中央線沿線 ;高尾山
 (たかおさん599m)
 孫と高尾山へ。ミズヒキやタマアジサイ、ヤマホトトギスがきれいでした。

 H11年9月19日(日)・ 天気;曇りのち晴:Member.3人


【高尾山山頂で】右

 途中の休憩時間含む 。〜は歩。
武蔵中原駅9:06発=分倍河原駅=高尾山口駅10:05〜清滝駅10:15〜(6号路)〜高尾山山頂(599.0m)12:40-14:00〜(4号路、吊り橋14:20)〜高尾山駅14:55〜(表参道)〜登山口(清滝駅前)15:30

(登山所要時間 約5時間15分)


 孫娘が熱を出したため、土曜日から上の子を預かった。ただし、山歩きの支度をしてくる事という条件付きで(^-^)。ザックに水筒やお弁当箱、カットバンなどをつめて彼はやってきた。「お山に登るの!」と嬉しそう、しめしめ。

 朝一番に起きて来て「お山に行こう」と起こされた。ザックに麦茶と空のお弁当箱を入れてあげた。私のザックには充分すぎるほどの各種飲み物、果物、お菓子、他食品と一通りのものを詰め、いつもより重い。夫は子供の着替えと飲み物他最低限必要なものにして、子守係を担当。朝の大切な食事と排泄をきちんと済ませてくれて一安心。

 自宅を9時前に出た。電車が順調に連絡し、京王線高尾山口駅には1時間チョットで到着。子供の喜びそうな沢伝いの道、6号路を行くことにした。雨が降ったようで、地面も緑もしっとりと濡れていた。親には、なかなか連れてきてもらえないせいか、何を見ても好奇心旺盛だ。沢の水に目を奪われ、魚を捜し、クモの巣を見ればじっと眺めている。なかなか前に進まない。崩れそうな所や滑りそうな木の根、石の上など、不安定な所にばかり行きたがる。何度滑って、何度転び、何度沢に落ちそうになったことか。一度大山に連れていったことがあったが、その時はまだ2歳だった。全て自分の足で歩いた今回は、彼にとっては見るもの全てが新鮮であったに違いない。

 琵琶滝に寄ろうと脇道に入ったとき、地面に、大きなミミズに食らいついているヒルがいた。私自身ヒルを見たのが初めてで、夫や周りの人がヒルだと言うのを聞いて驚いた。体長約15センチ、あんなのが体に貼り付いてきたら気持ち悪い。いままで気がつかなかっただけかも知れないが、お目にかからず幸いだったのに、まさかこんな身近な高尾山にいたなんて・・・。ミミズにかみついてじっとしているのを、孫もしゃがんでジッと見つめて動かない。琵琶滝には丁度修験者が修行していたので、その姿も又、びっくりした目で見つめていた。

 短い間隔でベンチがあり、一度休憩して、飲み物やら果物やら補給したら、ベンチが出てくる度に「休もうよ」と言い出した。30分くらいを目処に、1回は通り過ぎて2回目に休む間隔で行った。通り過ぎる時は「えーっ!」と不満をもらし、ちょっと口をふくらませるが、通過してしまえばけろりと忘れている。脇を通り過ぎていく人に「偉いね」「頑張ってるね」「すごいぞ」などと声を掛けてもらう度に勢いがつく。「コンニチワってあいさつしようね」と教えると、初めは小さい声だったが、返事が返ってくるとこれまた勢いがついて、大きな声で「こんにちわ」と言うようになった。なぜか「こんばんわ」と言ってみたり、「おはようございます」と言ってみたり、いつのまにかオリジナルなあいさつを交わしていた。

 沢の上流のとび石はお気に入りで、濡れるのも構わずぴょんぴょんと登っていった。その後、山頂の手前で彼にとってはちょっと急な階段が続く。「ゆうくん、もうつかれたよ〜」と言うものの、「おんぶ」とか「だっこ」とはもう言わなかった。親だったらとっくに甘えていたのだろうに。そのかわり、ちょっと休もうねと脇に寄った。彼は、しゃがんだ目の前のテイカカズラのひとむらの中に、緑の芋虫を見つけた。とたんに目が輝いて、触りだした。手に持ちたくて仕方ないようだった。その小さな手に余るほどの大きさだったが、なでながら手のひらにのって来るのを待っている。飽きることなくいつまでも動かないのでしばらくつきあった。  

左【ポケットにどんぐりいっぱい!】

 好奇心が満たされたのか、その後快調に階段を上がった。そして次に目についたものはどんぐり。一つずつ集め、手にいっぱいになるとポケットにしまっていた。これは山頂についてからポリ袋に移し、妹にお土産とした。

 山頂は日曜日とあって、案の定賑わっていた。水道の近くに座り、彼の好きなソーメンを作った。ところがざるを忘れてしまい、夫が思いついた代用品はなんと帽子(ネット付き)。山ならではの知恵と妥協。空のお弁当箱にめんつゆや、おかずを入れてあげた。よく食べ、よく飲んで、山頂でも元気よく跳ね回っている、子供のエネルギーはすごい。陽射しが暑く感じられたが、富士山は見られなくて残念だった。

 下りは4号路を通ったが、ここを走って下りてしまうのでさすがにハラハラした。何度注意しても、なぜか谷側の方に寄るし、まだ雨でぬれている木の根の上を歩きたがる。私達はそのうちもう、痛い思いをしなさいと思いつつ、夫と「(落ちたときの為に)細引きかザイルも持ってくれば良かったね」とぽつり。ところが本当に転がり、落ちそうになった。さすがにドキリとした。これで彼もようやく学習したようだ。少しは慎重に歩くようになった。

 表参道に出るとまた人が多くなった。ケーブルで下りようとしたが元気が良いので歩いて下った。なぜか真ん中に入って私達と両手を繋ぎ、満足そうに歩き出した。ここなら谷に落ちる心配は無いのに、「転んだら痛いんだよ」と言っていた。舗装道だから、確かに痛いだろう。転げ落ちていく傾斜だということを、彼なりに分かったようだった。時々ぶら下がってきたのはやはり足が疲れていたのだろう。

 下山して、全行程を自分で歩いた彼に、かき氷をご馳走。口の中を緑色にしてご満悦になり、電車の中でお土産の高尾まんじゅうを一口食べるや、もう眠ってしまっていた。