今回のトラック:赤線
(青線は入れていったルート)
※水色線はエスケープルート




二日目:白根御池〜小太郎山ピストン〜肩の小屋

 

 3時40分起床。それでも初日の睡眠不足はすっかり解消。それくらいぐっすりと眠りました。

 起きるとお天気は気持ちよく晴れ、目の前には北岳もしっかり見えます。気温は出発時の5時半頃で13度。急登の草スベリを歩くには丁度いい気温です。

 今日のメインは小太郎山。分岐から空身でピストンして肩の小屋までですから気楽です。
 グンナイフウロ

 ハクサンフウロ
 さっそく草スベリにはいろいろな花・・・と思いましたがすっかり少なくなっていました。やはり海の日の頃が華やかですね。
 センジュガンピ

 マルバダケブキ

ミヤマシシウド

ヤナギラン

 それでもシシウド、マルバダケブキ、シモツケソウ、グンナイフウロ、センジュガンピ、タカネナデシコ、ウメバチソウ、クルマユリ、ニリンソウ、イブキトラノオ、ヨツバシオガマなど所狭しと咲いていました。ヤナギラン、ヤマリンドウ、トリカブト・・・山はもう秋の用意を始めているようです。
 オニシモツケ

イブキトラノオ


休みながら登って振りかえると鳳凰三山
鳳凰からも、この北岳が大きく見えるのです。

 

 50分から1時間で一本休憩。キタダケソウを見に来たのはもう3年前。時の立つのは早いですが、ここで休憩したねとか懐かしい話をしながらのんびりと。
 マルバダケブキがいっぱい。

 北岳に来るのはトシちゃんが三回目。
 私は四回目です。
 タカネナデシコ

 ウサギギク


 シュロソウ
 草スベリをある程度登ると気持ちの良いダケカンバの樹林帯。

 トシちゃんが初めて北岳を登ったのは大学生の頃だそうな。登山ブームにのっかってテントを持ち、友達と二人で八本歯のコルの方から登ったそうですが、それから深くはまることなく趣味は乗って楽チンなオートバイへと向かっていきましたとさ(笑) そして今また若かりし頃やり残したことの再燃?(^o^)


 八本歯のコルからまだ行ったことがない私。今回も小太郎山目的ですから行けません。
 またいつか来ましょうか、ねぇ、トシちゃん。

 T「・・・・・」

 カンチコウゾリナ

 ヨツバシオガマ

 トリカブト

 シナノキンバイ


背後に鳳凰三山

 

 鳳凰三山の左側には八ヶ岳。
 こうして見晴らしのいい場所に来たら二俣コース分岐です。

 草スベリコースも二俣分岐からの右俣コースもコースタイムは変わらないのですが、今回も草スベリコースでした。以前(16年前)歩いた時は草スベリが文字通り滑りそうなくらい急に感じましたけど、ずいぶん歩きやすくなったように思うのは気のせいでしょうか?^_^;
 ひと登りすれば小太郎山分岐。

小太郎山と奥に甲斐駒ケ岳。
バスで偶然一緒だったTさんは黒戸尾根から登られて、
今頃山頂でしょうか?
そして甲斐駒ケ岳の右奥に八ヶ岳。


 
 
仙丈ケ岳

 
中央アルプス

 
富士山

   分岐で用意していると丁度小太郎山から戻ってくるご夫婦がいらしてびっくり。登っている人がいるんだねなんて話していたら、なんと昨日肩の小屋まで登ってテント泊し、北岳に登らず今回は小太郎山だけを登りに来られたとのこと。百高山を目指しているそうで、小太郎山の展望の素晴らしさを楽しそうに話していました。私たちと同年輩で共感することも多く、しばし歓談してからザックをデポし、身軽になって小太郎山へと向かいました。
 ヒメコゴメグサ

 トウヤクリンドウ

 ホソバツメクサ

 チシマギキョウ

 身軽になっても写真を撮りながら行くのでやはりのんびり歩きです(^^ゞ
 ハナニガナ

 タカネヒゴタイ

 以前(三年前)ここを歩いた時は、ガスガスでこの展望が望めませんでした。

途中出会った鳥二羽。ホシガラスかな?

 
 岩岩やらガレ場やらあり、まき道もありますが、稜線ですので概ね分かりやすいルートです。

 途中、後から来たご夫婦に抜かれあっという間に姿が見えなくなりました。山頂でお話ししますが、今朝広河原を5時ごろ出発して小太郎山をピストンし、肩の小屋へテント泊なのだそうです。ヒョェ〜健脚ですね〜。私たちの二日分の行程です(@.@; 

 私たちが亀なだけですか?(笑)


 小太郎山からの富士山展望を楽しみにしていましたが、残念ながら雲がかかってきてしまいました。心に焼き付けて心の目で山頂から見ることにしましょう。
 ゴゼンタチバナが少し咲き残っていました。

 手前の偽ピークを過ぎて小太郎山山頂。前回はその偽ピークまで来ていたのに・・・。あと数分だったのに・・・^_^; 三年後やっと山頂に立ちました。

小太郎山山頂からみる北岳

 
 
先行のご夫婦と話していると
突然奥さんが「あっ、オコジョ!」と。


 
カメラを構えていると可愛い姿を
何度も見せてくれました。


 ご夫婦と、あとから登ってきた単独の男性の五人でしばし話しながら、山頂で一時間近くのんびり。私たちは食事(前夜作っておいた稲荷寿司)も済ませてから下山します。

 分岐に戻る間にも単独女性、単独男性とすれ違い。思ったより登る人がいるという印象でした。


シコタンソウ

 
 


 分岐に戻り再びザックを担いで肩の小屋へ。
 ザックカバーを外し、使っていたデイパックを簡単に挟んで分岐を後にします。

 う〜ん、デカザックに見えなくなっているような・・・たくましいぞワタシ(笑)


 きれいに見えている北岳へと向かいます。
 ちょっと厳しい登りもありますがあと少し。

 すれ違う人からは「頑張って」とか、「大変そう」とか、「ここはきついでしょう」とか、「すごい!」とか、「あと少しですよ〜」とか、いろいろなエールをいただきました^_^;
 13時、肩の小屋に到着。ガスが湧きあがっていましたが今夜のテン場。ここまでくれば一安心。

 テン場の受付を済ませ先ずは乾杯!って、2人で一缶、いやトシちゃん一口か・・、酒豪に見られますが下戸です^_^;

 ビール500円、テント場一人500円。水1リットル100円。水は翌日の飲み水含め5L購入。エネルギー温存のため水場まで行きませんでした(^^ゞ
ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)

ホソバイワベンケイ
 タカネヤハズハハコ

 オンタデ?
 お家ができての〜んびり。お隣さん?のテント二軒(笑)の若い男性二人、単独男性一人と仲良くなりまして、けっこう山の話で盛り上がりました。こんなひと時が楽しいんですよね。

 時間がたっぷりあったので周囲のお花を見に。小屋のお花畑にはキタダケソウが一輪だけありました。

 16時頃17度。体感温度はどんどん下がりました。薄手のダウン上下とフリース着用です。

キタダケソウ

シナノキンバイ

 クロユリ

ミヤマオダマキ

 
 ハクサンイチゲ

シロウマタンポポ

 
 ハクサンチドリ



 

  夕食は白飯に角煮とサラダと味噌汁。
 夕方になると外が騒がしくなり、テントの外に出てみると韓国の団体さんでいっぱいでした。皆さんで赤岳やら甲斐駒やら富士山やら・・山座同定しています。ツアーであちらこちら登られているようで、かなり詳しくご存じで驚きました。

上がってきた雲の中に浮かぶ甲斐駒ケ岳
手前に今日登ってきた小太郎山

 
 この日も早々に眠りにつきましたが、夜半前から雨・・・。

 三日目



南ア縦走:二日目(五泊六日)
【全コース】
小太郎山(こたろうやま 2725.1m)〜北岳(きただけ 3192.4m)〜間ノ岳(あいのだけ 3189.3m)西農鳥岳(にしのうとりだけ 3050m)農鳥岳(のうとりだけ 3025.9m)〜広河内岳(ひろごうちだけ 2895m)〜大籠岳(おおこもりだけ 2767.0m)〜白河内岳(しろごうちだけ 2813m)〜黒河内岳=笹山(くろごうちだけ=ささやま 2813m)〜白剥山(しらはぎやま 2237.2m)クリック地図 =最高峰北岳。最北小太郎山より南下)


 小太郎山は一度途中(ピークの少し手前)まで行ったことがありました。ガスで展望が望めなかったのと、時間切れと、イヤイヤトシちゃんのおかげで引き返してしまったのですが、もしその時登っていたら今回のコースではなかったことでしょう。いつも二度三度とチャンスを与えてくれるトシちゃんです^_^; 

 H22年8月7日-12日(土-木)
天気;下記コースに記入
Member.2人(トシちゃん&sanae)



小太郎山山頂より日本一の富士山(写真の左側)と、二位の北岳(写真)を仰ぎ見る


H22年8月7日-12日(土-木)
天気;初日晴後一時雨、二日目〜三日目は晴
Member.2人(トシちゃん&sanae)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む。=は乗り物) 
8/7(一日目)晴:広河原6:20〜広河原山荘6:27-29〜白根御池9:50(テント泊)

8/8(二日目)晴:白根御池5:40〜小太郎山分岐8:24-43〜小太郎山山頂9:56-10:49〜小太郎山分岐12:04-19〜肩の小屋13:00(テント泊)

8/9(三日目)雨時々曇り:肩の小屋8:23〜北岳山頂9:23-38〜北岳山荘10:38-11:03〜中白根12:00-08〜間ノ岳14:10-18〜農鳥小屋15:30(テント泊)


  8/10(四日目)晴のち雨:農鳥小屋5:37〜西農鳥岳山頂7:00〜農鳥岳山頂8:14-37〜大門沢下降点9:25-36〜広河内岳山頂10:19-48〜大籠岳山頂13:08〜白河内岳山頂14:30〜ビバーク15:10(テント泊)

8/11(五日目)明け方まで雨。晴後曇り&小雨:ビバークテント場5:54〜笹山北峰山頂7:38-8:00〜笹山山頂(南峰)8:10-12〜大休憩9:00-26〜白剥山山頂11:06-53〜奈良田越12:30〜伝付峠16:21〜テント場16:35(テント泊)

8/12(六日目)曇りのち雨のち晴:テント場4:50〜東京電力管理小屋6:38-41〜大滝7:50〜建設中ダム8:25〜新倉湧水10:00-20〜ヘルシー美里(バス停)11:00・・・ヘルシー美里にて入浴。バス停13:59発身延駅行きに乗車。

(所要時間・・休憩時間含む)←省略