丹沢 ;  塔ノ岳〜丹沢山
(とうのだけ〜たんざわさん)

塔ノ岳山頂でインターネットMMLオフミを初体験。会の山仲間と偶然の遭遇。登山家岩崎元郎さんとの出会いとツーショット写真!いろいろあった山行でした。


 H10年11月29日(日)当日発・ 天気;晴: 
 Member.単独 +6人(田代・毛利・高橋・岸波・滝沢・南雲)+2人(海輪・鈴木)

【塔ヶ岳山頂】
(竜ケ馬場の近くより)

 【コ ー ス 】
(=は乗り物、〜は歩、休憩時間含む)

11月29日(日) 
自宅4:40=東名川崎IC4:55=東名秦野中井IC5:20=大倉5:40-6:05〜高原山の家6:42〜駒止茶屋7:20-30〜花立小屋8:30〜金冷シ8:45〜塔ノ岳9:00-11:00〜丹沢山11:55-12:10〜塔ノ岳12:55-14:00〜堀山の家14:50-15:05〜大倉16:10-15=東名秦野中井IC?=東名川崎IC18:15=自宅18:40


 インターネットMML のオフミが塔ノ岳で開催というので初めて参加。山頂に8時半〜10時となると登るコースは限られる。車で大倉まで行き、明るくなる6時頃から登れば9時頃には山頂に着くだろうということで、逆算して自宅を出発。

 大倉には大きな駐車場が完備されている。心配ないと思っていたら、なんと開くのは8時半から。それまで待っていられないとやむなく先の広い公道へ駐車。身支度を整えて、薄暗がりの中出発する。登山口で一人の男性が軽装で先行して行った。少し行くと真新しい供養塔があり「なぜこんな所に?」と思いつつ通過。イロハモミジがきれいに紅葉していたが、そこへ朝日があたっていっそう鮮やかな色彩だった。とても爽快な気分!両脇に植樹されたモミジの中や整備されて石畳を歩いていると京都か鎌倉のような気がする。いつもは人の多い大倉尾根なのに、今日は朝の静寂を一人占めだからかもしれない。

 歩き始めて15分か20分で分岐になるが、どちらからでも15分程で再び道は合流する。左を選べば高原山の家の前を通り、そこで水を補給できる。何軒か小屋が建っているが、閉鎖している小屋あり、営業している小屋あり。駒止茶屋は開いており、薪を燃やす匂いがする。その暖かそうな懐かしい匂いに誘われそうになるが、長居はできないと振り切って通過。小屋の少し上にベンチがあったので小休止、おにぎりと温かいお茶で朝食。堀山の家も花立山荘も営業していた。鍋割山から塔ノ岳の稜線はガスっていたが、蛭ケ岳に泊まったであろうMMLの皆さんは朝日が見られたのだろうか?ヤビツから登る稜線の三ノ塔の小屋から塔ノ岳に至る 稜線はきれいに見える。時間があればあちらを歩きたかったなと思いつつ眺めるが、以前素晴らしかった烏尾山から行者岳あたりの紅葉は既に終わっているようだった。むしろ裾野の方が今回はきれいだった。

 やっと金冷シに着いたと思った頃後ろから快調なペースで年輩(70歳位か?)の女性が追い付き、追いこして行った。ナップザック程度の荷物だったが交わした挨拶にも息の乱れがなく足運びが速い。私は目がテンになってしまった。

 山頂で待ち合わせというのは初めてだったが、初オフミ、初対面というのはワクワクする快感のようなものがあった。楽しみであった。山頂には予定通り9時頃到着。?辺りを見回すが目印の黄色いツェルトが無い。それらしきメンバーもいない。取りあえず済ませていなかった入山連絡を尊仏山荘より入れる。携帯の繋がっている人もいたが、私のは圏外だった。尊仏山荘には公衆電話がある。ただしテレカしか使えないので要注意(私はこの時10円分しか残っていなかったので少々慌てた)。硬貨は重たいので下に下ろすのが大変だからなのだそうだ。

 再び山頂を見回し、一人一人注目していく。みんなが変な顔をして目をそらす。そりゃそうよね、こんな変なオバサンからジッと見つめられたら。ようやく諦めて待つ事にした。

 寒いのでうどんでも作ろうと用意していたら男性二人がきょろきょろしながらやってきた。互いに目印を探るが見つからず、口に出そうになる言葉をおさえて彼等はそのまま通過しようとした。するとザックについているワッペンに気がついた。名前が分からないので「こんにちわ」と声をかけてみる。あとはどのように会話が進んだかあやふやだが、互いに自己紹介し、千葉の毛利さん、八王子の岸波さんであることが分かった。間もなく群馬の滝沢さん、新潟の南雲さん、宮城の高橋さん、八王子の田代さんが到着。こちらはHPなどの写真でお馴染みだったので、すぐに分かった。そのせいか、なぜか初対面のような気がしない。とても親しみを感じてしまうのは私だけかな?インターネットの威力ってスゴイとオバサンは思ってしまった。

 皆で記念写真を撮り、先に大山に行くという高橋さんともツーショットを写させてもらった。皆で見送ろうとした矢先、鹿がツエルトの上に置いてあった田代さんのパンをパクリ。皆の目がそちらに注目している間に高橋さんは一人寂しく出発してしまった。高橋さん、ごめんなさい。

 目印の黄色いツェルトは寒い山頂でいつしか6人の頭上にあり、すっぽり包まれた私達は周りの人たちから何とも異様な光景と、好奇のまなざし?をあびていたようだ。それでもいくらかは寒さからしのげるとばかりに、そんな中で自己紹介と相成った。時間があればいろいろと山の話などもできただろう。束の間ではあったが楽しかった。前日は大勢のMMLメンバーが集まったようだが、当日塔ノ岳に来たのは結局私だけだった。皆さんは下山、私は丹沢山へ、ということで山頂オフミは私だけのために時間を費やして戴いたような感じで申し訳なかった。

 再び一人になって私は丹沢山へ。ところが無意識にユーシンの方へと下ってしまった。途中で気がついて戻ったが10分のタイムロス。何度か行っている道なのに、何というミス。まったく私らしい!塔ノ岳を下り少し行った鞍部は両脇が大分削られて細くなっていた。太いロープが渡っているので気をつければ心配ないが、積雪期は注意が必要。あとはなだらかな稜線を行く。竜ケ馬場の周りは笹(熊笹?)が広がって、いつ来てもとても気持ちが良い。あつくなったのでここで上着を脱ぐ。振り返ると塔ノ岳が眺められる。

 丹沢山山頂はほとんど展望を望めない。ここまで来れば蛭ケ岳に行きたくなるが、今回は無理。ひと休みして早々に下山する。途中振り返って丹沢山と蛭ケ岳を眺めながら再び塔ノ岳に向かう。

左【蛭ヶ岳、丹沢方面】
 塔ヶ岳山頂より望む

 そして塔ノ岳山頂。そこから丹沢と蛭をカメラにおさめ、そのまま鍋割へと向かうつもりだった。が、なんと目の前に手を振る海輪さん(山の会の仲間)がいるではないか!お互いにびっくりだった。「えっ?今日は何かありました?」と思わず尋ねてしまった。ボッカ訓練だそうで、間もなく鈴木さんも到着すると聞いて頭が下がると同時に、感激してしまった。海輪さんと鈴木さんはコースが別で、5分程したら鈴木さんが到着。鈴木さんは出来るだけの荷をザックに詰め込んで持ち上げ、海輪さんは30リットルもの水を担ぎ上げて、尊仏山荘に進呈したと言う。お二人の頑張りに脱帽。

 偶然にもここで、10月の苗場山登頂メンバーが3人揃ってしまった。私の鍋割山ははるか彼方へおいやられ、盛り上がった三人は温かい尊仏山荘に入り、お茶してしまった(鍋割のオーロンシャツを着てきたというのに)。海輪さんが三郎さん(会)に電話し、三人一緒だと告げた。私が電話したときテレカが10円分だったため、三郎さんが言いかけた言葉は受話器の奥に吸い込まれてしまっていた。ここで、やっと三郎さんが言わんとしていた事が判明したのだった。「私が電話した時、『海輪さん達も塔ノ岳だよ』と言いたかったんですね。了解です(今分かって何になる?)」

 そしてもうひとつ。なんとあの有名な登山家岩崎元郎さんが山荘に入ってきた。サイン、サインと身の回りを捜す意外とミーハーな私だった。サインを諦め大胆にも私一人で側へ行って一緒に写真を写させてもらった。あ〜、やっぱ私はミ〜ハ〜だ!山荘の中は混んでいたのに他には誰一人、そんな事をする人はいない。皆さん、おとなです。

 一人騒ぐ私には、海輪さんと鈴木さんがクールな紳士に見えた。でも三人になった時、鈴木さんが「いや〜、男は照れ屋なんですよ」と。そうか、まったく男の心理と言うものを理解していなかった・・・一緒に写せばヨカッタナ!帰宅して娘の言う事には「お母さんは女を捨ててるね」(いえ、捨ててません)「お母さんって、ミ〜ハ〜!」(・・・・)

 この日は結局三人一緒に大倉尾根を下ってしまった。おしゃべりしながら気分はハイ。登りで気づかなかった一輪のリンドウを見つけ、それも嬉しかった。大倉でそれぞれの車へ別れた。帰路少々渋滞に巻き込まれたが、非常に面白い一日だった。