中央線沿線;滝子山
(たきごやま1590.3m)
   雪道少なく一足早い春山ハイク?!

 H12年2月27日(日)当日発・ 天気;晴 :
  Member.8人(今井、平、蒲原、畦蒜、上田、柳、大澤、石原)

【山頂で】右

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)
初狩駅8:00?〜桧平10:40〜滝子山11:30-12:10〜曲り沢峠14:10〜田野登山口15:20〜景徳院〜甲斐大和駅16:00

(所要時間約8時間・・休憩含む)

 中央線沿線の滝子山(山梨百名山)に行ってきました。
 前日の雪がうっすらと見られた程度で南面はほとんど問題はありません。北斜面は部分的に雪が残っていましたので少しだけスノーハイクを楽しめました。ただ、踏み跡で変形したトレースになっていた所が歩きにくかったのと、新雪の下がアイスバーンになっていたので滑りやすくなっていました。
 平ッ沢沿いの登山道は斜面の崩れているところが数カ所あります。作業道など紛らわしいのでエアリアマップよりは2万5千図の地形図の方を持っていった方が分かり易いようです。
 例年より雪が少なく春山を歩いているようでしたので、「春を探そう」をテーマに歩きましたが、木や草の芽吹きはやはりまだまだでした。ヤママユ(の仲間)というのを教えてもらったのが新しい発見でした。
 この山域はブナやミズナラ、ツツジや落葉松の雑木林が広がり、 人が少なくてとても静かなハイキングを楽しめます。新緑、紅葉の時期はさぞ素晴らしいことでしょう。


 新メンバー4名のうち3名初参加で、ほとんどが20代から30代前半というフレッシュ山行。しかも一番若いのは息子と同じ年令だった。体力的にはハンデが大きく、ついていけるかちょっとしんぱい・・・。ところが登山口で先頭のサブリーダーに、「始めは少しペースを抑えて」と注文するとばっちりイーブンペース。

 滝子山は2回目だが今回のコースは初めてだった。前日の降雪にも関わらず、南面の登山道にはほとんど積雪がなかった。天気は快晴だが空気はさすがに冷たい。それでも風がなく、すっかり落葉した雑木林は日溜まりハイクでとても気持ちが良い。雪がなかったため、「春を探そう」が今回のテーマになった。しかし木々の蕾はかたく、下草もまだ芽を出していなかった。辛うじてリーダーがヤママユ(の仲間)を見つけた。緑色のマユが枝にぶら下がっている。初めて見るが、最高級の絹のマユなのだそうだ。あとは里の近くにあったノビルくらいだったろうか。

 ゆっくり登っていたのだが、登り始めて間もなく初参加の一人が慣れない靴のため足が痛くなったようだった。すかさずリーダーが歩き方の講習をし、休憩。自身でマッサージしながら充分休んでからは、ゆっくり歩いたので、その後は大丈夫だったようだ。

 視界の開けたところで振り返ると富士山が大きく姿を現していた。ブナやミズナラの樹林帯ではリーダーによる樹木の勉強。自然に身に付く生きた学習だ。

 桧平は正面に富士山が大きく見え、手前に三ツ峠 、その手前に鶴ヶ鳥屋山や本社ヶ丸の尾根が横たわっている。ここまで来れば山頂まではあと1時間くらいだ。山頂付近には雪が少しあった。鎮西ヶ池へととる予定の下山路(北斜面)にもしっかり雪がついている。滑りそうだ。

 山頂はそれ程広くはない。それまで人には全く会わなかったが、そこで先客が数人休んでいた。秀麗富岳12景の一つとあって、富士山の好展望場だが、今回は山頂付近がすっきりと見えなかった。風は穏やかで陽射しは柔らかく、それほど寒くはなかった。思い思いに休んで風景を堪能し、お腹を満たし、今度は軽アイゼンを着けてから、先程の鎮西ヶ池方面へ下山することにする(池には小さな祠があり、柄杓が置かれていた)。

 アイゼンを忘れた(まだ持っていない)初心者がいたためリーダーが貸したり、装着の仕方を教えたり、また合わせたつもりのアイゼンが合わないという人もいて、ここでまたリーダーの実践講習。とても物知りで面倒見がよく、感心してしまう。等高線の広い緩傾斜ではザクザク、サクサクとスノーハイクを楽しみ、積雪が一区切りついたところでアイゼンは外した。雪がなくなっても所々また現れ、今度はノーアイゼンでの歩行練習。滑りやすい下りは相変わらず苦手だ。慣れた人も慣れてない人も、それぞれに注意して下山していった。

 作業道などの標識のない分岐があり、地形図で確認しながら下山したものの、平ッ沢沿いでは曲り沢峠方面への分岐が確定できないまま笹子駅方面へと下りていった。その途中の登山道は数カ所崩れている。トラロープがあったりなかったりするのでちょっと注意が必要。崩壊のため道が変わってしまい、峠への分岐はもう過ぎてしまったのだろうと、気持ちは既に笹子駅下山に向かっていた。予定のコースに行けなくて残念だったと話しながら歩いていたら、そこへ、峠方向をしめす分岐が現れた。見上げたところに大鹿山が見える。下りに向かっていた気持ちを切り替えて登りにかかる。これが辛い。しかし急登は15分程だった。 少し雪を被ったお坊山を見ながら、あとはなだらかなコースに添って行く。

 大鹿峠に着くと、大谷ヶ丸方面、お坊山方面など四方向の分岐になっている。私達は尾根から田野へ向かった。このコースはお坊山から笹子雁ガ腹摺山にいたる北面の稜線が眺められる。滝子山の登り同様、こちらのコースも全く人に会わなかった。落葉松やアカマツ、雑木林に被われた静かなコースだった。

 下山すると景徳院というお寺があった。そこは武田家終焉の地、戦国の武将武田信玄の子勝頼が自害して果てた所だという。初めて来たところだが、思いがけなく歴史の片鱗に触れて、締め括りまで充実した学習の山旅だった。