小海線沿線、信州佐久・四方原山〜茂来山
(よもっぱらやま1631.5m〜もらいさん1717.8m)
 静かな山歩きが楽しめるが、登山道迷いやすい

 H13年11月3日(土)前夜発
  天気;曇りのち雨
  Member.2人(夫婦)

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

四方原山登山口7:00〜稜線7:10〜(迷ってタイムロス約25分)〜(休憩8:35-45)〜赤羽の頭9:05〜茂来山10:25-11:20〜赤羽の頭12:30-40〜登山口分岐13:40〜四方原山14:00-05〜登山口分岐14:20〜四方原山登山口14:25
(所要時間約7時間25分・・休憩含む)

  【茂来山山頂で】右


 今月は孫の誕生を控え、出かけるのも気になるところだが、まだ大丈夫そうだということで、バタバタと行き先を決め、その夜の内に出発した。まだ大分残っているハイカが紛失しているのに気がついて、買い直すというハプニングその1、臨時出費が痛い。

 天気予報で雨の降らないという甲州方面、栃木方面をチェックしていたが、少し前から雨の領域が広がった。間際まで迷ったが、信州佐久の山に決めた。雨の日の為にと八ヶ岳山麓ハイキングコースの棒道をプランに入れた。そして、ついでに行けたらと、以前行き損ねていた男山にも行ってみたいと密かにプランに入れておいた。これは話が違うと夫からブーイングだったが、山頂の展望の素晴らしさに結局は二人とも満悦。

 登山口は白岩側からにした。御座山(おぐらさん)と四方原山を指し示す所で左折。しばらくは舗装されている。分岐点がいくつかあり、迷いやすいが右に林道が延びるところでそこはそちらへは行かず直進する。そして次は左へ。道なりに登っていると又、二またに分かれる。そこで右の、東山線と書かれた方へ進むが、そこから舗装されていない林道になる。対向車とのすれ違いの場所は少ないので、チェックしながら進んでいく。途中、登山口の案内板があったが、車を置く広い場所があるというので、先に行ってみる。どこまで行くのかと思うくらい登っていくと、車10台くらいは置けそうな場所があった。工事用の小さいプレハブが建っていた。トイレはない。先にも林道が続いていたので行って見たら、土砂崩れで行き止まりだった(翌日工事をしていた)。注意しながらそこをバックしていき、広い場所まで戻り、結局そこへ駐車。ここに来るまでの間に車の前を横切った生き物は狐?ふくろう?たぬき。そして鹿もいた。

 到着は夜中の2時半。翌日の天気は途中から雨が降りそうなので、早めに出ようとタイマーを5時半にセット。さすがに3時間の睡眠は辛い。1時間延長して6時半起床。

左【稜線で】

 既に外は明るかった。支度をして7時に出発。この時点で稜線の近いのに驚いた。10分ほど登ったらもう稜線だ。そこには標識はなかった。もしや四方原山は右ではないかと思いつつ、左へと進んだ。途中茂来山と書かれた木がくくりつけられていた。その先に今度は茂来山、四方原山と書かれた標識が現れ、四方原山は案の定、背後を指していた。やっぱり・・・・。ショックだった。しかし又後から登ればいい。先に行くことにする。

 この辺りは落葉松が多かった。ミズナラかコナラの木も多く、ミズキやシラカバ(ダケカンバ?)などの雑木林で、気持の良い登山道だ。樹林は既に落葉しており、天気が良ければ日が射し込んで、さぞかし気持ちがよいのではないだろうか。登山者は少ないと見えて、倒木に阻まれたり、登山道が不鮮明の所もある。一人では心細くなるような感じだ。鹿の警戒した鳴き声がケーン、ケーンと近くで聞こえてくる。

 この山に来る場合は二万五千の地形図の方が良いようだ。昭文社のエアリアマップしか持っていなかったので、登山道をあてにしていくと間違え易い。今回は木につけられたテープは少なかったが、ヤブこぎや雪山に通るようなコースに付けられたままになっているのがいくつかあった。地蔵を過ぎてしばらく行き、ピークを左に見ながら、そのテープとかすかに残る道筋を辿って行ったら笹藪に倒木で、阻まれてしまった。しかしルートもテープもついている。地図とコンパスで確認すると目的地は左の山並みだ。この先続く道があるのか、先に行って確認。やはりここではない。再び倒木を乗り越えて戻った。

 さっき通過したピークにとりあえず登ってみる。そこでもコンパスで確認。間違いなくこの先に延びる稜線だと確信して進んでいく。もしガスっていたら、このルートは危ないと思った。またもクマザサに覆われて、見えなくなっている登山道を探りながら進んでいく。刈った跡の所もあり、そこは足に刺さりそうで嫌だった。ヤブを通過し、その後もアップダウンを繰り返していった。もうコンパスと地図、眼鏡の三種の神器は欠かせない。少しでも峰が広がって疑わしいところでは、その都度確かめながら行った。今回は読図山行だ。

 赤羽の頭からは男山・天狗山が見えるとあるが、樹林が茂っている時期は見通しがきかなそうだ。少し前のピークで一度休んだので、そこは通過。相変わらず不鮮明な箇所の多い登山道だが、それを辿る楽しみも同時にあった。国土地理院の補助三角点という木の杭が打たれているピークが二つあった。旗も立てられていた。まだ古くはないようだった。

左【茂来山の手前より、八ヶ岳と黄金色の裾野】

 途中で西に開けているところがあった。正面にドーンと八ヶ岳の全景があり、麓の谷間は落葉松で覆われているのだろうか、一面黄金色でその光景は息を呑むほどに美しかった。

 茂来山に近づくと人の声がした。男性がふたり休んでいた。挨拶して写真を撮りあったり、いろいろ話したり、山座同定をしていただいたりしたが、そこの眺めは期待以上のものだった。少し木が邪魔をしているが、ほぼ360度の展望。八ヶ岳、北アルプス、浅間山、荒船山は雲で隠れていたが上州の山々、御座山、男山そしてその向こうに秩父の山並み。感動だった。

 お二人は地元の人で、親切にもビールやジュースやおつまみをいただいた。びっくり!お礼にミカンとあられなどのおつまみを差し上げた。平成元年に持ち上げたという小さいながらも立派な祠の屋根の部分を運んだのは、当時70才のおじいさんだったとか、今の皇太子、浩宮様が登られたエピソード(S.57年、荒船山に登ったときに眺めた茂来山の姿が良くて、翌日登ったという話)など、話はつきなかった。雨の心配もあったので、早めに下山しようと思っていたのだが、つい長引いてしまった。すぐ下に記帳する箱が設置されており、記帳してから同ルートを戻った。

 赤羽の頭の手前で男性二人とすれ違った。今回出会ったのは、山頂のお二人とこのお二人の二組だけだった。

 ルートを誤ったところは、ピークを通らなくても、捲く道があった。とはいえ、歩きやすい道でもない。斜めになって歩きにくい上に、踏み跡も鮮明ではなかった。一度ピークを経て通っているので、そのまま斜面を登ってルートへと出た。ここまでくればもう急なアップダウンはない。ホッとしたところで雨が降り出してきた。1時だった。今まで見えていた八ヶ岳は隠れてしまっていた。

 登山口の分岐に戻って、そのまま四方原山へ。夫は多分行かないだろうと思ったが、止まりもせず、すたすたと歩いていった。山頂まではあと10分か20分だろうから・・・と。ここもまた、疑いもせずすすんだところで道を見失った。目を凝らして間もなく登山道に戻れたが、このコースは気を付けないと樹林に迷い込んでしまう。

左【四方原山山頂】

 山頂は平たいピークで展望はなかった。雨の中、ハイチーズ!5分ほど立ち休みしてから下山。迷ったところまで戻るとやっぱり間違えやすい場所だった。間違ったほうに行かないよう、転がっていた木を数本おいてみたが、進む方角に動かせない大きな倒木が道を塞いでいたので、ほとんど効果はないだろう。

 下山して間もなく今まで歩いていた山はガスってきた。今行って来たばかりの四方原山も白いものが立ちこめてきている。 歩いているときだったらもっと迷ったことだろう。その前に下山できてラッキーだった。登山口を最短の所まで来ていたお陰で、道に迷っても明るい内に戻ることが出来た。重ね重ね良かった。

 このコースは晩秋の木の葉が落ちた頃が良いように思った。広葉樹、落葉松が多いので、新緑の頃もきれいだろうが、葉が大きくなってしまうと稜線での見晴らしが悪くなるような気がする。

 温泉は「灯明の湯」シャワーが少ないが、露天・サウナあり。シャンプー、ボディシャンプー、ドライヤー1個あり。¥800。食事も出来る。