蔵王;刈田岳
(かっただけ 1758.0m) (
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 久々のテント泊。蔵王ライザワールドスキー場からリフト2基乗り継いで高度を稼ぎ、刈田岳から屏風岳を目指しましたが、強風とホワイトアウトで刈田岳避難小屋泊に変更。初日夕方から翌日にかけ晴れ、周辺を散策してモンスター見物しつつ戯れてきました。モンスターは少し前の雨でだいぶ小さくなったようです。
H23年2月26-27日(土日)
天気;26日小雪、夕方晴。27日晴のち曇り
Member.2人(トシちゃん&sanae)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む。=は乗り物) 
26日:ライザワールドスキー場P9:30=(リフト2基乗り継ぎ)=リフトトップ9:45?-10:00〜刈田岳レストハウス避難小屋11:30(泊)
夕方刈田岳山頂へ

27日:避難小屋(撤収)〜刈田岳山頂8:14-47〜避難小屋8:47出発〜林道で休憩9:35-10:15〜刈田峠の少し先までで引き返す11:10〜刈田岳避難小屋側で休憩11:30-12:00〜デポ地に戻る12:42-54〜ライザワールドスキー場14:40頃?


↑ モンスターと

トラック(赤線)
(青は入れていったルート)

 土曜日が晴、日曜日は雨がちという天気予報の中、蔵王方面は日曜も天気が良さそうということで急ぎ準備。蔵王は2月の三連休に予定していましたが、天気が悪く取りやめていました。モンスターはもう遅いかなと思いつつ、前々からトシちゃんが行きたいと言っていたライザスキー場より刈田岳、屏風岳方面へと向かうコースをセレクトです。

 自宅出発は前夜10時過ぎ。土日で出かけるにはちょっと辛い長旅です。東北道から山形道を通り、途中山形蔵王PAで仮眠。起床後、東北中央自動車道終点の山形上山(かみのやま)インターへと向かいます。

 インターを下りる頃、蔵王山頂はすっぽりと厚い雲に覆われています・・・が曇りのち晴れのハズ。

 二月なのに高速道、一般道に殆ど雪は無く、ライザスキー場に近付いてようやく除雪された雪道になりました。

 ライザスキー場には8時過ぎに到着。リフトは8時半からですがスキー場さえ隠れてしまうようなガスガスの天気。テンションが上がりません^_^; 
 ところがここでJOさん、いちごちゃんご夫妻にバッタリ!先に気付いたJOさんのクラクションで振り向き分かった途端にお互い大笑いです。

 昨年の守門岳でもバッタリして今年もまた早々にですから「なんで〜?」って感じでした(笑)関東でも丹沢でバッタリが続きましたけど、越後に嫁いだらもうなかなか会えないなんて思っていたのに、JOさんとはよっぽどご縁があるみたいです♪ 嬉しかったですよ〜♪

 支度して、お先にとご挨拶してもう一度記念写真(^^♪ 


 ゲレンデで数回滑った後、山頂にも行かれるということだったので、途中でまた会えるかなと思ったのですが、それはありませんでした。

 レストランの建物内で登山届を出し、トイレへ寄ったあとリフトへ。リフトは一回300円。二基乗り継ぎますから一人2枚で600円。下りは乗れません。
 まずは4人乗りの高速リフト。空いていましたしザックが大きいので一人ずつ乗ります。振り返ると平野の方も薄ぼんやりしています。下界も曇り空のようです。

 リフトはまるで、空に吸い込まれていくよう・・・
 リフトを下りてもう一つ乗り継ぎますが、乗り場にいくにも周囲はまっしろけ。

 今度は2人乗りのリフト。やはり空いていますので一人ずつ乗っていきます。
 辺りはガスで真っ白ですがきれいな霧氷が見られました。

 そしてだんだんとモンスターぽい木も。

 こんなお天気ですが滑っている人も数名見えました。前が見えなくて怖くないのかな?
 リフトを下りスノーシューを装着していると、次々に登山者が到着です。こんな天気でもやはり来ますね〜(^^ゞ

 気温はマイナス9℃(10時頃)。


 左右の方と挨拶を交わし、それぞれに出発します。前が見えない・・・^_^;
 視界は十数メートルだったでしょうか、見える人は少なく、殆どが視界の外でした。ポールを目印にしている人、GPSやコンパスをチェックしている人、いろいろだったと思いますが、まさか何も持たないで登っている人はいませんよね^_^;

曇りのち晴予報だったのに・・・
ホワイトアウト状態・・・^_^;
(動画:音量にご注意ください)

 

 GPSを頼りに進んでいき、この辺りに避難小屋があるはずと目を凝らしてようやくかすかに見えました。GPSで現在地が認識出来て一安心。
 冬は閉鎖されている上の観光リフト。人工物があるとがっかりしたりしますが、こんな日は確かな目印になります。

 写真を撮っている間にトシちゃんの影が薄く・・・いえいえお姿が見えなくなりそうでした^_^;

 この後はやや右に行きたいところでしたが用心深いトシちゃんはリフト沿いに行こうというので夫唱婦随、我が家の家訓(アリマシタカネ??)です^m^

 少しくらい遠回りになったところで確実重視が大事ですからネ(^^ゞ

 この頃には数名の方が引き返したようで、その後姿が見えなくなりました。
 
登るほどに風が強く、降る雪がビシバシと
顔に当たって痛いほどでした。

そしてGPSのお陰で間違いなくレストハウスへ。
さすがGPS!ありがたや。
(これは夕方写した写真です)


外の、風を避けた場所で休憩するつもりでしたが
風が強く、場所を捜していると
梯子から人が下りてきました。

お一人はリフトを下りたところで話した地元の男性。
レストハウスの上が避難小屋を併設しており
休憩していたそうで、他にお二人も下りてきました。
少しお話して、それぞれに下山されたようです。

私達もとりあえずザックを下に置いたまま
行動食だけもって避難小屋へ。
 ちいさな入口から入ると中が暗いと感じ、後から上ってきたトシちゃんにヘッデンを取りに行ってもらいました。でも目が慣れると意外と明るく、灯りは必要ありませんでした。

 外には二組のスキー板が立っていましたが、 中はもう私達だけでした。この板長いこと置いてありましたが、5時ごろ外に出た時にはもうありませんでした。この悪天候の中、スキーをはかずにどこへ行っていたのだろう?と謎のまま。


 部屋は6畳くらいの広さで鉄筋造りですから床には三分の二ほどスノコが敷いてありました。段ボールが置いてありましたので座布団代わりにして座り、お昼にします。

 そしてこの後の相談。外はホワイトアウト状態で風も強い!このまま進むのはGPSをもっていても体力を消耗するだけ。景色も楽しめないのではつまらないですからここで予報の「曇りのち晴れ」を待ってみることしました。
 しばらく外の様子を見ましたが、風がおさまりそうになく、相変わらず何も見えません。

 そんなお天気ですから他に来る人もいないようです。ということでここで泊ることにしました。

 この部屋の中でさえマイナス10度でビックリ。スノコの上にテントを張りました。高級テント暮らしもとい、高級テント泊。っていうか、これじゃ雪山のテント泊じゃないじゃん^_^;


 もし他に人が来たらその時はその時。1人2人ならともかく、大人数だったらテントは畳まないとまずいです^_^;

 この扉は上の四角い部分だけが出入口になっています。下の部分は既に積雪で開きません。
 ストーブやら灯油やらあって、なんて充実した小屋でしょうと思っていたら、灯油は入っていなかったそうです(トシちゃんが確認)。

 もっともこれは非常時用でしょうから使う気はもちろんありませんでした。使った人はやはりお礼をお支払いするのでしょうね。

 他にはやかんや鍋、赤布、スコップ、トイレットペーパーなどありました。目に見えたものだけチェックです。上段の箱の中までは確認していません。


 テントを張ってもやはり寒い。さっそく雪を集めて水を作ったりお汁粉を作って食べたりしながら暖をとります。
 外は相変わらず風が吹き荒れています。先に進まないで正解でした。

 早目の夕飯はカレーうどん♪ネギたっぷりで温まりました。


 夕方5時ごろ外に出たトシちゃんの「空が青くなってきたよ〜」「アッ!山頂が見えてきた」という声が聞こえてきました。

 顔を出すと目の前に青空と山頂が!
 急いで靴をはき外へ。ちなみにこの階段垂直です。デカザックで昇るのはチトきついですが気をつけてゆっくりと^_^;

 山頂へと向かいます♪
 海老の尻尾。

 つぼ足で大丈夫でした。
 山頂の刈田嶺神社。着雪で、より一層重厚なお社と鳥居です。

 風もいくらかおさまっていました。


遠望は無理ですが
熊野岳も右下のお釜も見えます♪


もちろん人一人いません。
 
山頂からの夕暮れ


 素晴らしい風景にめぐり合いました。
 万歳です。

夕陽に照らされた熊野岳への稜線

 
 
雲海と日没


 
刈田岳山頂より
(音量にご注意ください)


 夕方になってようやく晴れました。それだけでも良かったと話しながら、誰もいない山頂を動き回り、そして沈む夕陽を眺めて小屋へと戻ったのでした。

 昨夜の寝不足でその後は星空を眺めることなく心地よい眠りにつきました。あぁ、勿体ない事をしました^_^;

 
そして翌朝、晴。
でも相変わらず強い風が吹いています。
(6:30ごろ)

 

熊野岳
だれもいない稜線


久々のテント装備でしたから
久々の山上の朝の爽快感を味わいました。

 朝は卵雑炊。

 そしてチョコを牛乳に溶かしたチョコレートミルク。

 元気モリモリ。
 外は強風でしたから、もう一度山頂を踏み、モンスターを見ながら下山と決定。そして温泉にでも行こうと話していました。

 どうもお世話になりました。
 とりあえず荷物を下に下ろし、もう一度刈田岳山頂に行ってみます。


すっきりとは見えませんが
うっすらと朝日連峰。
たしか鳥海山も見えたと思うのですが?
分かりませんでした。

 

北蔵王方面
以前南蔵王からずっと縦走したのが
懐かしく思い出されます(H12.5/3-6)。


 
山頂へ
陽が高く昇ってきました



朝陽を浴びて
 朝日連峰をバックに山頂へ


 
気持ちの良い朝の山頂


 
青空が広がっていますが
大気はまだ不安定?




 
飯豊連峰方面もうっすらと。

 
南方面に二週前の三連休に歩いた
吾妻山方面

 
南蔵王
今回歩いてみたかった
前山、杉ヶ峰、屏風岳方面


 山頂にアオモリトドマツの木はありませんからモンスターもできませんが、面白いデコボコができていました。
 春が近付いているせいか、雪と氷の造形も丸みを帯びていました。

 お社。
 あちこちでモコモコ

 鳥居モンスター?(^^ゞ
 熊野岳とお釜をバックに。

 風が強くて顔も引き攣ってます^_^;

 山頂の気温マイナス6度。


 
 誰もいない静かな山頂を2人占めという贅沢なひと時を過ごし、ようやく下ります。

 見渡す風景のなんと気持ち良かったこと!
 スノーシューも装着して出発。
   先ほどまでいた山頂に別れを告げます。
 強風が西から吹き上げ、雪面を舞っていきます。

 あちこちにできた風紋の上を歩いても深く沈むことなくサクサクと歩けました。
 モンスター群に向かってちょっと寄り道

 数日前の雨でモンスターは幾分小さくなっているとのことでした。



 鼻たれモンスターも^_^;

 いっぱい遊んで下山します。


 



 

 
 山頂を後にして、モンスターと戯れた後、林道に下りると風が弱まったように感じました。

 最後の眺めを楽しみつつお茶して一休み。

 すると初めて登ってきた人と会いました。これから杉ヶ峰まで行くそうです。テレマークスキーですから帰りは一気に滑り降りてしまうのでしょう。

 お天気もまだ持ちそうですし、時間もまだ10時を過ぎたばかり。私達もちょっとだけ行ってみることにします。
 大きいザックは勿論デポ。

 身軽になって歩きだします。でも主な装備はデポしたままですし、晴のち曇りの予報と流れの早い雲が要注意です。
 宮城側からの樹氷ツアーという観光雪上車が走っているとizumiさんのレポで知りましたがまさしくそれらしき跡の林道。

 せめて前山辺りまで行けたらと思いつつ。


当初歩く予定だった山並み。
昨日晴れていたら・・・

 
 でもシュークリームのような雪を踏み、モンスターの間を歩きまわることができて、2人とも笑みがこぼれます。





 しかし刈田峠から少し登り始めた所で吹き続ける強風に立ち止まること度々。引き返すことにしました。


奥に到底及ばなかった後烏帽子岳
手前に立派なモンスター
 
 下山するつもりだったのがここまで来れたから良しとしましょう


  お陰で大きなモンスターも見られました。

前山まで行けませんでしたけど
またいつか・・・

・・・って、思えば11年前、
よくぞあっちの南蔵王から北蔵王へと歩きました。
若かったなぁ!シミジミ^_^;

 
 刈田岳の避難小屋に寄っていきます。

 が、ドアが凍って開きませんでした。少し動いていたので強く押せば開いたかもしれません。
 風を避けてモンスターの窪みで休憩に。

 この頃にはすっかり雪焼け、日焼けで顔が火照ってパリパリ。日焼け止め付けるのをすっかり忘れてました^_^;
 30分ほど昼休憩して戻ることにします。

 刈田岳を見上げると途中に並列した雪上車が停まっています。数名の人が下りてモンスターの雪景色を眺めているようです。
 今の時期なればこそ車も通行止めの雪山ですが、観光で気楽に楽しめるのですね^_^;

 雲がだんだんと広がってきています。早目に折り返して良かったようです。

間もなく雪上車が動き出しました。
6台も連なっていたので驚きました。

 
 振り返ると後烏帽子岳や杉ヶ峰山頂にも雲がかかってきています。早目に引き返して正解でした。

 デポの場所に戻ってきました。
 ザックを担いで歩きはじめる頃には今まで歩いた方向が既に真っ白。気温はマイナス3度。

 私達が休憩中に見かけた前山に登っていたスノーシュー?のお二人は大丈夫だろうかと自分たちを棚に上げ心配してしまいました。


 こちらもホワイトアウトになる前に下山しましょう。
 視界は前日ほど酷くはなく、前方は確認できました。

  この辺りではモンスターも見られたのだとようやく知りました^_^;



 避難小屋の屋根は赤かったのね(^^ゞ

 避難小屋の外にはスキーがいっぱい立ててあったので、中で休んでいたようです。ここから先はスキーの人とのすれ違いが多くなりました。
 ようやくリフトとゲレンデの見える場所に出ました。現在地と、ゲレンデに入らないようルートを確認。

 樹林帯に入るとスノーシューの足跡がいっぱいでした。 
 そして兎の足跡も。

 樹林帯の中の雪は新雪ではなく、残雪のような感じでした。
 樹林帯も殆ど人に合わず、休憩中に一組見かけただけでした。
 

 足が痛くなったと言っていたトシちゃん、一休みして元気回復。一気に下ります。
 ゲレンデの下に戻り、ザックとスノーシューは外に置いてレストランの建物の中へ。トイレを借りて休憩に。
 

 ココに来たら石窯焼のイタリアピザを食べていきましょうか♪

 マルゲリータLサイズ(¥1800)とコーヒー(@\350)で至福のひと時。
 車に戻り、片付けてから帰路につきます(午後4時)。温泉にも入りたかったのですが、疲れが出ると辛いのでそのまま帰ることに。幸い渋滞も無く順調に川崎到着午後9時。自宅近くでようやく夕食を済ませ自宅着10時でした。

 往きは交代の運転でしたが帰りはSAにも寄らずトシちゃん一人の運転、お疲れ様でした。