日光・山王帽子山〜小太郎山〜太郎山
 (さんのうぼうしやま2077m〜こたろうさん2328m〜たろうさん2367.5m)
 残雪の春山ハイク、山頂好展望

 H14年4月29日(月)
  天気;快晴
  Member.2人(夫婦)

  【太郎山山頂:尾瀬方面を望む】右

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

奥鬼怒林道山王峠太郎山登山口7:20〜山王帽子山8:25-35〜ハガタテ薙分岐9:32〜小太郎山山頂10:48-56〜太郎山山頂11:30-12:15〜小太郎山山頂12:45-50〜ハガタテ薙分岐13:35〜山王帽子山14:38-15:00〜奥鬼怒林道山王峠太郎山登山口15:45
(所要時間約8時間25分・・休憩含む)


 前日庚申山〜皇海山を歩いて大変だったものだから、太郎山は雪が多かったらやめて、さっさと戦場ヶ原散策にでも切り替えようと思っていた。さて、朝起きると良い天気。この三日の内で一番良さそうだ。支度をしていると4人グループが先に登っていった。光徳から登るハガタテ薙コースは通行止めと書かれていたので、山王峠からは果たして登る人がいるのだろうかと思っていたが、心強い。私たちは太郎山PHで、後からゆっくりと登っていった。

 クマザサで隠れそうな登山道で、初めのうち雪はなかった。間もなく少しずつ現れてきた。踏み跡がついて締まっていたため、アイゼンをつけなくても歩きやすかった。ストックは今回始めから使ったがかなり効果的だった。落葉松林の新緑はまだだったが、もう少ししたらさぞかしきれいなのだろう。要所にはテープなどの目印があったが全体的には少なかった。積雪がなければ登山道はしっかりしているのだろう。下山も同ルートを辿ったので、それは確信がもてた。

左【山王帽子山山頂:バックは日光白根山】

 一時間ほどで山王帽子山に到着。振り返ると白根山が大きく見えた。白根山から北へ延びる稜線の向こう側には燧ヶ岳や平ヶ岳も見える。いずれもまだ白い。ゆっくり展望を楽しんだ後出発。山王帽子山の下山路は雪で分かりにくかった。滑りやすかったので私たちはアイゼンを着ける。その間に先行の4人グループとは離れてしまったが、コメツガやシラビソの樹林帯を掻き分けながら、のんびり進んでいった。鞍部でこの山の姿を眺めると、緑の中に立ち枯れの木が目立った。独特の風景だ。

左【残雪】

 再び登りに転じるが、残雪が登山道を分かりにくくしていた(同ルートを下山したときには慣れたせいかスムーズに登山道を辿ってこれた)。積雪はまだ50センチから1メートル、あるいはそれ以上のところもあった。たまに踏み抜くが、雪は締まって比較的歩きやすかった。

左【小太郎山山頂より男体山を望む】

 小太郎山(西峰)山頂は360度の展望台だった。この先の太郎山よりもぐるり見渡せる。今まで見えた白根山や尾瀬の山々だけでなく、女峰山、小真名子山、大真名子山、男体山と、日光の主な山が一望できて素晴らしい。男体山に登ったときはガスって見にくかった麓の中禅寺湖もきれいに見えた。そして何より昨日登った庚申山〜皇海山の山並みを確認したときは感無量だった。とがって見えた鋸山や皇海山が、こちらから見ると随分と姿を変えていた。小太郎山でとりあえずアイゼンを外した。

左【太郎山山頂より小太郎山、その奥中央に皇海山を望む】

 小太郎山から太郎山へは近かったが、岩場あり、ヤセ尾根あり、深い残雪ありで面白い。山頂は小太郎山より広かった。ここも展望は抜群。天気も良く、上着を着なくても寒くはなかったお陰でのんびりできた。気候がよい時期ならばきっと賑わう山だろう。今回は単独者4,5人と4人のパーティに出会っただけの、とても静かな山歩きが楽しめた。標高は皇海山より高い。展望もこちらの方が良い。百名山ではないけれど、こちらの方が楽しい山だ。

左【太郎山側から小太郎山を望む】

 再びアイゼンをつけて同ルートを下山。岩場もあるが、雪の下りでは着けていた方が安心して歩ける。こちらからの下りで出会ったのは単独男性ふたり。後から会った一人は、通行禁止のハガタテ薙コースを登ってきたそうだ。かなり恐かったらしい。北アルプスよりもどこよりも怖ろしくて、死ぬかと思ったそうだ。こうして無事でいられるのが不思議だとさえ言っていた。通行禁止の看板は文字通り危険ゆえだったのだ。ご無事で何よりでしたと思わず言ってしまった。

 あいかわらずノンビリだが、登りよりは快調にアップダウンを繰り返して下山。昨日の皇海山、六林班峠コースを思うと、新薙コースを経て林道歩きはしたくなかった。山王帽子山で最後の休憩をとってから一気に下山。勝手のわかっているコースなので山の風景を楽しみながら歩くゆとりがあった。ゆっくり歩いて8時間以上の山行なのに、楽な山行と思えたのは昨日13時間以上も庚申山〜皇海山を歩いたせいだろう。それに比べればという意味で。慣れとは怖ろしいといおうか、そのエネルギーたるや我ながら素晴らしい\(^-^)/

 下山後は早く帰りたかったため温泉には寄らず。通り道の中禅寺湖では桜がようやく咲き始めたばかりだった。いろは坂からはアカヤシオやミツバツツジ、ヤマツツジなどとってもきれいに眺められた。日光の猿は観光地ゆえか、停まる車の上に乗ったり随分と人慣れしていた。