東北・秋田駒ヶ岳〜乳頭山
 (あきたこまがたけ1637.4m〜にゅうとうさん1477.5)
 高山植物の豊かなコース

 H13年7月21日(土)前日の栗駒山より移動
  天気;晴れ 
  Member.2人(夫婦)

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

秋田駒ヶ岳八合目7:00〜阿弥陀池山頂分岐7:55〜秋田駒ヶ岳(男女岳or女目岳)山頂8:10-25〜男岳8:57-9:15〜横岳9:45〜焼森9:55〜分岐〜1360水場〜湯森山10:40-11:10〜宿岩11:45〜笊森山12:20-40〜乳頭山13:33-52〜田代平山荘14:15〜孫六温泉入浴15:10-16:00〜乳頭温泉バス停16:15(16:40発)
(所要時間約8時間10分・・休憩含む)

【秋田駒ヶ岳、湯森山より】右


 東北の山へ。今回もまた、急遽行こうということになった。
 20日、栗駒山
 21日、秋田駒ヶ岳〜乳頭山
 22日、岩手山

 前日は栗駒山に登って、観光も出来る余裕があった。そしてゆっくり眠ることができた。

 秋田駒ヶ岳は車で八合目まで行くことができるが、縦走となるとまた車まで戻らねばならない。田沢湖駅から八合目へと向かうバスが田沢湖高原温泉郷の駐車場を経由するのでそのバスに乗ることにした。410円。乳頭温泉からは戻るバスが出ている。6時30分発が始発と聞いていたが、なぜか6時ごろ一便が出発し、唖然。直前にバス営業所に確認したのに臨時便のことは言っていなかった。山頂を見ればややガスがかかっており、まぁいいかと無理に納得させる。早めにバス停に並ぶが、がら空きだった前のバスに比べ正規の始発は長蛇の列。この時も増発便がすぐに出ることになった。

 八合目に着くとここも思ったより広い駐車場があり、すでに乗用車でいっぱいだった。登山道はさぞや混み合うのだろうと思っていたら、皆すぐには出発しないらしく、意外にも静かでスムーズな登山道だった。もっとも登山道はいくつかに分かれているから分散されたのかも知れない。

 私たちは山頂を回り込むコースを行った。緩やかで無理なく歩ける。田沢湖が見え、ニッコウキスゲが満開だった。ニッコウキスゲはこの後も随所に咲いていた。(書き漏らしたお花は分かったものだけ文末にまとめて記入)

 阿弥陀池が見えてくると、急に人の数が増えたような気がする。山上の池はなぜかとても気持をホッとさせてくれる。ヨツバシオガマ、エゾシオガマ、ミヤマダイコンソウetcが咲いていた。ほとりに立つ避難小屋は今改装工事をしている。今後、あてにして出かける人は、使用できるかどうかを確認した方が良い。

 山頂直下にザックを置き、飲み物を持って山頂へ。とても整備された階段状の道になっている。少しもやっていたが、周辺の山々を望めた。20万図を持ってこなかったのを後悔する。しかし、充分堪能。エアリアマップには秋田駒ヶ岳山頂を男女岳と書いてあったが、実際の山頂には女目岳と書かれてあった。冷たい風に吹かれて少々肌寒く感じられたが、連日猛暑の関東にいただけに、それがとても心地よかった。

 下山して阿弥陀池を周回しながら男岳へ。道ばたのエゾツツジをはじめ、いろいろな花が目を引いた。ここも眺めがよい。これから行く方向を見るとはるか彼方に明日登る岩手山も見える。今回の最終ピーク、乳頭山は遠いなぁ・・・

 秋田駒ヶ岳山頂と阿弥陀池を眺めながら横岳へと進む。ここが思いの外面白かった。大変と言うべきか、岩あり、ハイマツの根っこありで、今までの整備された道とは全然違う。よそ見していても歩ける気楽なハイキングコースとばかり思っていたものだから、意外であり、楽しくもあった。岩やハイマツの合間にはシャクナゲも綺麗に咲いていた。風は爽やかで、展望は終日良かった。 

 焼森はその名の通り、木が焼き払われたように何もない。ガレた山には少しコマクサが咲いていた。そしてロープが張られ、保護されていた。2,3分下れば分岐になり、そこから八合目に戻ることができる。が、私たちは湯森山へ。

 この辺りの登山道は歩くところが深くえぐられ、灌木や笹の方が高くなってしまっていた。視界が遮られちょっと面白くない。しかし期待はしていなかったが、焼森を下りきった所で、登山道をさらさらと 、水が横切っていた。まるで沢水のようだが、さわるととても冷たい。登山道はもう心配はいらないが、山の北斜面などにはまだ雪渓がいくつも残っている。冷たいのはそのためなのだろうか。1500メートル前後の低い山域だが、やませが吹きすさぶ気象条件によるのかもしれない。数人がそこでストップしていたため、私たちはすぐに通過した。

 緩やかに登って間もなく湯森山、振り返れば秋田駒ヶ岳が綺麗に見える。ここで早めに昼食とした。パンと牛乳そしてコーヒーをいれて、のんびりした。ここから笹森山へ向かう人も多く、笊森山へ向かう人は更に少なくなった。湯森山を少し先に行くと岩手山が大きく見え、周囲の山が見渡せる展望の良い場所がある。ここも休むにはもってこいの場所だった。笊森山へのコースはニッコウキスゲが多く、見通しも良く、風通しも良い素敵なコースだった。写真を撮りながら静かな散策を楽しむことができた。すれ違う人との挨拶も自然と互いに「最高ですね!」

 笊森山山頂も展望は最高。足下にはタテヤマリンドウ?も咲いていた。ここから乳頭山へはまたちょっと登り返すことになる。途中までその名のいわれの姿を認められた乳頭山は、ここから見るにはもはやそうは見えなかった。

 笊森山をあとに乳頭山へと向かう頃にはかなり暑くなってきた。しかしお花の種類は相変わらず多い。ウサギギクまで咲いている。乳頭山に亀裂が入っているため要注意と書かれてあったが、登山道を歩けば心配はいらないようだった。登山道は再び整備された歩きやすいものとなっていた。私以上に暑さに弱い夫は次第にため息をつき始めた。「お父さん、ほら、ここはオッパイの山よ、てっぺんはもう少しよ」とへんな励まし方をする。夫はなおもため息をつきつつ「オッパイ、オッパイ・・」といいながら、一歩一歩足を運んだ。妙な夫婦である。

 山頂につくと思わずホッと一息。やっと最後のピークに登ったという安堵感があった。山頂は岩場のようになっており、すでに沢山の人が休んでいた。ここも展望が良い。ゼリーを食べながらゆっくり楽しんだ。私たちが風景を楽しんでいる側で、かつて行った山の話しばかりしている人たちがいた。夫にはそれが怪訝だったようだ。言われてみればそうかもしれない。なるほど・・と変に感心してみたり。

 田代平小屋方面へ向かう道、そしてそこから先に下る道は、しっかりした木道が取り付けられ、歩きやすくなっていた。木道には格子に切れ込みがいれてあり、滑り止めにしてある。歩かれたり流されたりしてえぐられた登山道にも設置されている。田代でぬかった場所もあるが、水場には気がつかなかった。小屋はしっかりしてきれいだった。二階部分が寝られる部分で、下は休憩場所のような作りになっている。トイレもついており、避難小屋としては広い方だと思う。

 田代平は湿原になっている。ここはもう少し早い時期の方がお花が楽しめただろう。一部に水芭蕉の葉も見られた。田代平から孫六温泉へ下るコースをとったが、樹林帯に入るまでは、この日歩いたコースを一望することができた。越後三山を歩いたときほどの感動ではなかったが、 やはり良く歩いたと感無量の思いを抱く。

 樹林帯に入って、一気に下るが、足下は結構笹の切り口が気になるので注意した方がよい。慣れていない人は、コースタイムより時間がかかるだろう。

 孫六温泉の登山口にはふんだんに流れる水場があり、冷たかった。顔を洗いさっぱりしてそのまま温泉へ。ひなびた温泉宿のようだったが、露天風呂や内風呂など広範囲に広がっていた。露天は混んでいたようなので内風呂に入ったが、これが正解で、案の定すいていた。一人400円。どれでも自由に入れる。露天は混浴と女性専用があり、内風呂は男女分かれている。内風呂には石鹸しかなく、浴槽の湯しかないので、軽くさっぱりする程度にしかならない。あとから入ってきた人の話によると、露天は藻が浮いて、あまり綺麗ではなかったということだった。

 お風呂上がりにビールを飲んで(自販機がある)、バス停へと行く。時間はあるし、汗をかきたくなかったのでゆっくりと歩いたが、それでも15分ほどでバス停に着いてしまう。次々と下山者がやってきて、 バスを待つ間の一期一会の会話もまた楽しいものだった。翌週が百名山最後の白馬岳に登られるという方、お天気に恵まれますように。

 バスで田沢湖高原郷温泉駐車場に戻り、途中で食事をすませた後、岩手山へと向かった。

 秋田駒ヶ岳〜乳頭山で見た花(違っているものもあるかも知れません):ミヤマダイコンソウ、ニッコウキスゲ、シシウド?、ハクサンホウフウ?、シモツケ、エゾツツジ、ヨツバシオガマ、エゾシオガマ、ハクサンシャクナゲ、花の終わったチングルマ、イワブクロ、ニガナ、ハンショウヅル(コミヤマハンショウヅル?)、ハンゴンソウ、イチヤクソウ、オノエラン、タテヤマリンドウ(ミヤマリンドウ?)、トキソウ、コマクサ、ウサギギク、ウラジロヨウラク、コメツツジ、ホツツジ、アザミ(ウゴアザミ?)、キンコウカ、クルマユリ、ベンケイソウ、ミヤマコウゾリナ、ツリガネニンジン(ハクサンシャジン?)、ネバリノギラン、ミネウスユキソウ、ヤマハハコ、トリアシショウマ、モミジカラマツ、ミヤマカラマツ、シロバナトウウチソウ?、etc