志賀 ; 草津白根山
  逢ノ峰〜本白根山〜湯釜
(おうのみね2109.9m〜もとしらねさん2164.8〜ゆかま)

 11/13-14は志賀方面、四阿山と草津白根山に行って来ました。天気に恵まれ四阿山では樹林帯の美しさ、山頂の霧氷を堪能、草津白根山では展望の醍醐味を味わってきました。いずれも登山道は整備され分かり易く、積雪はありませんでした。

 H11年11月14日(日)前夜着・ 天気;快晴:Member.2人(夫婦)

13日(土)【四阿山】14日(日)【草津白根山】


【本白根山頂】右

 【コ ー ス 】
(=は乗り物、〜は歩、休憩時間含む)
白根火山駐車場7:00〜登山口7:05〜逢ノ峰7:15-20〜ゴンドラ山頂駅?〜鏡池8:15〜白根展望台8:33-48〜遊歩道最高地点(2150m)9:00-13〜本白根山山頂(2164.8m)9:20-25〜遊歩道最高地点(2150m)9:35-48〜ゴンドラ山頂駅10:18〜白根火山駐車場10:35-40〜湯釜10:50〜白根火山駐車場11:00=渋川伊香保IC=(関越)=練馬IC=環8=第3京浜=自宅16:30

(所要時間約4時間)


 6時起床。既に車が数台停まっている。支度している間に気持ちの良い朝日が昇る。風もない。まわりの風景がきれいに見える。きょうは展望を楽しめそうだ。

 先ずは逢ノ峰に向かう。階段状に整備されているが、寒さで土の地面もこちこちだ。わずかな距離だが朝の登り始めはしんどい。山頂の展望はまずまず。雪を被った北アルプス、後立山方面が輝いて見える。フリースはすぐに脱ぎ本白根山方向へ下る。すると思いがけなくスキー場の雪が現れた。先頭の夫が「おっ!アイゼンが必要だったかな」と言ったものの、人工雪製造マシンで作り出されたゲレンデはまだベビーだった。

 ゴンドラ山頂駅から鏡池方面へと進む。平坦な巻道を行くのでこのまま草津へ抜けてしまうのではないかと冗談も出るが、新潟方面の山並みが一望でき、思わず足をとめる。地図と見比べ山座同定をするが細かいところまでは分からない。遠く谷川方面、手前の苗場周辺の山並みを楽しみ再び歩き出す。やっと登りになって、さらに木道を通っていくと、ぱっと開けたところが鏡池の展望台だった。眼下に丸い鏡池が見える。畔まで下りていけるようだったが眺めるだけで通過。所々に高山植物の説明があった。ここも夏はお花が楽しめる。

 やや深くなった木々の間を抜けると見晴らしの良い展望場についた。静かな気持ちの良い歩きで、ここまでは誰とも会わなかった。間もなく年輩の男性と女性が到着。ここからは南面が開け、昨日登った四阿山や浅間方面、上州方面、遠くは富士山が見えた。北面は白根山湯釜の向こうに横手山方面が見える。そしてさっきまで見えていた東面の新潟方面は歩いてきた山の陰に隠れて見えなくなってしまった。北、中央、南アルプスと雄大な景観が楽しめるかと思ったが、そちらは本白根山頂(三角点)で途中が遮られていた。

 それぞれ互いに写真を撮り合い、話が合って、そのまま四人一緒に三角点の近くまで続いている遊歩道最高地点へと向かうことになった。大宮の男性(70代)を先頭に陽気な高崎の女性(60代?くらい)が続き、そのあとを夫、私とついていく。ところが歩き方の速いこと、前の二人は息も切らさず話しながらどんどん歩いていくが私達はついていくのがやっと(参りました)。途中コマクサがたくさん咲くようだが、守るために植栽しているようだ。

 遊歩道最高点もまた展望がよく、北アルプスの奥穂、槍から後立山方面、焼山・火打・妙高まできれいに見える。焼山は白かったが火打、妙高はまだ白くは見えなかった。そこへ三角点へ行ってきたという男性が来た。「展望は良くないがここまで来たら行ってらっしゃい」と言われ、高崎の女性の「行きましょう」という号令のもと、4人揃って行ってしまった。十数年前、高崎の女子高生と先生が9人有毒ガスで亡くなり、それ以来ロープが張られ三角点へは行けないことになったそうだ(この時初めてこの高崎の女性から聞いた)。三角点までは10分もかからない。その惨事が信じられないくらい穏やかな青空の下、その道筋はしっかりとつけられていた。大勢の人が通っていることを裏付けている。(注*)

 三角点の展望は10分前にいた場所とあまり変わらなかった。しかし三角点で写真を写し、ふたたび元の場所に戻った。30人くらいの団体さんがやってくるのが見えたのでその場でお茶を飲みながら待つことにする。この団体さんも三角点を目指したが、なんとその中に我等がリーダー?高崎の女性の同級生(小、中学時代)がいて13年振りの感激の対面。世の中面白いものである。

 その高崎の女性は鏡池の方から回るというので分岐で別れ、3人になって時計回りにゴンドラ山頂駅方面へもどる。そしてその男性ともそこで別れ私達は逢ノ峰を捲いて駐車場へともどった。山はこんな楽しい一期一会の出会いがあって面白い。

 荷物を車に置き、空身で湯釜をピストンしたが、こちらは一変して観光客で賑わっていた。登る人、下る人で数珠繋ぎ状態、駐車場に入るため道路も渋滞。エメラルドグリーンという湯釜を見て早々に帰ることにした。しかし、この山はこうしてぐるりと回って初めてその良さがあるように思った。手軽な山頂ハイクでここならもっと年をとっても来れるかなとも思う。でももし深田久弥が存命ならきっと百名山から外すのではないだろうか。

 草津温泉にも入りたかったが帰りの渋滞に巻き込まれるのを避けて通過。天気はいいし、時間もあるし、出来ればもう一座と思っていたが、これも断念。しかし麓の紅葉は素晴らしく、丁度見頃で快適なドライブだった。関越の渋川伊香保IC手前でやっと食事らしい食事(昨夜の万座プリンスの半分以下の値段で美味しい焼き肉料理)にありついた。ゆっくり食べたあと、渋滞もない中順調に帰路についた。帰宅は午後4時半、まだ明るかった。

(注*)通行禁止の本白根山三角点に行ったことには批判があろうかと思います。事故がない限り、これは書かなければ誰にも分からないことですが、敢えてここに載せました。自分の身の安全、万が一の時の周囲への迷惑等を考えたら通行禁止区域には立ち入るべきではないと思っています。でも勢いとはいえ行ってみて気がついたことは、半ば予想はしていましたが、思った以上に大勢の人が入っているということでした。はっきりしたルートが残っていることや、その時の入山者(私も含め)の様子からそれは歴然です。日本は火山国ですから、ある程度入山を規制している山が他にもたくさんあります。でも爆発や犠牲者が出て、初めて規制する場合がありますから、通行可能な場所が必ずしも安全とは限りません。入山の場合は自己責任において、状況判断が必要であるということを今回感じました。この日の気象条件は無風快晴、通行禁止の場所は高所にあり、噴火口の確認、先行者の安全の確認をしています。首にはタオルをまいていました(ただしこれは濡れタオルを用意するべきでした)。この程度の状況判断でした。情報によりますと、硫化水素ガスは空気より重いため窪みにたまりやすい、匂いがあるがガスが濃くなると匂いが薄くなるといった特徴があるようです。気がついたときには体が動かず声も出なくなるとも伺いました。恐いものです。危険区域に立ち寄らないことは大切ですが、人の心理は分かりません。事故の記憶が薄れれば人の欲求が高まるのもまた事実です。そして立ち入っている人が大勢いる、これが現実です。