尾瀬・至仏山
 (しぶつさん2228.1m)
  四度目の至仏山と燧ヶ岳へ。 至仏山はお花がいっぱい!
 木道や階段が増えてびっくり。初めて至仏山から山の鼻ルートを下山。

 H15年7月28日(月)
  天気;晴れ
  Member.2人(姉と)

  【至仏山:山の鼻登下山口より】右
 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

鳩待峠(1591m)4:25〜オヤマ沢(1980m)5:05〜小至仏山頂6:47-7:05〜至仏山山頂7:50-8:35〜高天ケ原9:00〜最初の鎖場9:35〜休憩9:40-57〜山の鼻11:07-56〜竜宮十字路13:20--45〜下田代十字路14:15
(所要時間約9時間50分・・休憩含む)

この後散策15:20-16:10(所要時間約50分)


 今回は石原軍団ならぬ我が石原一族が集まって尾瀬に行くことになった。日頃、母を尾瀬に連れていってあげたいと夫婦で話していたのだが、私達同様山歩きを楽しんでいる姉も一緒に行くことになり、更には弟一家も加わり、全員で8名になった。足腰の弱っている母と、体の丈夫でない妹も一緒で、行動はその日によってそれぞれ分かれたが、往復や宿泊など共に行動することは思い出深いものとなるだろう。ここに兄が加わればまさに親兄弟全員集合だったのだが、今回生憎不参加だったのが残念ではあった。
 日程は混み合うのを避け(避けたつもりだったが・・・)、仕事を休んで平日に宿をとったため、日曜はウォーミングアップを兼ねて途中の榛名山掃部ヶ岳に寄り、そのあと尾瀬へと向かった。
 (一日目27日:榛名山掃部ヶ岳、二日目28日:至仏山、三日目29日:燧ヶ岳

 至仏山と燧ヶ岳はそれぞれ四度目だが、尾瀬にはもう何回来ているだろう。昨年は御池から歩いているが、鳩待峠からは久しぶりだ。始発の3時50分発のバスに乗れるよう起床し、準備。母と夫は車中泊、弟一家と私達はそれぞれのテント。早朝発の姉と私は二人用テントだったので、片づけてからバスを待った。

 少し早めに乗り合いタクシーに乗れたが(料金はバスと同じ900円)、ゲートは4時にならなければ開かないのでそこで少し待った。私は最後に乗ったので助手席、運転手さんと話ながらだった。今年は梅雨がまだ明けず客足はイマイチのようだが、前日は久々に晴れて混んだという。今日明日はなんとか天気が持ちそうだと聞いて喜ぶ。

左【鳩待山荘】

 鳩待峠に着いたときはまだ暗闇だった。電気で明るい鳩待山荘で少し休んでから出発。人は思ったより少ない。ヘッデンは一応着けて行ったが、点けなくても大丈夫な明るさになってきていた。歩き始めの頃はあまり花も咲いていないが、そのうちゴゼンタチバナやマイヅルソウなど現れる。眼鏡をかけるようになって、小さな花の識別がしにくくなったのは不便だ。山歩きの時は一番度の弱いのをかけてくるが、薄暗いときは見にくいので外している。だから細かいものは尚判別しづらい。

 夫同様、お花には興味なさそうに歩く姉の後を、私はカメラを出したり入れたりしながらついていく。

左【ロープや階段が増えた】

 歩いている内にふと思った。こんなに木道やら木の階段が多かったっけ・・・。そしてこれは山頂に着くまで続いた。殆どがそんな状態なのであった。そして、虫の多いのに閉口した。休憩ポイントに着くと、より一斉に生き血を吸うが如く群がってきた。やたら刺されて痛い。慌てて虫除けスプレーやら虫さされの薬を塗るが、あっという間にそこら中刺されてしまった。休憩するのを諦めて、また歩き始める。登山道は至る所にロープが張られ、何という変わり様・・・。正直とてもがっかりした。

左【笠ヶ岳:至仏山中腹より振り返って】

 それでもオヤマ沢田代の一面のワタスゲを見たときは変わって無いなぁ・・と懐かしく思う。今回も笠ヶ岳までのピストンは出来なかったが、分岐に来るたびに気になるのである。小至仏へ向かう途中から眺める笠ヶ岳はそれほど大変そうには見えない。きれいな稜線だ。あちらから至仏山と燧ヶ岳をいつか眺めてみたい。

 小至仏山頂で、ようやく小休止。刺すような虫も少なかったので、初めての燃料補給。少しガスってはいたが、正面に尾瀬ヶ原と燧ヶ岳、右は鳩待峠からアヤメ平方面、左は景鶴山方面への山並みが見渡せた。梅雨明けが例年より遅くいまだ明けていない中、これでもラッキーだったようだ。

 登っている途中に鳩待峠辺りにいる夫から電話があった。弟一家はアヤメ平へ向かい、夫と母は山の鼻経由で尾瀬ヶ原へ向かっているということだった。今頃はどの辺を歩いているのだろうかと思いつつ眺めていると、アヤメ平上空でヘリが旋回。体の弱い妹の救援か・・と見守っていると、そのうち尾瀬ヶ原へ。今度は母も引き上げか?とジョーク。と、今度はこちらへ向かってきた。ん?お姉さんもついでにお迎えかと二人で大笑い。ヘリは荷揚げのようで、こんな冗談が飛ばせてとにかく良かった(^-^;

左【至仏山山頂はあの先:小至仏より】

 小至仏から至仏山方向の山並みが見えるが、もちろん山頂はその先になる。尾瀬が初めての姉は休憩を終えてピークを越えるたびに、また裏切られたぁ・・とぼやく。

左【ホソバヒナウスユキソウ】

 私はオゼソウやホソバヒナウスユキソウなど至仏山特有の花をはじめとする様々なお花(タカネナデシコ、チングルマ、ウサギギク、イブキジャコウソウ、ミヤマホツツジ、ベニサラサドウダン、ウラジロヨウラク等々)に巡り会えて、相変わらず写真を撮りながらのんびりとついていった。それにしても登山道には両脇にしっかりロープが張られ、せっかく見つけたムシトリスミレやジョウシュウアズマギクなど位置が遠くて写せなかった。随分とガードが堅くなったものだ。それだけ人が多い山なのだから仕方ないのだろうけど・・

左【至仏山山頂で】

 至仏山山頂には既に人が多かった。鳩待峠に着くと同時にすぐ登った人や、山の鼻から直登した人達だろう。私達が小至仏で休んでいるときに通過した人(単独)も2,3名いた。日射しを避けて北側の岩陰に私達は腰を下ろした。目の前の雲海は徐々に上へと上がっていったが、山々を山座同定。その時はいい加減な山座同定だったが、後から確認すると谷川や巻機山、越後三山、平が岳などが見えていた。

左【高天ヶ原から山頂を仰ぎ見て】

 下りは山の鼻へ直接下るルート。私もここは初めてだった。登ったのはいずれも閉鎖中で、このルートが開通してからは、まだここに来てはいなかった。山頂にいる人が口々に、開通した最初の年はまだ整備されていなくて大変だったと言っていた。急傾斜で大変と聞いていたので、ストックを出した。

左【コオニユリ】

 ここを登ってくる人が多い割に、下る人の数が少なかった。やはり木の階段や木道が多い。樹林がないからここを通るなら日射しの強く無い時間帯が良さそうだ。高天ヶ原をはじめ、休憩場は所々に設けられていた。それにしてもひたすら眼下の尾瀬ヶ原目指して下るのは、近いようだが遠く感じられた。慎重に下る姉の後をついていくが、最早写真を写す気力は段々と薄れていった。

左【鎖場】

 登ってくる人に出会うたびに下の方は滑りやすくて大変だと脅かされた。鎖場もあると聞いて、姉は喜々としていたが、いざその鎖場に来ると、「なに?これが鎖場?」と意気消沈。ことさら使わずとも通れるような場所だった。それでも使って下りる。しかし二度目、三度目はもう使う気にもならなかった。

左【正面に尾瀬ヶ原と燧ヶ岳】

 中間点を過ぎて、見晴らしの良いところでゆっくり休憩した後、下っていくと、思いがけなく水場があった。冷たくて美味しい。この水場の水が登山道を濡らし、これが注意の元のようだった。もっともひとたび雨が降れば、ここはもっと滑りやすそうで歩きたくないコースだと思う。

左【お花畑がきれい】

 このコースにはニッコウキスゲ、アヤメ、コオニユリ、ジョウシュウアズマギク、ツリガネニンジン、タテヤマリンドウなどの花が多くなった。

左【こんな下りが延々と・・】

 慎重に下りていく姉を見習って、私も滑らないよう注意して下っていった。休憩時間を差し引けば、2時間というコースタイムでは歩けた訳だが、嫌になる下りだった。

左【至仏山:山の鼻へ下山して】

 山の鼻まで来ると平日にも関わらず途端に人が多くなった。夏休みだから子供の数も多い。コーヒーを頼んで一休みし、今夜の宿原ノ小屋に電話をいれた。まだみんな到着していないようだったので、現在地を伝えてから尾瀬ヶ原へ。

左【このアングルはどうかな?】

 ニッコウキスゲは少ないように感じたが、それでも所々賑やかに群生していた。見頃は先週辺りだったようだ。他に咲いていたのはキンコウカ、トキソウ、トンボソウ、モウセンゴケ、ナガバノモウセンゴケ、ミズチドリ、ハクサンチドリ、オゼヌマツツジ、キツリフネ、オニシモツケ、コオニユリ、ドクゼリ、コバギボウシ、ヒツジグサ、クガイソウ、ワレモコウなどなど・・・。ヤマドリゼンマイの群生も見事だ。

左【尾瀬ヶ原で】

 途中竜宮小屋で一休みし、県境を越えて群馬県から福島県へと入る。尾瀬ヶ原の途中に県境があったなんて、忘れていた。そういえば尾瀬ヶ原の東電小屋の方は新潟県になっている。意外と入り組んでいる。

左【合流して散策】

 長い散策が終えてようやく原ノ小屋に到着。ベンチには夫と弟が既にくつろいでいた。合計8人だが部屋は広い個室。母と妹等がやはり疲れたようで横になっていた。ここで私達も一息つき、お風呂や食事にはまだ時間があるので母と妹を残し尾瀬ヶ原の散策に出た。入浴時間までに間に合うように、温泉小屋の近くまで行ってから帰ってきたが、トンボと戯れたり、一緒にみんなで写真を撮ったり、のんびりした時間を過ごせてよかった。