八ヶ岳・赤岳〜硫黄岳
(あかだけ2899.2m〜いおうだけ)
 八ヶ岳でお花見山行!

 H15年6月22日(日)
  天気;晴れ
  Member.2人(夫婦)

 【赤岳(右)から横岳を経て硫黄岳より撮る】右

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

赤岳山荘P6:04〜行者小屋8:08-15〜(文三郎尾根)〜分岐9:20-37〜赤岳10:10-35〜地蔵尾根分岐11:05〜大権現11:50〜横岳12:30-55〜硫黄岳山荘13:23(お花畑散策)-30〜硫黄岳13:52-57〜赤岳鉱泉15:15-20〜赤岳山荘P16:50
(所要時間約10時間50分・・休憩含む)


 梅雨の中休みで週末の天気がよさそうだと夕方決め、その夜遅くに出発した。目的はお花見山行。早くも高山植物が咲き始めているという八ヶ岳へと向かった。一番の目的はまだ見たことのないツクモグサだったが、先週が盛りだったようで今回見つけられなかった。よく捜せばまだ残っていたかもしれないのに残念。

 赤岳山荘の駐車場に車を置いて3時間ほど仮眠。赤岳山荘に駐車代千円を支払って6時頃出発した。ちなみにここでのトイレは有料50円。駐車場は広く、車は多かったが充分空きスペースは残っていた。南アルプスの南アルプス林道が崩壊で通れないため八ヶ岳は混むだろうと思っていたが、思っていたより空いていた。

左【キバナノコマノツメ】

 先ずは南沢から行者小屋へ。早速キバナノコマノツメ、マイヅルソウ、イワカガミ(コイワカガミ?)など現れる。小さな桜(マメザクラか?ミネザクラか?)もまだ咲いている。早くも下山者数グループに出会った。正面に大きく横岳辺りだろうか、目にはいると行者小屋は近い。

左【正面赤岳、行者小屋から文三郎尾根へ】

 行者小屋で一息つき、ふんだんに流れている水で喉を潤した。前日の土曜日も快晴だったようだが、この日も天気が良く、八ヶ岳の山並みが眺められて嬉しい。小休止してから文三郎尾根に向かったが、間もなく眼鏡を忘れてきているのに気づき引き返す。椅子の方で無事発見、日焼け止めクリームを塗ったときに外したまま忘れていたのだった。ホッと一安心。急いで戻り再び歩き出す。5分から10分ほどのロス。

左【文三郎尾根の階段、下に見えるのは行者小屋】

 文三郎尾根の登りは鉄の階段が続く。いつも先頭を歩く夫についていくが、遅いので途中から先に行った。ペースをあげるとさすがに息が切れる。途中休んでは振り返り、八ヶ岳を一望。蓼科山も見えた。阿弥陀岳分岐が見えてくると、そこにMさん、Kさんがいた。八ヶ岳に来るとは聞いていたが、赤岳には登らないと言っていたので、時間的に遭遇のチャンスは限りなく低いと思っていた。意外ではあったが、ここで出会うとは!嬉しくて思わず手を振った。彼女たちも、もしや?と思いつつ待ってくれていたようだった。

左【下山を見送って・・】

 分岐でしばし歓談。思わぬ出逢いは嬉しいものである。そこで別れたが、 彼女たちは下山して帰りの電車でも仲間のK氏、Sさんに遭遇したそうだ。

左【赤岳山頂はもうすぐ・・】

 下山するのを見送って、私達は赤岳へ。その途中もイワウメ、ハクサンイチゲ、イワヒゲ、クモマナズナ、アマナ?などが目を楽しませてくれて、岩場の急登もゆっくり楽しみながら歩けた。ここを4月の残雪期に歩いたのはもう5年も前(1998年)になる。緊張して歩いたのを懐かしく思い出す。

 岩場を登りつめればもう赤岳山頂だ。八ヶ岳は見渡せるが遠望は霞んでいた。富士山も見えない。秩父の山並みがかすかに眺められる。梅雨の晴れ間にこれだけ見られれば充分だ。秋には東からの尾根も歩いてみたいなぁ・・・

左【硫黄岳方向:赤岳山頂小屋の前は沢山の人】

 山頂にも山荘前にも絶え間なく人がいたので、間の小ピークで一休み。軽く食べてから横岳へと向かった。目的の硫黄岳が見渡せる山頂から下って、以前泊まったことのある天望荘を通過。地蔵尾根の分岐でその急な下りを、残雪期に歩いたのを思い出しながら眺めた。

左【チョウノスケソウ:虫が蜜を求めて・・】

 今までみた花の他に、キバナシャクナゲ、ツガザクラ、チョウノスケソウ、オヤマノエンドウ、ミヤマシオガマなど、次々に現れ、大満足。ところが二十三夜峰を登る辺りでまたしても夫の足が攣りだした。ここまで順調に来ていたのだが、登りきったところで休憩。梅干しをなめてミネラル補給し、しばらく休み、様子をみながら先に進む。私は後ろからゆっくりお花を眺めながらいったのだが、岩場や夫の足を気にしてすっかりお目当てのツクモグサを捜し損ねてしまった。海ノ口へと下る三叉峰まで来て、はたと思いだした時には沢山咲いていたという場所を通過してしまった後だった。盛りは先週のようだったので、戻って捜しても、期待に応えてくれるか分からない。今回は残念だが諦めることにした。もしかしたらその先にもまだあるかも知れないと淡い希望を抱きつつ。しかし結果は最後まで見つけることが出来なかった。

左【横岳:大権現から】

 大権現は横岳最高点とエアリアには書いてあるが、その先の山頂標示のあるピーク(奥ノ院)の方が高いように見える。この辺りからはウルップソウやミヤマキンバイ、イワベンケイなども沢山みられた。ウラシマツツジのお花も咲き残っているのを見たが、秋の真っ赤に染まった姿も又見たいものだ。お花畑を保護するためあちらこちらでロープが張られていた。それでも中に入ってる人がいたけれど・・。

左【ウルップソウ】

 山頂標示のあるピークまで行って、大休憩。遠望のアルプスの方はガスって見えなかったが、八ヶ岳全体の眺望を楽しめるだけで満足!満足! 目の前の大同心、小同心の先端で大学生だった息子がポーズをとったのを思い出す。

左【コマクサ】

 ここまで来ればあと一息。なだらかな硫黄岳は目の前だ。下りはここも鎖場となっている。カニの横ばい(と言ってもホンの少しだけ)を通って岩稜帯を行くが、ロープなどあるので不安はなかった。こちらは今までのような華やかさはないが、コマクサが蕾を膨らませていた。いつもながらどうしてこんなガレ場に咲くのだろうと感心する。

左【クロユリ】

 硫黄岳山荘のお花畑を少し散策したらクロユリが少し咲いていた。もともとあったものか、移植したものか?この後ケルンの並ぶ硫黄岳山頂へ。

左【硫黄岳山頂から赤岳、阿弥陀岳を望む】

 なだらかな登りをゆっくり歩き、広い山頂から振り返ったときの嬉しさ、清々しさは実に気持ちいい。今まで歩いた稜線が一望できるこの八ヶ岳は魅力的だ。何度か来ているが、その時その時の情景を思い出させてくれる。写真だけ写して下山。あと3時間の道のりだ。

左【コイワカガミ】

 下山は専らお花撮影。南沢で見た花に加え咲いていたものは、ミヤマダイコンソウ(今まではまだ葉っぱだけ)、コヨウラクツツジ、ミツバオウレン、ヒメイチゲ、オサバグサなど。コメツガなどの樹林帯だが飽きない。

 赤岳鉱泉で休憩。ずっと聞こえていたヘリの音は荷揚げだったようで、ここも荷を下ろすたびにすさまじい音と風で木々が揺れ、砂埃が舞う。アッという間の出来事だ。ここも水は豊富。いつかここの温泉に入ってみたいと思っているのだが、まだ泊まったことがない。建物がまたきれいになっているような気がする。

 下山は5時くらいを予定していたが、少し前に到着できるだろう。ということで相変わらずゆっくりペースで煙草臭い夫のずっと後を、写真を写しながらついていった。沢音を聞きながら、気持の良い登山道だ。新しい立派な橋がいくつもかけ直されていた。堰堤広場からの林道が長いのには閉口。

左【クリンソウ】

 この先新しく見た花はハクサンハタザオ?、アキカラマツ(ミヤマカラマツ?)、ゴゼンタチバナ、タチツボスミレ、キンポウゲ、クリンソウ他、まだまだ沢山あった。日帰りよりも泊まりで来た方がもっとのんびりと歩けて、お花もじっくり観察出来るのだが、充分満足した今回の山歩きだった。