東北・岩手山
 (いわてさん2038.2m)
 1998年の噴火で登山禁止だったがこの7月に解禁

 H13年7月22日(日)
     前日秋田駒ヶ岳より移動
  天気;晴れ 
  Member.2人(夫婦)

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

馬返駐車場4:10〜馬返登山口(登山カード記入)4:20〜分岐(新道へ)4:45〜一合目5:00〜豆腐岩5:05〜二合目5:15-25〜三合目5:40〜四合目5:55〜五合目6:15-25〜六合目6:50〜七合目7:15-22〜八合目避難小屋7:30〜分岐(不動平避難小屋)7:45〜火口8:05〜岩手山山頂8:15-35〜分岐9:00〜八合目9:10-15〜七合目9:20-30(旧道へ)〜四合目10:15-40〜登山口11:35
(所要時間約7時間25分・・休憩含む)

【岩手山、乳頭山より】右


 東北の山へ。今回もまた、急遽行こうということになった。
 20日、栗駒山
 21日、秋田駒ヶ岳〜乳頭山
 22日、岩手山

 1998年の噴火で登山が禁止になっていた岩手山が、この7月から解禁になった。早速登ってみようというのが今回の目的の一つだった。またいつ登れなくなるか分からないからだ。(浅間山も一部解禁になったということなので、いづれ行ってみたい)

 この日の内に帰路につくので、コースは馬返しからのピストンとした。駐車場は広かった。駐車場の側にはトイレもある。翌朝の早出に備え、支度をしてからやすんだ。

 3時半に起床。周囲も支度を始めている人やら早朝着の人で少しずつ騒がしくなってきた。食事と支度を済ませ、出発。5分ほど登っていくと広場になっており、登山口に登山者カードを書くように整っている。近くには鬼又清水と書かれた噴水のような湧き水がふんだんに出ている。下山したときこの水がとてもありがたかった。

 登山者カードに記入して投函するが、その際切り離した半券に下山者カードもついている。連番で番号が統一されているので、それを各自保管し、下山時にそれに記入してから投函するシステムだ。まだ噴火のおそれがなくなったわけではないので、何カ所かに真新しいサイレンが設置されていた。

 登山口を出発すると登山道の尾根にとりつくため少し下ってから登ることになる。途中熊に注意と書かれてあった。やはり出るらしい。登り始めるともうほとんど登り。ひたすら登る。4時過ぎに出たにもかかわらず、既に暑く感じた。風の通る場所が何より嬉しかった。途中から新道と旧道に分かれ、新道を行くことにする。新道は樹林が多く、登山道は歩きやすい。爽やかで気持がいいと思いつつも、風が遮られて蒸し暑く感じられもした。

 思うほどペースが上がらなかったが、風が通るところで休みながらのんびりと登っていった。やがては樹木がなくなると思っていたが、7,8合目くらいまでずっと続いていた。火山灰に覆われた殺伐とした山を想像していたのだが、なんという緑豊かな山なのだろう。驚いた。

 しかし思いがけない暑さにとうとう夫が音を上げてしまった。7合目の見晴らしの良いところでリタイヤするという。銀マットを預け、食料をそれぞれに分けて、私だけ山頂を目指すことにする。ところが私が歩き始めると途端に冷たい風がながれ、気持ちの良い散策道となった。平坦な道に風が通り、間もなく八合目の避難小屋に着く。小屋は新しく生まれ変わろうとしていた。資材が周りにおかれ、改装工事の最中だった。帰りに再び寄ったときに中を拝見。中は使用可。毛布など500円で貸し出しているようなので、季節営業しているのだろうか?

 岩手山の山頂方向を眺めながら、不動平の分岐まで行くと、山頂に向かう人、反対側の鬼ヶ城の方を歩く人が見えた。網張温泉コースはこの日マラソン大会が開催されるそうだ。

 山頂への登りはガレていて歩きにくかったが、コマクサが咲いて気持が和んだ。火口に着いたときはホッとした。冷たい風が吹き、立ち止まっていたら、ここで初めて寒さを感じた。そのまま緩やかな火口縁を山頂へと進む。

 山頂にはマラソン大会のスタッフが集結し、のんびりとくつろいでいた。無線を交わしたり、雑談をしたり、寝ころんだり、中には火口を走っている人もいた。水のタンクなども用意され、さぞや大変だったことだろうと推測される。

 写真を撮り、火口を見下ろす位置に座ると意外にも穏やかな空気だった。お腹がすいていたのでサンドイッチと牛乳を飲んで展望を楽しみながら一休み。山頂に着いたことを夫に知らせようと携帯をかけたが圏外でつながらなかった。火口を回る予定だったが、夫を待たしているのでそのまま同ルートを下りていくことにした。周回してもそれほど時間は変わらなかっただろうが、山頂からでも充分展望は満足できた。

 下山にはストックを出してザクザクと下りていく。コマクサの写真を撮りたかったが、すこし離れていたので眺めるだけにした。

 八合目の避難小屋はさっきと打って変わって沢山の人でいっぱいだった。どこから引いているものか、水のタンクや水槽があり、様々に飲み物や食べ物を冷やしている。ここまで夫が来ているかと中も覗いてみるがいないようだったので、七合目へ急ぐ。

 七合目はツアーの登山者で賑わっており、登ってきた時の場所に夫はいた。1時間ほど眠ったという。ツアーの登山者は東京からだそうで、若い人、年輩者入り交じって20数名だと言っていた。平均年齢は高いようだった。

 再び夫と下山にむけ歩き出す。ここから旧道を行くことにした。この旧道は岩やガレ場で樹林はなく、風があれば涼やかだが、ないと直射日光がまともに当たってくるコースだった。登りはこちらの方が涼しかったのか?下りは滑りやすくて歩きにくい。しかし新道の下りも蒸したことだろう。はたしてどちらが良いかは分からない。

 四合目まで来て一休みしていると、外人の男性が一人登ってきた。挨拶すると何と流暢な日本語が。しばらくそこで話したが、フランス人で岩手大に応用化学の博士課程で勉強しに来ているとのことだった。日本語は一年間でこれまでに話せるようになったとのこと。すごいなぁ〜と驚くと、「フランス語忘れましたね」とジョークを言っていた。仲間が後から来るはずと下を見ていたが、なかなか来ないのでやがて又一人で登っていった。みるみる上に上がっていってしまった。母国でも山を歩いていたらしく、ピレネーはいいですよと言っていた。スペインとの国境、そういえば娘が昨年スペインに行ったので眺めているはずだ。行ってみたいものである。

 私たちもそれから下り始め、間もなくその同行者とすれ違った。日本人、オーストラリア(オーストリア?)人、ベルギー人だったか・・?4人の若者で、ここでもすこしおしゃべり。一期一会の楽しい出会いだった。

 旧道、新道の合流点に着き、そこからは登山時と同じ、樹林帯の登山道を歩いていった。前日乳頭山で最後の下りをかなり速いペースで歩いていた夫だったが、今回はそれほどペースが上がらないようだった。

 ようやく登山口に着き、下山カードを投函。鬼又清水を見たとき、夫は走るように近寄り、頭から水を被っていた。そこで充分休んだ後駐車場へ。

 昼前には下山できたので頭の片隅にあった姫神山に登りたい気持もあったが、今回は諦めて帰ることにした。夫は勿論okで、登らずに下で休んで待っていると言ってくれたのだが。翌日のことを思えば早く帰った方がいいだろう。そして結果的にはこれが正解。車のオートマミッショントラブルで、やきもきしながら帰ることとなった。それでも無事22時頃自宅着。ホッとする。

 見た花は前日の豊富さにはかなわないが、新たにホトトギスやヤマオダマキなどあった。