東北 ;月山
 (がっさん1984m)
湯殿口からのコースは登山者が少なく、静かな山歩きでした。紅葉も最高。

 H11年10月11日(月)前夜着(鳥海山より)・天気;快晴:Member.2人(夫婦)

9日(土)【八甲田山】【岩木山】:10日(日)【鳥海山】:11日(月)【月山】



【金姥より月山を望む】右

コース(途中の休憩時間含む 。=は乗り物、〜は歩)
湯殿山神社駐車場7:05=(バス)=登山口7:10〜装束場(避難小屋)7:55〜沢〜牛首9:20〜月山山頂9:55-11:00〜牛首11:30〜姥ヶ岳分岐11:45〜姥ヶ岳12:00-05〜姥ヶ岳分岐12:20〜沢12:45〜装束場(避難小屋)12:55〜登山口13:20=(バス)=湯殿山神社駐車場13:30-45=山形道西川IC=東北道安達太良SA?-17:00=浦和IC21:20=自宅22:30

 (登山所要時間 約6時間15分)

 9日から11日の三連休は、東北の紅葉を堪能してきました。青森の八甲田山、岩木山、秋田側から鳥海山、山形の月山と、今回は4座すべてPHです。三日間快晴に恵まれ、いづれも素晴らしい紅葉でした。例年ですと一週間後くらいには初冠雪だそうで、時期的には丁度良かったようです。


 鳥海山下山後、日本海側R7沿いで温泉と食事を済ませ、一路山形へ。予定では出羽三山を目指したため、羽黒山をまず、参拝するつもりだった。ところが車中のラジオから流れる天気予報によると、午後か夕方には雨が降るという。ならば月山を先に登ろうということで湯殿口に向かう。月山は今回の山行直前になって予定を組んだ為、情報不足でもあり、気になったのは深夜湯殿山仙人沢有料道路が通れるだろうか?ということだった。

 心配は的中、入口は閉鎖!開くのは翌朝8時と書いてあった。これなら羽黒山に寄ってくるのだった!でも、う〜む、どうしよう・・・、もっと早く登りたいのに・・・。そこで私の悪魔と天使の葛藤があった。天使はささやく「明日ここを早めに出て歩いて行こうよ」。「神社までの歩行時間もプラスだから、舗装道を往復で2時間20分超過かぁ・・・」と私のつぶやき。悪魔がすかさずささやく「ゲートを開けて、行ってしまえば?」と。思わず気持ちが揺らぐ。でも「こんな時に事故が起きたら嫌だよね、バチがあたるかな」と気の小さい私達。でも神様なら罰など与えないだろう、と自己暗示?で見事悪魔の勝利。ゲートの鎖を外し仙人沢駐車場へと向かった。もちろん、帰りに通行料を払っていこうと思いつつ、 やはり気がとがめる。駐車場にはワゴン車とレッカーのキャンピングカーが停車していた(中に人が乗車)。少しホッとして早々に休むことにする。

 翌朝6時起床、大きな鳥居の側に立派な参籠所が建っており(宿泊設備、お土産屋さんなどもある)、白装束の人たちが大勢出てきた、車に乗って更に上に行くようだ。奥の院での修行僧だろうか?静けさの中、独特な雰囲気だった。

 支度をして、歩き出すと湯殿山ホテルのバスがやってきた。まだ7時だが、ゲートは特別に開けたのだろうか?するとバスが私の側で停まり、ドアが開き、中から運転手さんが「どうぞ」と声をかけてくれた。「えっ?いいのですか?」と尋ねると快い返事。何とラッキーなのだろう、先に行っていた夫が走って戻ってきて一緒に乗せていただく。ホテルに宿泊したらしい観光客で半分ぐらい占めていたので挨拶して一番後ろに座った。30分歩くつもりだったが5分で登山口に到着。バス代を払おうとすると「いらないよ」と言われる。その運転士さんもこれから登ると言っていた。清掃登山に週1回は登っているそうだ。感謝して下車、登山口のお清めの場所でお参りし、バス代はお賽銭にかえてそのまま賽銭箱へ。

 湯殿山には登れないが、せめて湯殿口から登ることで出羽三山の雰囲気を感じたいと思い、このルートを選んだ。沢伝いの階段状の石の上を登って行くと、途中で鉄の梯子もいくつか出てくる。下山時は相当数の登山者とすれ違うのだろうと思っていたが、このルートを通る人は少なかった。というよりほとんどいなかった。山頂に近づくにつれ気がついたことだが、月山高原ラインの月山8合目からのコースや、月山スキー場のリフト利用のコースの人が多いようだった。リフト方向を羨ましそうに眺めていた夫から、私と歩くと大変で、変な、面白いコースばかり歩かされると言われてしまった。

 装束場には避難小屋が建っており、若い男性が3人いた。昨夜そこで泊まったそうだ。小さいが快適そうだ。そこから湯殿山がきれいに見える。登れないが稜線を行けば山頂に立てるような気がする。神聖な山に登山道はつくらないのか、エアリアには載っていない。装束場から数分行くと沢があり、休むに丁度良いところがある。側にはリンドウが沢山咲いていた。姥ヶ岳、金姥の稜線を眺めながら進むとその山頂に立つ人の姿が見える。

 姥ヶ岳への分岐をとりあえず通過し緩やかな人工の階段を登っていくと、牛首まではほぼ平坦な登山道。東側の傾斜の下に同じく牛首に繋がる木道が見え、大勢の登山者が歩いている。姥沢小屋、あるいはリフト乗り場から伸びている登山道だ。リフト乗り場から姥ヶ岳にも登山道が繋がっているらしい(私の95年のエアリアマップには載っていない)。

 牛首辺りで一挙に登山者が増え、賑やかになった。登山道を整備しており、作業する人たちも数人登ってくるのが見える。牛首から鍛冶小屋への登りはちょっときつい。既に閉められている小屋の側を通過すると山頂まではあとひと息。

 山頂は広いが月山と書かれた標識は見あたらなかった。山頂に満々と水をたたえた池を見たときは感激。生活水と書かれている。きれいに使いたいものだ。最高点の月山神社に参拝し、その囲いの上から裏手の三角点を眺める。その遥か先に昨日登った鳥海山が見え感無量。広い山頂に戻り温かいスープとコーヒーを沸かし、昼食をとる。やや風が冷たかったがフリースで充分だった。山頂の人数も多かった。

 同じ道を下山するが、姥ヶ岳分岐で夫は待っているというので私だけ行って来た。木道を伝って歩くこと15分で山頂。湯殿山方向に紅葉が広がり展望は最高。月山も望めて素晴らしい展望場だった。足を伸ばして良かった。金姥にも寄ってみようと登ってみたが、途中で笹に阻まれ、下山がスムーズにいかないと時間がかかると思い途中で下った。それでも充分満足して分岐に戻り、同ルートを一気に下山。装束場近くで小さいヘビに遭遇したときはビックリした。装束場で絵を描いている男性一人に会ったが、その時以外下る人にも登ってくる人にも全く会わなかった。自然が残り、静かな良いコースだった。

 登山口から参拝バス(\100)で駐車場まで戻り、ソフトクリームを食べてから車に戻る。駐車場はしっかり管理されており、優しそうなおじさんから声をかけられた。「お疲れ様でした、何時に登られましたか」と。「7時です」と答えると「それでは入口に連絡しておきますので通行料を支払っていって下さい」と言われ、「はい」と答える。もちろん支払うつもりだったが、とがめられることなく配慮していただいたことに感謝した。しかしルール違反であった事には違いない。懺悔の意味で羽黒山にはまた是非参拝せねばと思いつつ、素晴らしい山行に感謝。そして胸の痛みも感じている月山山行だった。

 と思いつつ、時間があれば蔵王にも寄っていこうかと車を走らせる、反省の足りない私達でもあった。しかしこれはやはり時間的に無理があり、断念。温泉には寄らず、東北道安達太良SAで早めの夕食を済ませたあと、ひたすら帰路に向かう。渋滞には巻き込まれたものの、おかげで夜10時半には無事に自宅到着。

 その後疲れも筋肉痛も出ず、体調は快調そのもの。我ながら驚き。