中央線沿線・坪山
(つぼやま1102.7m)

 思いがけなく近場の未知の山に!
 秋は紅葉が楽しめ、春は日陰ツツジ、イワカガミがきれいだそうだ!


  H13年12月30日(日)
  天気;晴一時雪
  Member.2人(夫婦)

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

びりゅう館7:30〜坪山9:40-10:00〜遊園地分岐10:25〜坪山登山口(御獄神社バス停)10:50〜びりゅう館11:15
(所要時間約3時間45分・・休憩含む)

 【山頂より笹尾根を望む】右


 私の拙いHPを見に来てくださる方からメールをいただき、この坪山情報を教えていただいた。権現山の北に位置し、昭文社のエアリアマップ「高尾・陣馬」の地図のぎりぎり北に載っているということだった。地図を見る間もなく暮れが押し迫り、ようやく仕事の目処がついて、前夜に歩き納めはどこにしようかと考えたとき、この坪山のことを思いだした。地図を広げると、位置は確認できたが詳しい情報はインターネットでもヒットせず、メールをいただいたSさんからの情報だけ。それを頼りに行ってみようと、とりあえずSさんにお礼とその旨の報告メールを入れた。

 翌朝出る予定だったが、娘のバイト帰りが遅いため、帰るのを待って、そのまま夜出かけてしまおうということになった。支度していると夫が、届いたFAXを持ってきた。見ると、なんとSさんからの坪山ハイキングコースの詳細な手書きの地図だった。驚いてメールを開くとメールも入っていた。お礼のメールを入れて出発したが、この地図がなんと有り難かったことか、大変助かった。

 中央道、上野原ICで降り、小菅方面に向かって進んでいく。電車ならば中央線上野原駅から飯尾行きに乗る(本数は少ない)。登山口は飯尾バス停の一つ手前、御獄神社前で下車。びりゅう館の場合はそれより手前の学校前というバス停で下車する(詳細は富士急バス上野原営業所0554-63-1260へ)。ちなみにこの坪山は富士急で整備したそうで、手書きの案内書を用意してあるそうだ。

 私たちは車だったので、その場で判断をしようと先ずはびりゅう館を通過して坪山登山口に行ってみた。車を置けそうなところはない。バスの時刻表を確認するが、一日に5本。上野原行きのみ書いてあって休日は7時発(平日7時6分発)、次が平日休日共に9時36分発だった。そして飯尾行きの時間がなかった。そのまま又びりゅう館へ戻ることにする。びりゅう館の場合、バス停は「学校前」になる。そこでも時刻表を確認したが、飯尾行きの朝一番は9時17分だった。お薦めは御獄神社前から登るコースのようだったが、この日はもう一つ扇山を登る予定なので、9時台に出発では遅い。そこで逆コースを歩くことにした。

 とりあえずびりゅう館へ向かう。標識があるのですぐ分かる。学校前バス停からも近い。立派な建物で、駐車場も整備され、20台ほどのスペースがあった。設備は工房やお蕎麦など食べるところがあるようだが、私たちは時間がなくて中には寄れなかった。自宅(川崎)から中央高速道を使い、ここまで約2時間(深夜時間で道路はすいていた)。駐車場に車を停めて3時間ほど仮眠。

左【登りの雑木林】

 朝起きて支度をし、登山口を捜すがその標識はなかった。おそらく目の前に見える登山道だろうと思いつつ、いただいた手書きの地図で確認。やはりびりゅう館の建物の左側にある登山道で良いようだ。登山道は最近整備されたとは思えない。けっこう踏みならされている。檜林を登っていくとやがてところどころにびりゅう館方向を指し示す竹で作られた標識が現れてくる。びりゅう館から登る想定にはなっていないようだ。地図がなかったら、確信を持って登れなかった。

 途中で10分ほど休憩して再び歩き出す。木の間から、南には権現山の稜線、東には北へ伸びる笹尾根が見える。急登もあり、落ち葉で登山道が隠れているところもあった。小さいピークが3つか4つあったと思う。尾根は痩せているところもあって、下を覗くと切り立っている様子が見える。樹林帯なので不安はなかった。しかし、雪が積もったら多少注意を要するルートだろう。落葉して枝が張りだしている間を通るので、手や顔など素肌が出ているところに当たって痛かった。しかし自然味溢れ、渋くて楽しめる山だ。

 佐野峠への分岐を左に見て右へと行くと30mほどで山頂。こぢんまりとした山頂だった。周囲の山並みが見渡せて展望がいい。気候も穏やかで幸いだった。はるか北にみえるのは奥多摩から奥秩父にかけての山だろう。方向的には北正面が三頭山、笹尾根の連なりの先を見つめるが、昭文社の5万図ではその山頂をはっきりとは確信が持てなかった。三頭山にもまた行ってみたいものだ。

 南の権現山、麻生山の間にちょこんと見える山は多分扇山だろう。この後行こうと予定している山だ。思いがけなく互いの山頂を、権現山の稜線越しに見えることを発見して、心がときめいた。

 ゆっくり展望を楽しんだ後、御獄神社方向へ下山する。山頂からは西尾根に行くコースと東尾根に行くコースがある。西尾根の方がイワカガミやツツジが多いようだ。花の時期ではないのであまり気にせず、無意識に標識に飯尾方面と書かれてあった方向へと下っていった。眼下に下山方向が見えるので、ごく自然にそちらへ行ったのだが、これは東尾根のコースだった。こちらは一気に下る。したがって、登りは急登でただひたすら登るのみとなる。杉林などで次第に展望はなくなる。

 通らなかった西尾根の方は地元の人しか通らなかった道を整備して13年の4月から登れるようにしたそうだ。自然が残された道だそうなので、機会があればまたそちらを歩いてみたい。

 一方、下りに選んだ東尾根は途中で遊園地方面への分岐がある。果たして遊園地があるのか疑問だったが、コース的にはそちらへ下りた方がびりゅう館には近い。しかし、昨夜確認しておいた御獄神社の登山口へと向かった。その頃になってチラチラと雪が降ってきた。西尾根コースと合流すると100メートルほどでバス停に到着。今回は誰一人出会うこともなく、静かな山歩きが楽しめた。

 バス時間には間があったので、そのままバス通りを歩いてびりゅう館駐車場へと向かった。のんびり歩いて約25分。雪の降る中、思いがけなく未知の山に巡り会えたことに、とても満足な気持ちであった。sさん、情報ありがとうございました。

 さてこのあと今年最後の山、扇山へ。