富士周辺 ;  杓子山〜鹿留山
(しゃくしやま〜ししどめやま)

残雪の上を歩くつもりが……


 H9.3.13(木)当日発 ; Member.計2名

中原駅6:31〜立川駅7:09着7:14発〜高尾駅7:32着7:48発(河口湖行)〜
月江寺駅9:19〜不動ノ湯の先9:50〜大権道峠10:30〜杓子山11:15-12:35〜
分岐13:10〜鹿留山13:20-13:25〜分岐13:40-55〜立塚峠14:55〜
内野(天狗社バス停)16:10着16:21発〜富士吉田駅16:56発


 高尾駅で待ち合わせをして今回は二人で杓子山〜鹿留山へ。残雪の状態はどうだろうか?我々二人でも歩ける状況だろうかと、ちょっぴり心配しつつ期待に胸膨らませて鈍行に揺られて行った。車中「次はどこへ行こうか」とか「いつかあの山に行きたい、この山に行きたい」と話題に事欠かないが、大月駅では「河口湖行きは前の3両ですよ」と車掌さんに言われバタバタと移動し、下吉田駅では降りる筈だったのに、つい話に夢中になって乗り過ごすという大失態。マァ、イイヤと次の月江寺で降り、タクシー乗り場へ。下吉田でもタクシーに乗る予定だったが、運転手さんの話では今や月江寺の方が杓子への入山ルートだそうで、下吉田ではタクシーもバスも出ていないとの事だった。災い転じて福となった私達の粗忽さを、ラッキーとばかりにまたもや会話に弾みがつき、山上さんが数日前にテレビに出た話などを聞いて話が盛り上がってしまった。当初不動ノ湯辺りまで車で入って貰えたら良いと思っていたが、行けるところまで行って下さいとお願いしてあったために大分先の、ゲートが閉まっている辺りまで入ってくれた。これでは山頂まですぐかもしれないと言いつつ歩き始めた。

 右に大きな富士山を眺めながら歩く道は、車で登って行けそうな林道がまだまだ続く。思った以上に整備されていて落胆したが、山上さんは「いい山じゃないですか」といつもプラス思考。いい人だ。

 40分ほど歩いてようやく山道らしくなってきた。そこで久しぶりに持ってきたビデオを出し撮影。そこからの登りは急だった。しかし予想に反して雪は…ない。乾燥して乾ききった斜面は滑りやすく、霜どけで濡れた部分もまた滑りやすかった。山上さんの足どりは軽く、私は息をきらす有り様。情けない。このところ山歩きもしていなかったし、運動不足で限りなく体がふくらんでいる。反省も努力もどこかへ忘れてきてしまった私!どうしましょう。

 30分のコースタイムの所を45分かけて登った山頂はやっと着いたといった感じだった。見晴らしの良い山頂も雪はまったくない。ぐるりと振り返るとどーんと富士山が大きくそびえている。来て良かった、登って良かったと思える瞬間。思わず顔がほころぶ。

  誰もいない山頂を独占し、富士山が大写しの大スクリーンを前に早めの昼食。穏やかな気候で始めは上着を着るほどではなかった。途中、上にはおったが、ラーメンやおでん、コーヒーなどで体をあたため、持ち寄った食べ物はいつもながら盛り沢山。山は楽しまなくっちゃというのが持論の私達は、苦あれば楽ありを地でいっている。

 歩行時間は余裕があるので山頂の休憩を贅沢にとり、次の鹿留山へ。

 北斜面には雪が残っているものの尾根伝いはもうすっかり春の道。今にも芽を吹き出しそうな木々の合間に柔らかな陽が射し込んでいる。落葉樹林の中を気持ちよく進むうちに分岐へ着いた。

 荷物をそこへ置いて鹿留山山頂へ。途中まで歩いてうっかりカメラとビデオも置いてきてしまったのに気がついた。あ〜ぁとがっかりしたが、戻る気もせずそのまま進む。山頂の展望はほとんどない。わずかに木の間からうかがえる程度だ。しかし誰も訪れない私達二人だけの静寂の空間は非常に心地よい。一人だったら恐いほどの静けさ。戻る道すがら、雪か獣か分からないが、ガサッと音がする度にビクッとする。その度に私達の声のボリュームが上がり、熊なら来ないでよといった思いで慎重に気を配りながら分岐へと戻った。そこでゆっくり休み、そこから下りの急坂にかかる。春なら桜も見られそうだ。新緑の頃は見事だろうなと思いながら自然木の間を降りていく。所々周りの木に掴まらなければ下りられないところもあるが、特別危険というほどでもない。

 前方に石割山を眺めながら立塚峠までくると、急に道幅が広くなっている。道をならす車が入っているようだった。そこで内野方面へ向かうが雪や霜柱でふくれあがった地面を掘り起こしたその道はとても歩きにくかった。地元の人が、行楽シーズンに向けて整備してくれているのだろうが、……。

 山上さんとは短い間にいろいろとご一緒させていただいた。もっともっと歩きたかったのに、突然会を止められてしまって残念だ。とても寂しい。

”杓子岳立つ頂に迫りくる富士厳かに春霞かな”
”会に集い会に遊びて会を去る興じた夢に起こされし今”