とあって人が多いため、二俣でBCの予定を変更し、休憩してから白峰御池小屋へと向かった。暑かったから、誰からともなく「ビールだ、ビールだ」のかけ声が出る。

二日目(4日)
 昨夜早めにBCをとったのでとても楽だった。少し日程が長くなったらこの方が良いことは言うまでもない。当初より参加者が減ったものの7名という大所帯では食事の量が多くて大変だが、手が多い分分担も出来る。テントをたたんで小太郎尾根にとりつくまでの草スベリは急登で、かなりきつい。それでもお花畑を楽しみながらゆっくりゆっくり登っていく。ダケカンバの木陰に入れば涼しくて気持ちがよい。やっと尾根にたどり着いた時、風がとても強かったが、申し分のない景色。仙丈岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山と、幾重にも広がる山波が気持ちよく見通せる。昨年泊まった肩の小屋を通過して、北岳に向かう道すがら、オヤマノエンドウ、イワベンケイ、ミヤマオダマキ、イワギキョウ(あるいはチシマギキョウ)などがきれいに咲いていて、目を楽しませてくれた。北岳山頂、なつかしくその風景を味わう。山頂でCL青木さんのいれてくれたコーヒーの味は格別だった。ここからは私にとって未知の世界。わくわくしながら山頂を充分堪能した後、下山して北岳山荘へ。午前中には到着したがここで幕営、この時既に天幕場はいっぱい。かなり余裕を持ったコースタイムだが、明日はそうはいかない。テントを張った後、皆思い思いのスタイルでくつろいだ。そしてここでも青木さんの振る舞ってくれたママカリは大好評。

三日目(5日)
 今日はロングラン。起床後すばやく支度して日の出を眺めながら、5時前に出発した。夜中風が強かったが歩き始めも尾根伝いだったため風当たりが強い。上着には風を通さないものが一枚必要。今日は三千メートル峰が続く。中白峰、間ノ岳と来た時、山頂がなだらかに広がっているのに驚いた。何と言っても日本第4位の高さ、昨日の2位北岳と同じように満足感に酔いしれていると、雷鳥が姿を見せてくれた。なだらかなのに気を許してビデオを手に持って歩いていくと、農鳥小屋に至る下山路はひどいガレ場だった。しかも思ったより距離があるように感じられた。たまに見つけるチシマギキョウがみんなの気持ちを和やかにしてくれたようだ。西農鳥の僅かに突起した山頂によじ登り、思わず手をふりあげる。きれいな青空に吸い込まれそうだ。この歩いている稜線が素晴らしかったのは、塩見岳に至る稜線も見事に見られたこと。そして歩きやすかった。心既にあの山も登ってみたいとの思いで誰もが満たされていたに違いない。農鳥山で今回の山行の締めくくりと思って充分満喫。強い陽射しを浴びながら、みんなの顔に満足感が溢れていた。大門沢下降点迄来たとき、時間を見た上で、青木さんから目の前に見える広河内岳にPHしようと提案があった。後は下るだけだから、誰の胸にももう少し楽しんでいきたいという心残りな思いがあった。即全員頷いて、荷物を置き、空身で登っていった。行けば行くで又次の山並みへと目がいく。思いがどうしても膨らんでいってしまう。今度こそほんとに下山だ。からからに乾いて歩きにくい道でいやだなと思いながら、急斜面を下りていった。大門沢小屋につくと有り難いことに冷たく冷やされたビールがまっていた。乾杯のビールは最高においしかった。最後の夕食をカレーで満たし、和やかにミーテイングをし、今回の快挙を讃え合った。

四日目(6日)
 今日は温泉につかって帰りたいという思いで、その後のバスに間に合わす為、やはり5時の出発。皆機敏に行動。歩き始めから丸木橋有り、吊り橋有りでけっこうバリエーションに富んだ面白いコースだった。かなりハイペースで歩いたため、入浴開始まで時間が余りそうだったので、最後の河原でゆっくり休憩した。そこで通る人たちを見ていると若い人より年輩の人が圧倒的に多い。私もその一人かと思わずニヤリ。温泉に着いて人の多さに驚いた。予算があまったため観光タクシーにして、我々は初めの混雑を避け、空いた頃を見計らって、後からのんびりと入った。まさにこれが大正解。身延駅で食事をするには時間が足りなかったが、お弁当とおみやげを買って帰路についた。

“碧空に緑の稜線広がりて白峰三山にどの顔も笑み”
“ザラザラと足とられつつ下り行けばチシマギキョウは揺れて優しき”
“山頂に立ちて思わずVサイン今再びの雲海を見つ”