H6年1月19日(水)当日発 ;
Member.計4名
コース 高尾山口駅8:00〜稲荷山9:15-25〜高尾山山頂10:45-12:45〜(2号路)〜蛇滝口〜高尾駅
今回のメンバーとしては久しぶりの登山だった。今回はみんなの初登りという事もあり、ゆっくり歩いて山頂での新年会を楽しもうと企画。
今回の参加は4人。夜中の雨が雪に変わって高尾の山も奇麗な雪景色だった。万が一に備えてアイゼンを持って行ったが、使わずに済んだ。でも装着がどのようなものか未体験なだけに使ってみたかった気もする。
天気は予報通り傘の必要はなかったが、水墨画のような景色にみとれていると、頭上の木々から水滴や木に張り付いた雪の結晶がポタポタと落ちてきた。思わずゴアテックスのウエアをこの時とばかり着込んで防御万全。
足元のカンアオイは健在、この冷凍庫の様な寒さの中、花もしっかりつけて健気に咲いていた。常緑だそうで、こんなに強い植物が絶滅種とはどうも信じ難い。
この時期の主役は常緑樹となのだろうが、落葉樹に張り付いた雪の白い華がその存在感を薄いものにしていた。銀色に輝いた目の前の木も、それらの遠景も、それはそれは美しかった。
高尾山は昨年5月以来で様相は一変しているが、あの花はこの辺に、あの木はあの辺りにと、昨日のことのように記憶が次々蘇る。こうして同じ所を歩くのもいいなと思うのはこんな時だ。
山頂には昼にまだ早い時間に着いたのですいていた。大きく張っている桜の枝の雫を避けて、広々とした屋根付きのテーブルに席をとり、早速お鍋を出す。時折陽は射して風も無かったものの、寒い山頂だった。それでも乾杯!寄せ鍋をみんなでつついて早く体を温めようとしたが、なかなか温まらない。震えながらも山野草の写真や、昨年歩いた山々、今年の山行についてなどで、話に花が咲く。メンバー手作りの羊羮を、登ってくる途中手折ってきたクロモジで頂いた。乙なものだと悦に入りながら皆で食べるのは美味しい。あっという間の2時間だった。
私にとっては初めてのコース、4号路を進もうとしたが、工事中で通行止め。一番期待していた所だっただけに残念だった。幸い蛇滝口方面の2号路は大丈夫だったのが、その期待をわずかに繋いでくれた。シダのヤマソテツ、ジュウモンジシダ、イタチシダ、クマワラビ、フモトシダにクジャクフモトシダ。伊豆の発端丈山以来のカナワラビ、初めて見るキジョランとフユザンショウ(茎はヌルデに似て、刺があり、山椒の匂いがする)、ツルマサキ(テイカカズラに似ている)などがあって、先生も嬉しそう。
お花にはお目にかかれないと思っていたら紅梅が少しだけ咲いていた。まだ寂しいが十分満足。足元に散らばる椿の花は立ち止まって見上げるゆとりを醸し出してくれていた。
下山の時は気温も上がり、山道も登りのときほどぬかってはいなかった。太陽の光に輝く樹氷と周りの緑を楽しみながらのんびりと下って行った。蛇滝は修行の場らしく、目には触れないものの異様な雰囲気がある。周りはいっぱいのシャガで埋っていた。ここまで来ると道はやや広くなって舗装されており、軽自動車が通り抜けて行った。
麓の梅林のつぼみはまだかたかったがここでもほんの少し、紅梅が咲いていた(私たちのために?)。
最後に思いがけなく、またもやこの梅林の山肌に添って階段を登り下りしたのには参った。下りた所でブランデー入りの紅茶や、お茶、みかんを戴いてようやく一息つき、本数の少ないバスはやめて、ちょうど来たタクシーに一同乗り合わせ高尾駅に向かった。こういう時、4人という人数はちょうど良い。
今回は約20,000歩。軽いコースで新年にふさわしかったと思う。これからの山での安全と健康を、今年も祈りたい。
“新玉の春や高尾に登り来て紅梅三つ四つしばし眺むる”
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